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第10話 帰還
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ひつじの執事と、ぶたのコックに礼を告げる。
「長いことお世話になりました」
「ジーク様、いつでもお戻り下さいね。わたくし共は、大歓迎ですので」
「ジーク様のお好きなミノタウロスの肉、準備しておきます故」
「ありがとう」
エクスカリバーをしっかりと背負い、ショルダーバッグを肩にかけた。
俺の足にぴったりと絡みつくレオの頭を撫でる。
「レオ、俺行くからさ」
「お前、何で人間界戻るんだよ! 人間界なんてつまんねーだろ? ここの方が快適だろ?」
「レオ……」
「オイラの角触って良いからさ、抱き枕にでも何でもなるからさ、どこにも行くなよ!」
いつになく素直なレオ。
ジーンと胸を打たれていると、レオの心の声が聞こえてきた。
(ジークがいなくなったら、オイラ、魔王城の掃除しなきゃならないんだぞ! 滅茶苦茶広いんだぞ! 分かってんのか? お前の世話係の方が百倍楽なんだぞ!)
さっきの感動を返して欲しい。
そして、ライオネルはというと……端の方で、ただただこちらを見ている。心中は、色々考えているようだが。
(もしや、私が殺そうとしたのがバレたから、魔王陛下は此奴を人間界に避難させようとしたのか? しかし、人間界の方が危険が多い。私が人間界まで殺しに行くとは考えないのか? 現にそのつもりだ。魔王陛下の元が一番安全なはずなのに……何故?)
人間界に戻っても尚、俺はライオネルからの奇襲に怯えなければならないのか。
ライオネルとは、互角に戦っているつもりだ。しかし、本気を出したライオネルには勝てないような気がする。俺も本気は出していないのだけれど。
なにわともあれ、ライオネルにも感謝だ。俺のことについて少し教えてくれたのだから。
ライオネルにも感謝の言葉を述べようとすれば、グレイズが命令した。
「ライオネル。其方は、人間界でジークの護衛を務めよ」
「「……は?」」
俺とライオネルは呆気に取られ、二人で目をぱちぱちさせて互いを見た。
「ジークが万が一にも死ぬようなことがあれば、其方の責任だ。死を覚悟しろ」
「御意」
ライオネルの頭の中は、清々しいほどに晴れやかになった。
(魔王陛下にしてやられた。これでは、殺そうにも殺せない)
(いやいやいや、そうかもだけどさ、俺、ずっとライオネルと一緒なのか? 嫌なんだけど)
「俺、人間界ではそこそこ強」
抗議しようとすれば、グレイズは表情を変えず被せるように言った。
「ジーク。地下牢に行きたいか?」
「え、あ、それは…………分かった」
渋々了承すると、ライオネルが俺の元までやってきた。
「では、行くぞ」
「うん」
と、その前に——。
「グレイズ、ありがとう」
無理矢理笑顔を作る。
けれど、グレイズはニコリともしてくれない。何だか寂しく思うが、グレイズの心の声はしっかりと聞こえているから大丈夫。
(ジーク。我は永遠に其方を愛する)
(どんだけアレッシオ愛されてんだよ)
「いつか俺のことも見てくれよ」
悪戯に笑って言えば、グレイズは珍しく不思議そうな顔でキョトンとしていた——。
◇◇◇◇
気が付けば人間界にいた。
トラヴァースの森の上空に。
「ちょ、ライオネル! 死ぬ! 死ぬ!」
「早速死なれたら困るんだが」
ライオネルに担がれ、飛んでいる。
並行飛行するのは、渡り鳥の群れ。
真っ黒な大きな翼をはためかせ、優雅に飛ぶライオネルに文句を言うが、暫くおろしてくれなさそうだ。
「貴様の家はどっちだ?」
「上からなんて方向感覚分かんねーよ! けど、とにかく西だ」
「西だな。分かった」
それから俺はギュッと目を瞑ったまま、三十分は飛んでいたような気がする。
ようやく地に足が着いた時、平衡感覚を失ったのか、ふらついて上手く立てなかった。
