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第二章
第33話 二股野郎確定?
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※晴翔視点に戻ります※
「はぁ……」
「晴翔、溜め息四十三回目」
「もう、海斗君。そんなの数えないでよ」
「しゃーないやろ。隣で、はぁはぁ言われたら、数えたくなくても数えてまうわ」
海斗と共に、何処へ行くでもなく歩いた。
そして、あろうことか辿り着いた場所。それは、懐かしの中学校。
流石に連絡もしていないので、中には入らず外から眺めるだけだが。それでも、記憶は蘇る。
俺が、あの時松田先輩を見つけなければ……蓮に助けを求めなければ……そうすれば、蓮と松田先輩が知り合うことも、仲良くすることもなかったかもしれない。後悔だけが押し寄せる。
「へぇ、ここが晴翔の中学校かぁ。綺麗な学校やな」
「あー、確か十年くらい前に建て直されたから。良い思い出はないけどね」
「ほんまか? 少しくらいあるやろ」
「ない」
「失恋した男は、捻くれてんな」
捻くれてる男に付き合ってくれる海斗は、想像以上に優しい。素顔を知っても、ゲイだと分かっても離れない山田と三崎にも感謝だ。俺は、本当に友達に恵まれている。
「そういえば、山田がゲーセン来ないかって。行くとこないし、行く?」
「せやな。おれは、この辺散策する方が楽しいけどな。晴翔……? どないしたん?」
「いや……新城先生がいて」
中学校の近くのファミレスに新城先生が入っていくのが見えた。
「新城って、あの数学で風紀の?」
「うん。家、この辺なのかな」
「晴翔、他の男ばっか追いかけんと、おれにしとき。アイツならしゃーないって思ってたけど、他の男には取られとうないわ」
「いや、新城先生はそういうのじゃなくて……松田先輩?」
松田先輩もファミレスの中に入って行った。そして、新城先生の席に向かい合って座った。
「アイツも知り合いか?」
「うん。蓮が長年想ってきた相手」
「え、それって両想いやったんやろ? せやのに他の男と二人って、もしかしておれら浮気現場目撃したんやろか」
何故か海斗は楽しそうだ。
「ちょっと盗み聞きしに行こうや」
「そんな、ダメだって」
「ちゃんとドリンクバー払うし、ええやん」
「ちょ、海斗君。そういう問題じゃ……」
海斗は、気分上々にファミレスに向かった。俺も渋々それに付いて行く。
◇◇◇◇
俺と海斗は、松田先輩の後ろの席に座った。
「海斗君。ちょっと、こんな近いとバレるんじゃ?」
小声で言えば、海斗も倣って喋る。
「近くないと聞こえへんやん」
「そうだけど……」
ソワソワしながら、ひとまずタッチパネルを操作する。何でも良いので頼まなければ。
「とりあえずドリンクバーで良い?」
「おう、あとはミートパスタとエビドリアに、チーズインハンバーグな」
「え、そんなに食べるの?」
「人の悩み聞くのはカロリー消費すんねんで」
「なんか、ごめん……」
俺は言われた通りの注文をし、耳を澄ました。
「あー、えっと、その……大学はどうだ?」
「うん、楽しいよ」
「友達は、出来たのか?」
「ぼちぼち」
何だかぎこちないが、普通の日常会話だ。
松田先輩が敬語じゃないところからして、二人は元々知り合いで、仲の良い間柄なのだろう。
「司君、話って何?」
司君とは、新城先生の下の名前。
今日は、新城先生が誘ったようだ。
「そうだな……本題に入ろうか。えっとだな。この間は……すまん」
「やっぱその話か」
「考えなしに発言してしまって、光希の気持ちを無下にしてしまった」
「はは……司君、気にしないでよ。改まって謝られる方が嫌なんだけど」
「いや、しかし……」
新城先生が謝るなんて、よっぽど何か酷いことをしたのだろうか。
「教え子の相談に乗っていたんだが……その子も、光希と一緒だったんだ」
「そっか」
「それで、その子も至極悩んでいて……幼馴染とようやく結ばれたようだが、結ばれるまでには色んな葛藤があったらしい」
ん? これはもしや、俺の話では?
「光希も、その……なんだ。打ち明けるのに覚悟のようなものがあったのだろう? それなのに、おれは……」
「だから良いって。ぼくは司君が好きだけど、それで悩ますつもりなんてないから」
え……これは、二股野郎確定では?
