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流通が増えれば価格は下がる。異世界でもこれは変わらない。
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「お姉ちゃんごはんだよー」
サラちゃんに呼ばれ、早速私はライドと一緒に食堂へ向かった。
そして出てきた晩ご飯が・・・
「え?お好み焼き?」
「あれ?お姉ちゃん“オコノミヤキ”知っているの?」
知っていますとも。イザベルのお魚屋さんの女将さんの甥っ子が広めていったんだっけか。お好み焼きを知っているって事は転生者なんじゃないかと思うんだけど・・・一応聞くけどこの料理誰が教えていったの?
「うーんとね、冒険料理人とか言っているお兄ちゃんが教えてくれたの」
ぼ、冒険料理人・・・その人って何処に行ったか分かる?
「たしか、南の都市トライスに行くって聞いたよ。あの街料理が盛んで“ワールド・キッチン”って呼ばれるくらい美味しい料理があるんだよ。」
・・・・・
・・・
次の日、朝食として出されたパンと牛乳を食べ、ライドの朝食となるお肉を買おうと、宿の目の前で掃除をしていた執事さんに肉を売っているところはないかと聞いたところ
「ああ、ございますよ。そこの通りをまっすぐ行くと左手に肉屋がございます。」
と、いうわけで教えて貰った肉屋に来てみたのだが。
「え・・・?銅貨一枚?」
え?大分安くない?イザベルで売っているお肉より価格がかなり低い。イザベルでは銀貨五枚くらいの量のお肉が銅貨一枚で売られている。
何でこんなに安いのか、店先で暇そうにしていた店主に聞いてみると
「ああ、最近ラビットやらカリブーやらが大量発生しているんだ。普通ならウルフやらベアーやらがこいつらを食うからこんなに大量発生することはないんだが。おかげで投げ売り状態でちっとも儲けは出やしねえ。」
と、ため息をつきながら教えてくれた。横にいるライドを見るともの凄くきらきら目を輝かせている。どうやらご飯を沢山食べられると思っているらしい。
とりあえず私は銅貨2枚分のお肉を買ってライドにあげた。嬉しそうに肉を食べるライド。そして、残ったお肉を見て、今ここで食べるか後でおやつ代わりに食べるか悩んだ挙句
「ウォン!」
後で食べることにしたようだ。私はお肉を預かり、腐らせる前に宿に戻って焼いて貰おうと考えているとサラちゃんが籠を持って森の中に入っていくのが見えた。なんとなく気になった私はこっそりと後をついて行くことにした。
サラちゃんはしばらく森の中を歩くと、道を外れた藪の中へと入っていってしまった。追いかけようとするが、サラちゃんの小柄な体はするすると森の奥へと抵抗なく入っていってしまう。対して大人である私は体のあちこちが藪に引っかかり、藪を抜けたときにはサラちゃんの姿を完全に見失っていた。
これは諦めて帰るしかないかと思っていたら
「ウォン!」
ライドが得意げに吠えた。
サラちゃんに呼ばれ、早速私はライドと一緒に食堂へ向かった。
そして出てきた晩ご飯が・・・
「え?お好み焼き?」
「あれ?お姉ちゃん“オコノミヤキ”知っているの?」
知っていますとも。イザベルのお魚屋さんの女将さんの甥っ子が広めていったんだっけか。お好み焼きを知っているって事は転生者なんじゃないかと思うんだけど・・・一応聞くけどこの料理誰が教えていったの?
「うーんとね、冒険料理人とか言っているお兄ちゃんが教えてくれたの」
ぼ、冒険料理人・・・その人って何処に行ったか分かる?
「たしか、南の都市トライスに行くって聞いたよ。あの街料理が盛んで“ワールド・キッチン”って呼ばれるくらい美味しい料理があるんだよ。」
・・・・・
・・・
次の日、朝食として出されたパンと牛乳を食べ、ライドの朝食となるお肉を買おうと、宿の目の前で掃除をしていた執事さんに肉を売っているところはないかと聞いたところ
「ああ、ございますよ。そこの通りをまっすぐ行くと左手に肉屋がございます。」
と、いうわけで教えて貰った肉屋に来てみたのだが。
「え・・・?銅貨一枚?」
え?大分安くない?イザベルで売っているお肉より価格がかなり低い。イザベルでは銀貨五枚くらいの量のお肉が銅貨一枚で売られている。
何でこんなに安いのか、店先で暇そうにしていた店主に聞いてみると
「ああ、最近ラビットやらカリブーやらが大量発生しているんだ。普通ならウルフやらベアーやらがこいつらを食うからこんなに大量発生することはないんだが。おかげで投げ売り状態でちっとも儲けは出やしねえ。」
と、ため息をつきながら教えてくれた。横にいるライドを見るともの凄くきらきら目を輝かせている。どうやらご飯を沢山食べられると思っているらしい。
とりあえず私は銅貨2枚分のお肉を買ってライドにあげた。嬉しそうに肉を食べるライド。そして、残ったお肉を見て、今ここで食べるか後でおやつ代わりに食べるか悩んだ挙句
「ウォン!」
後で食べることにしたようだ。私はお肉を預かり、腐らせる前に宿に戻って焼いて貰おうと考えているとサラちゃんが籠を持って森の中に入っていくのが見えた。なんとなく気になった私はこっそりと後をついて行くことにした。
サラちゃんはしばらく森の中を歩くと、道を外れた藪の中へと入っていってしまった。追いかけようとするが、サラちゃんの小柄な体はするすると森の奥へと抵抗なく入っていってしまう。対して大人である私は体のあちこちが藪に引っかかり、藪を抜けたときにはサラちゃんの姿を完全に見失っていた。
これは諦めて帰るしかないかと思っていたら
「ウォン!」
ライドが得意げに吠えた。
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