「たく、世話の妬ける妃様だ」
ライオネルに支えられ、なんとか立つことに成功。
そしてここは、何の因果か五歳の時にグレイズに助けられた小川だ。
昔と全く変わり映えのない景色に、そこにグレイズが立っているような気さえする。
グレイズのことは暫く忘れよう。グレイズのことを考えたら、何故だか胸が苦しくなる。
「ライオネル、こっち」
俺は取り戻した平衡感覚で、我が家があるリュソー村に向かった——。
◇◇◇◇
そして、リュソー村に入る寸前で気が付いた。
「ライオネル。フード被ってろよ」
「何故だ」
「何故って、黒髪見られたら悪魔だってバレんだろ」
この村では……というより、人間界では、代々黒髪は悪魔だと言い伝えられている。
俺自身、旅をして見かけた黒髪は、グレイズとライオネルのみ。この言い伝えは間違いではないようだ。
故に、そのままの姿で歩いたらパニックになること間違いなしだ。
しかし、フードを被るように促すも、ライオネルは平然とした顔で被ろうとしない。
「悪魔だと不都合なのか?」
「不都合だから言ってんだろ」
「そうか。分かった」
それだけ言って、ライオネルは歩き出す。
「……は!? 分かったならフード被れって!」
こんなに自由すぎる人間……じゃなかった。悪魔だっただろうか。
「問題ない」
「問題だらけだって言ってんの!」
ライオネルの前に立って道を塞げば、ため息を吐かれた。
(ッたく、うるさいな。魔王陛下はこの男のどこが良いのだろうか。私には魅了の力があるから問題ないと何度も言っているのに、いっそ話を聞かんやつだ)
「は? なんだよ、その力。話を聞かんって……説明不足だろうが!」
「ん? 今、私は口に出しただろうか……」
まずい。心の声に普通に反応してしまった。
ライオネルは怪訝な顔をする中、俺は視線を泳がせながら村に入った。
——村の入り口から少し歩けば、商店が並んでいる。
パン屋、八百屋、魚屋、肉屋、雑貨屋、様々な店が道の両脇に並び、子供らが店の周りを走り回るものだから肉屋の店主が怒鳴った。
「こら! また、ター坊らか! 父ちゃんに言いつけるぞ!」
「やっべ、それだけは勘弁して~」
「逃げようぜ!」
「こら!」
逃げる子供らを目で追っていると、こちらに向かって走ってきた。
そして、後ろを向いて、あっかんべーをしていた少年が、ライオネルにぶつかり尻もちをついた。
「いてて……」
「大丈夫か?」
意外にも手を差し伸べるライオネル。
その手を取る少年。
「サンキュー、姉ちゃん。ぶつかって悪かったな」
「……姉ちゃん?」
そのまま駆け出す少年の後ろ姿を見ながら、俺は吹き出しそうになるのを我慢する。いや、もう我慢できなかった。
「ハハハハハ! 姉ちゃんだって! 姉ちゃん! 今日からお姉さまって呼ぼうかな。ハハハハハ」
「チッ、笑いすぎだ」
涙を流しながら腹を抱えて笑っていると、俺のことに気付いた村人らが次々に声をかけてきた。
「お! ジークじゃん! 暫く見ない内に、たくましくなったな!」
「SS級の勇者なんだって? すげーよな! 俺ももうちょっと若かったらなぁ」
「あんた、全然家に帰ってないみたいだけど、お母さんに親孝行するんだよ」
笑い過ぎて出た涙を拭いながら、いつものように話しかけてくる村人らに手を振って返す。
そして、ふと気が付いた。
「全然パニックになってない……」
子供ならともかく、大人たちも俺の隣にいるライオネルに恐怖の色を見せない。
これが魅了の力というやつだろうか。
「ほら、大丈夫だと言っただろう? 魅了の力は、人々を思うままに操れる」
「え……これ、操ってんの?」
「今回のは、私に敵意を向けないように認識を変えているだけだがな。彼らには、これが黒髪には見えていない」
これなら、我が家に帰っても問題ない。
けれど、この魅了の力。これをグレイズに使われたら……グレイズは、ライオネルに恋をしてしまうのではないか?