新城先生が告白された相手。それが、松田先輩。つまり、蓮にも好意を抱きつつ、新城先生にも……。
何だか、怒りが込み上げてきた。
蓮一筋だと思ったから、蓮のことを大切に……幸せにしてくれると思ったから、俺は蓮を諦めたのに。こんな中途半端な男に取られるくらいなら、俺は……。
「おまたせ致しました。ミートパスタにエビドリア、チーズインハンバーグです」
二人並んで後ろを気にしている俺らに、怪訝な顔を見せつつも、店員が料理を机に並べる。
飛び出す寸前だったが、今ので少し冷静になれた。海斗が料理に手をつけながらも、俺は聞き耳を立てた。
「でも、司君の教え子は良いなぁ。付き合えたんでしょ?」
「それが、相手の子には別に好きな先輩がいたらしくて、その先輩もまたその子に好意を抱いているようなんだ」
「うわぁ、ややこしいことになってるね」
お前が原因だよ!
と言いたいけれど、我慢我慢。
それにしても、俺はどうしたら良いのか。松田先輩は、新城先生とは付き合っていない訳だから、厳密に言えばフリー。何も聞かなかったことにして、蓮と松田先輩の恋路を応援するべきか。
悩んでいると、着信音が聞こえてきた。
プルル……プルル……プルル……。
「司君、ごめん。中学時代の後輩から」
「出なさい」
松田先輩が電話に出た。
「もしもし、え、今から? 今はちょっと……どうかしたの? うんうん……え!? そんなことになってんの!?」
「光希、大丈夫か?」
「後輩がフラれちゃって、相談乗って欲しいって」
「ここに来てもらいなさい。おれは帰るから」
「いや、でも……」
新城先生は立ち上がり、荷物を持って出口に向かった。
そして、俺も海斗に言った。
「多分今の電話、蓮だよ。俺らも早く出よ」
「あとドリアだけやから、もうちょい待って」
「そんな悠長にしてたら来ちゃうよ」
「すぐやから。食べ物粗末にしちゃあかんやろ」
「そうだけど……」
ソワソワしながら外の景色に目をやっていると、声をかけられた。
「佐倉じゃないか? それに原も」
「え?」
振り返れば、新城先生の姿。
「え、新城先生。帰ったんじゃ……」
「トイレに行ってから帰ろうと思ってな。この後ろの席だったんだ。奇遇だな」
「そ、そうですね」
どうしよう。
冷や汗が出てきた。
幸い松田先輩はまだ電話中で、俺らには気付いていない。
俺は、新城先生の手を引っ張った。
「先生も一緒にどうですか?」
小声で誘えば、新城先生も自ずと小声になった。
「いや、先生はもう帰ろうかと……」
「少しくらい良いじゃないですか。ね、海斗君も先生と話してみたいって」
海斗は、頬張っているドリアを飲み込み、新城先生を横目に見た。
「ん? おれ? 別に話すことないけど、奢ってくれるなら大歓迎や」
「ほら先生。大歓迎って」
「それは歓迎されているのか?」
「良いから良いから」
半強制的に新城先生を座らせ、海斗、俺、新城先生の順で横に並んだ。
「先生もこっち側で良いのか? あっちに行った方が良いんじゃないか?」
新城先生は、向かいの席を指差した。
「いや、あっちにいたら蓮が来た時見えちゃうかもしれなくて……」
「蓮って、葉山か? お前ら友達だろ?」
「友達ですけど……今は会いたくなくて」
そう言うと、新城先生がハッと気が付いた。
「あ、もしかして。幼馴染の恋人って」
「シー。先生、声でかい」
「え、じゃあ、何か? もしかして、その先輩っていうのが光希だったり? って、それは違うか。光希は、おれに告白してきたし……」
何だかこれ以上聞きたくなくて俯いた。すると、海斗が代わりに言った。
「先生、二股野郎なんてフッて正解やわ」
「光希はそんな奴じゃ……」
「先生は、その光希ちゃんがゲイなのも知らんかってんやろ? 二股してないなんて言い切れんやろ」
新城先生もそれ以上反論できず、遠くを眺めた。
海斗が食べ終わるのが先か、蓮が来るのが先か……ひとまず、窓の外から見えないようにメニュー表で顔を隠した。
「はぁ……」
「晴翔、溜め息四十三回目」
