そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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絶対王政と革命は異世界にもあった

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王様との話に夢中になっていた私だが、重要なことを思い出した。

「あ、あの・・・捕まえたあの人の髪の毛って回収して貰う事って出来ますか?」

そう、私がここに来た理由の一つがあの男の髪の毛を回収することだ。あのときは捕まえるのに必死で、後から髪の毛を取り忘れたのに気がついたのだ。どうしようかと思っていたら王様から王城に都合の良いときに来るようにと言われたのでこれは幸いと

「む?毛髪か?出来るだろうが・・・何に用いるのだ?」

「・・・女神様があの男の髪の毛を持ってこいと言ったので。」

「ふむ、なるほど。」

王様は近くに控えていた執事の人を呼び出し、あの男の髪の毛を取ってこいと命じると、執事の人は仰々しく頷き、部屋から出て行った。

「そういえばあの後で気がついたのだがな、私の重臣やこの城の兵士などは皆この城の地下武器庫に閉じ込められていた。」

「其方、ケラノスという名前に聞き覚えはあるか。」

ケラノスさん!そういえば私と一緒にお城に来たけどその後どうなったのか

「その男が其方の身を案じておったぞ。後で顔を見せてやると良い。」

ケラノスさんの駐在所を教えて貰い、私は後で必ず会いに行こうと心に決めた。

・・・・・

・・・

「そういえば王様が牢屋の中で言った『奴はまだ“あの言葉”を手に入れていない』って言いましたけど、あれってどういう意味なんですか?」

「ああ、あれか。あれはな、“絶対王政”という代々国王が受け継いできた権能、いわばスキルだな。それを受け継ぐための言葉だ。」

“絶対王政”・・・なんかすごそう。どういう効果があるものなんだろうと思い、聞いてみた。すると王様は渋い顔をしながらも答えてくれた。

「イザベルの国民に対する絶対命令権・・・と言ったものか。先程言ったように国王は代々これを受け継いできたが、前国王のエルビオンは前々国王である自分の父親を暗殺し“絶対王政”を手に入れ悪用し、民を虐げた。」

「あれ?じゃあ何で革命を起こすことが出来たんですか?」

そうだ。“絶対王政”なんてスキルがあるなら革命は起こせないはずだ。命令で革命を起こすなって言うだけで革命は起こらない。

「“絶対王政”の対象となるのは国民と貴族だ。王族である私には効果が無い。それに“絶対王政”は命令する対象が多いほど命令の効力は薄くなる。まあ、そのデメリットもエルビオン王は個人個人に命令することで克服していたがな。」

「あ、そうなんですか。」

っていうかエルビオン王、無駄に勤勉だな。

「私は二度とこのようなことがあってはならないと、“ある言葉”を鍵とし“絶対王政”を簡単に譲渡できないようにしたのだ。」

つまり、パスワード制限を掛けたって事か。知られてはいけないって事はそういうことだったのね。

その時ふと私の中にとある疑問が湧き、王様に聞いてみた。

「そういえば、王様はその“絶対王政”を使用したことが?」

「ああ、二度ある。一度目は私が国王となったとき、国民全員に“国民は自由と責任を持って行動し、各自幸せになるように”と言う王命を、二度目は先に言ったアウディベルの逃亡事件の時に出しておる。」

あ、あれ絶対王政使ったんだ。

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