「貴様の考えていることは不可能だから安心しろ」
「え?」
「魅了できるのは人間だけだ」
「そっか」
妙にホッとするのは何故なのか。そして、何故、俺はそんなことを心配したのだろうか。
そんな俺に、ライオネルはニヒルな笑みを浮かべた。
「つまりは、魅了の力を使って、人間の貴様を虜にすることは可能だ」
「げッ」
「本気で嫌がるのは失礼だろう」
「だって……」
そんな話をしていると、商店街を抜けた先にある宿屋が見えてきた。
「あれが、俺んち」
「長いことお世話になりました」
「ジーク様、いつでもお戻り下さいね。わたくし共は、大歓迎ですので」
「ジーク様のお好きなミノタウロスの肉、準備しておきます故」
「ありがとう」
エクスカリバーをしっかりと背負い、ショルダーバッグを肩にかけた。
俺の足にぴったりと絡みつくレオの頭を撫でる。
「レオ、俺行くからさ」
「お前、何で人間界戻るんだよ! 人間界なんてつまんねーだろ? ここの方が快適だろ?」
「レオ……」
「オイラの角触って良いからさ、抱き枕にでも何でもなるからさ、どこにも行くなよ!」
いつになく素直なレオ。
ジーンと胸を打たれていると、レオの心の声が聞こえてきた。
(ジークがいなくなったら、オイラ、魔王城の掃除しなきゃならないんだぞ! 滅茶苦茶広いんだぞ! 分かってんのか? お前の世話係の方が百倍楽なんだぞ!)
さっきの感動を返して欲しい。
そして、ライオネルはというと……端の方で、ただただこちらを見ている。心中は、色々考えているようだが。
(もしや、私が殺そうとしたのがバレたから、魔王陛下は此奴を人間界に避難させようとしたのか? しかし、人間界の方が危険が多い。私が人間界まで殺しに行くとは考えないのか? 現にそのつもりだ。魔王陛下の元が一番安全なはずなのに……何故?)
人間界に戻っても尚、俺はライオネルからの奇襲に怯えなければならないのか。
ライオネルとは、互角に戦っているつもりだ。しかし、本気を出したライオネルには勝てないような気がする。俺も本気は出していないのだけれど。
なにわともあれ、ライオネルにも感謝だ。俺のことについて少し教えてくれたのだから。
ライオネルにも感謝の言葉を述べようとすれば、グレイズが命令した。
「ライオネル。其方は、人間界でジークの護衛を務めよ」
「「……は?」」
俺とライオネルは呆気に取られ、二人で目をぱちぱちさせて互いを見た。
「ジークが万が一にも死ぬようなことがあれば、其方の責任だ。死を覚悟しろ」
「御意」
ライオネルの頭の中は、清々しいほどに晴れやかになった。
(魔王陛下にしてやられた。これでは、殺そうにも殺せない)
(いやいやいや、そうかもだけどさ、俺、ずっとライオネルと一緒なのか? 嫌なんだけど)
「俺、人間界ではそこそこ強」
抗議しようとすれば、グレイズは表情を変えず被せるように言った。
「ジーク。地下牢に行きたいか?」
「え、あ、それは…………分かった」
渋々了承すると、ライオネルが俺の元までやってきた。
「では、行くぞ」
「うん」
と、その前に——。
「グレイズ、ありがとう」
無理矢理笑顔を作る。
けれど、グレイズはニコリともしてくれない。何だか寂しく思うが、グレイズの心の声はしっかりと聞こえているから大丈夫。
(ジーク。我は永遠に其方を愛する)
(どんだけアレッシオ愛されてんだよ)
「いつか俺のことも見てくれよ」
悪戯に笑って言えば、グレイズは珍しく不思議そうな顔でキョトンとしていた——。
◇◇◇◇
気が付けば人間界にいた。
トラヴァースの森の上空に。
「ちょ、ライオネル! 死ぬ! 死ぬ!」
「早速死なれたら困るんだが」
ライオネルに担がれ、飛んでいる。
並行飛行するのは、渡り鳥の群れ。
真っ黒な大きな翼をはためかせ、優雅に飛ぶライオネルに文句を言うが、暫くおろしてくれなさそうだ。
「貴様の家はどっちだ?」
「上からなんて方向感覚分かんねーよ! けど、とにかく西だ」
「西だな。分かった」
それから俺はギュッと目を瞑ったまま、三十分は飛んでいたような気がする。
ようやく地に足が着いた時、平衡感覚を失ったのか、ふらついて上手く立てなかった。
「たく、世話の妬ける妃様だ」
ライオネルに支えられ、なんとか立つことに成功。
そしてここは、何の因果か五歳の時にグレイズに助けられた小川だ。