「もう、海斗君。そんなの数えないでよ」
「しゃーないやろ。隣で、はぁはぁ言われたら、数えたくなくても数えてまうわ」
海斗と共に、何処へ行くでもなく歩いた。
そして、あろうことか辿り着いた場所。それは、懐かしの中学校。
流石に連絡もしていないので、中には入らず外から眺めるだけだが。それでも、記憶は蘇る。
俺が、あの時松田先輩を見つけなければ……蓮に助けを求めなければ……そうすれば、蓮と松田先輩が知り合うことも、仲良くすることもなかったかもしれない。後悔だけが押し寄せる。
「へぇ、ここが晴翔の中学校かぁ。綺麗な学校やな」
「あー、確か十年くらい前に建て直されたから。良い思い出はないけどね」
「ほんまか? 少しくらいあるやろ」
「ない」
「失恋した男は、捻くれてんな」
捻くれてる男に付き合ってくれる海斗は、想像以上に優しい。素顔を知っても、ゲイだと分かっても離れない山田と三崎にも感謝だ。俺は、本当に友達に恵まれている。
「そういえば、山田がゲーセン来ないかって。行くとこないし、行く?」
「せやな。おれは、この辺散策する方が楽しいけどな。晴翔……? どないしたん?」
「いや……新城先生がいて」
中学校の近くのファミレスに新城先生が入っていくのが見えた。
「新城って、あの数学で風紀の?」
「うん。家、この辺なのかな」
「晴翔、他の男ばっか追いかけんと、おれにしとき。アイツならしゃーないって思ってたけど、他の男には取られとうないわ」
「いや、新城先生はそういうのじゃなくて……松田先輩?」
松田先輩もファミレスの中に入って行った。そして、新城先生の席に向かい合って座った。
「アイツも知り合いか?」
「うん。蓮が長年想ってきた相手」
「え、それって両想いやったんやろ? せやのに他の男と二人って、もしかしておれら浮気現場目撃したんやろか」
何故か海斗は楽しそうだ。
「ちょっと盗み聞きしに行こうや」
「そんな、ダメだって」
「ちゃんとドリンクバー払うし、ええやん」
「ちょ、海斗君。そういう問題じゃ……」
海斗は、気分上々にファミレスに向かった。俺も渋々それに付いて行く。
◇◇◇◇
俺と海斗は、松田先輩の後ろの席に座った。
「海斗君。ちょっと、こんな近いとバレるんじゃ?」
小声で言えば、海斗も倣って喋る。
「近くないと聞こえへんやん」
「そうだけど……」
ソワソワしながら、ひとまずタッチパネルを操作する。何でも良いので頼まなければ。
「とりあえずドリンクバーで良い?」
「おう、あとはミートパスタとエビドリアに、チーズインハンバーグな」
「え、そんなに食べるの?」
「人の悩み聞くのはカロリー消費すんねんで」
「なんか、ごめん……」
俺は言われた通りの注文をし、耳を澄ました。
「あー、えっと、その……大学はどうだ?」
「うん、楽しいよ」
「友達は、出来たのか?」
「ぼちぼち」
何だかぎこちないが、普通の日常会話だ。
松田先輩が敬語じゃないところからして、二人は元々知り合いで、仲の良い間柄なのだろう。
「司君、話って何?」
司君とは、新城先生の下の名前。
今日は、新城先生が誘ったようだ。
「そうだな……本題に入ろうか。えっとだな。この間は……すまん」
「やっぱその話か」
「考えなしに発言してしまって、光希の気持ちを無下にしてしまった」
「はは……司君、気にしないでよ。改まって謝られる方が嫌なんだけど」
「いや、しかし……」
新城先生が謝るなんて、よっぽど何か酷いことをしたのだろうか。
「教え子の相談に乗っていたんだが……その子も、光希と一緒だったんだ」
「そっか」
「それで、その子も至極悩んでいて……幼馴染とようやく結ばれたようだが、結ばれるまでには色んな葛藤があったらしい」
ん? これはもしや、俺の話では?
「光希も、その……なんだ。打ち明けるのに覚悟のようなものがあったのだろう? それなのに、おれは……」
「だから良いって。ぼくは司君が好きだけど、それで悩ますつもりなんてないから」
え……これは、二股野郎確定では?
新城先生が告白された相手。それが、松田先輩。つまり、蓮にも好意を抱きつつ、新城先生にも……。
何だか、怒りが込み上げてきた。
蓮一筋だと思ったから、蓮のことを大切に……幸せにしてくれると思ったから、俺は蓮を諦めたのに。こんな中途半端な男に取られるくらいなら、俺は……。
「おまたせ致しました。ミートパスタにエビドリア、チーズインハンバーグです」
二人並んで後ろを気にしている俺らに、怪訝な顔を見せつつも、店員が料理を机に並べる。
飛び出す寸前だったが、今ので少し冷静になれた。海斗が料理に手をつけながらも、俺は聞き耳を立てた。
「でも、司君の教え子は良いなぁ。付き合えたんでしょ?」
「それが、相手の子には別に好きな先輩がいたらしくて、その先輩もまたその子に好意を抱いているようなんだ」
「うわぁ、ややこしいことになってるね」
お前が原因だよ!
と言いたいけれど、我慢我慢。
それにしても、俺はどうしたら良いのか。松田先輩は、新城先生とは付き合っていない訳だから、厳密に言えばフリー。何も聞かなかったことにして、蓮と松田先輩の恋路を応援するべきか。
悩んでいると、着信音が聞こえてきた。
プルル……プルル……プルル……。
「司君、ごめん。中学時代の後輩から」
「出なさい」
松田先輩が電話に出た。
「もしもし、え、今から? 今はちょっと……どうかしたの? うんうん……え!? そんなことになってんの!?」
「光希、大丈夫か?」
「後輩がフラれちゃって、相談乗って欲しいって」
「ここに来てもらいなさい。おれは帰るから」
「いや、でも……」
新城先生は立ち上がり、荷物を持って出口に向かった。
そして、俺も海斗に言った。
「多分今の電話、蓮だよ。俺らも早く出よ」
「あとドリアだけやから、もうちょい待って」
「そんな悠長にしてたら来ちゃうよ」
「すぐやから。食べ物粗末にしちゃあかんやろ」
「そうだけど……」
ソワソワしながら外の景色に目をやっていると、声をかけられた。
「佐倉じゃないか? それに原も」
「え?」
振り返れば、新城先生の姿。
「え、新城先生。帰ったんじゃ……」
「トイレに行ってから帰ろうと思ってな。この後ろの席だったんだ。奇遇だな」
「そ、そうですね」
どうしよう。
冷や汗が出てきた。
幸い松田先輩はまだ電話中で、俺らには気付いていない。
俺は、新城先生の手を引っ張った。
「先生も一緒にどうですか?」
小声で誘えば、新城先生も自ずと小声になった。
「いや、先生はもう帰ろうかと……」
「少しくらい良いじゃないですか。ね、海斗君も先生と話してみたいって」
海斗は、頬張っているドリアを飲み込み、新城先生を横目に見た。
「ん? おれ? 別に話すことないけど、奢ってくれるなら大歓迎や」
「ほら先生。大歓迎って」
「それは歓迎されているのか?」
「良いから良いから」
半強制的に新城先生を座らせ、海斗、俺、新城先生の順で横に並んだ。
「先生もこっち側で良いのか? あっちに行った方が良いんじゃないか?」
新城先生は、向かいの席を指差した。
「いや、あっちにいたら蓮が来た時見えちゃうかもしれなくて……」
「蓮って、葉山か? お前ら友達だろ?」
「友達ですけど……今は会いたくなくて」
そう言うと、新城先生がハッと気が付いた。
「あ、もしかして。幼馴染の恋人って」
「シー。先生、声でかい」
「え、じゃあ、何か? もしかして、その先輩っていうのが光希だったり? って、それは違うか。光希は、おれに告白してきたし……」
何だかこれ以上聞きたくなくて俯いた。すると、海斗が代わりに言った。
「先生、二股野郎なんてフッて正解やわ」
「光希はそんな奴じゃ……」
「先生は、その光希ちゃんがゲイなのも知らんかってんやろ? 二股してないなんて言い切れんやろ」
新城先生もそれ以上反論できず、遠くを眺めた。
海斗が食べ終わるのが先か、蓮が来るのが先か……ひとまず、窓の外から見えないようにメニュー表で顔を隠した。
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