昔と全く変わり映えのない景色に、そこにグレイズが立っているような気さえする。
グレイズのことは暫く忘れよう。グレイズのことを考えたら、何故だか胸が苦しくなる。
「ライオネル、こっち」
俺は取り戻した平衡感覚で、我が家があるリュソー村に向かった——。
◇◇◇◇
そして、リュソー村に入る寸前で気が付いた。
「ライオネル。フード被ってろよ」
「何故だ」
「何故って、黒髪見られたら悪魔だってバレんだろ」
この村では……というより、人間界では、代々黒髪は悪魔だと言い伝えられている。
俺自身、旅をして見かけた黒髪は、グレイズとライオネルのみ。この言い伝えは間違いではないようだ。
故に、そのままの姿で歩いたらパニックになること間違いなしだ。
しかし、フードを被るように促すも、ライオネルは平然とした顔で被ろうとしない。
「悪魔だと不都合なのか?」
「不都合だから言ってんだろ」
「そうか。分かった」
それだけ言って、ライオネルは歩き出す。
「……は!? 分かったならフード被れって!」
こんなに自由すぎる人間……じゃなかった。悪魔だっただろうか。
「問題ない」
「問題だらけだって言ってんの!」
ライオネルの前に立って道を塞げば、ため息を吐かれた。
(ッたく、うるさいな。魔王陛下はこの男のどこが良いのだろうか。私には魅了の力があるから問題ないと何度も言っているのに、いっそ話を聞かんやつだ)
「は? なんだよ、その力。話を聞かんって……説明不足だろうが!」
「ん? 今、私は口に出しただろうか……」
まずい。心の声に普通に反応してしまった。
ライオネルは怪訝な顔をする中、俺は視線を泳がせながら村に入った。
——村の入り口から少し歩けば、商店が並んでいる。
パン屋、八百屋、魚屋、肉屋、雑貨屋、様々な店が道の両脇に並び、子供らが店の周りを走り回るものだから肉屋の店主が怒鳴った。
「こら! また、ター坊らか! 父ちゃんに言いつけるぞ!」
「やっべ、それだけは勘弁して~」
「逃げようぜ!」
「こら!」
逃げる子供らを目で追っていると、こちらに向かって走ってきた。
そして、後ろを向いて、あっかんべーをしていた少年が、ライオネルにぶつかり尻もちをついた。
「いてて……」
「大丈夫か?」
意外にも手を差し伸べるライオネル。
その手を取る少年。
「サンキュー、姉ちゃん。ぶつかって悪かったな」
「……姉ちゃん?」
そのまま駆け出す少年の後ろ姿を見ながら、俺は吹き出しそうになるのを我慢する。いや、もう我慢できなかった。
「ハハハハハ! 姉ちゃんだって! 姉ちゃん! 今日からお姉さまって呼ぼうかな。ハハハハハ」
「チッ、笑いすぎだ」
涙を流しながら腹を抱えて笑っていると、俺のことに気付いた村人らが次々に声をかけてきた。
「お! ジークじゃん! 暫く見ない内に、たくましくなったな!」
「SS級の勇者なんだって? すげーよな! 俺ももうちょっと若かったらなぁ」
「あんた、全然家に帰ってないみたいだけど、お母さんに親孝行するんだよ」
笑い過ぎて出た涙を拭いながら、いつものように話しかけてくる村人らに手を振って返す。
そして、ふと気が付いた。
「全然パニックになってない……」
子供ならともかく、大人たちも俺の隣にいるライオネルに恐怖の色を見せない。
これが魅了の力というやつだろうか。
「ほら、大丈夫だと言っただろう? 魅了の力は、人々を思うままに操れる」
「え……これ、操ってんの?」
「今回のは、私に敵意を向けないように認識を変えているだけだがな。彼らには、これが黒髪には見えていない」
これなら、我が家に帰っても問題ない。
けれど、この魅了の力。これをグレイズに使われたら……グレイズは、ライオネルに恋をしてしまうのではないか?
「貴様の考えていることは不可能だから安心しろ」
「え?」
「魅了できるのは人間だけだ」
「そっか」
妙にホッとするのは何故なのか。そして、何故、俺はそんなことを心配したのだろうか。
そんな俺に、ライオネルはニヒルな笑みを浮かべた。
「つまりは、魅了の力を使って、人間の貴様を虜にすることは可能だ」
「げッ」
「本気で嫌がるのは失礼だろう」
「だって……」
そんな話をしていると、商店街を抜けた先にある宿屋が見えてきた。
「あれが、俺んち」
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