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脱着式ユニットの可能性は作戦に組み込んでおくこと
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翌朝、朝食を食べるために食堂へ行くと、昨日の夕食の時と同じようにスバルさんが給仕をしていた。スバルさんは私に気が付くとさわやかな笑顔で挨拶をしてきた。
「おはよう。よく眠れた?」
「ええ、おかげさまで。」
私たちは昨日と同じ席に案内され、スバルさんが朝食を運んでくるのを待つ。その間に私はタマミと作戦の確認。タマミは私が「わかった?」と聞く度にかわいらしく吠えてくれるが本当に理解しているのかな?
何はともあれこの作戦はタマミにかかっている。何としても頼むぞタマミ。
・・・・・
・・・
スバルさんが朝食の乗ったプレートを持ってきた。
「はいお待たせ。」
スバルさんがプレートを置き終わった瞬間・・・
行けタマミ!
私の合図でタマミはスバルさんの腕から頭へと昇り、昨日私にしたように、スバルさんの髪をめちゃくちゃにする。スバルさんは慌ててタマミを頭から引っぺがそうとし、わたすぃは慌てているけど手を出せないふりをする。
そう、これが作戦だ。タマミがスバルさんの髪をぐしゃぐしゃにして、タマミがどさくさに紛れて髪の毛を採取する作戦。ただこれだけでは心もとないから、もう一つ作戦があって
「こらタマミ!・・すいませんホント。髪の毛直しますね。」
「あ、ああ。ありがとう。」
私がタマミのことを謝りつつ、親切なふりをしながらスバルさんの髪を櫛で梳かして髪の毛を採取する2重作戦。
お世辞にも完璧とは言えない作戦だけど、これが今考えつく作戦の中で最善の作戦だと思っていた・・・のに
タマミがスバルさんの頭に駆け上がった瞬間、スバルさんの頭から何かが落ちる。それは毛の塊だった。そしてスバルさんのほうを見てみると、頭の上が不毛の土地となっていた。
スバルさんの頭の上に載っているタマミは、珍しく焦った顔をしている。そんなタマミよりも冷や汗が滝のように流れている私は最早思考停止という言葉を体現しているのではないかと思う。
この中で唯一冷静だったのがライド。ライドはスバルさんの頭から外れてしまった脱着式ユニットを咥えると、二本足で立ちあがり、そのままスバルさんの頭に脱着式ユニットを再セットした。
脱着式ユニットが外れたことで機能不全に陥っていたスバルさんだったが、ライドが頭に脱着式ユニットを再セットしたおかげで再起動したようですぐに、再セットしたユニットの形を整えると、私のほうへ向き直り
「このことは誰にも言わないように」
あ、ハイ
無機質な目と抑揚のない声で、そう言ってスバルさんは去っていった。心なしか背中に影を背負っているように見える。
・・・とりあえず朝食は昨日と変わらずおいしかった。
「おはよう。よく眠れた?」
「ええ、おかげさまで。」
私たちは昨日と同じ席に案内され、スバルさんが朝食を運んでくるのを待つ。その間に私はタマミと作戦の確認。タマミは私が「わかった?」と聞く度にかわいらしく吠えてくれるが本当に理解しているのかな?
何はともあれこの作戦はタマミにかかっている。何としても頼むぞタマミ。
・・・・・
・・・
スバルさんが朝食の乗ったプレートを持ってきた。
「はいお待たせ。」
スバルさんがプレートを置き終わった瞬間・・・
行けタマミ!
私の合図でタマミはスバルさんの腕から頭へと昇り、昨日私にしたように、スバルさんの髪をめちゃくちゃにする。スバルさんは慌ててタマミを頭から引っぺがそうとし、わたすぃは慌てているけど手を出せないふりをする。
そう、これが作戦だ。タマミがスバルさんの髪をぐしゃぐしゃにして、タマミがどさくさに紛れて髪の毛を採取する作戦。ただこれだけでは心もとないから、もう一つ作戦があって
「こらタマミ!・・すいませんホント。髪の毛直しますね。」
「あ、ああ。ありがとう。」
私がタマミのことを謝りつつ、親切なふりをしながらスバルさんの髪を櫛で梳かして髪の毛を採取する2重作戦。
お世辞にも完璧とは言えない作戦だけど、これが今考えつく作戦の中で最善の作戦だと思っていた・・・のに
タマミがスバルさんの頭に駆け上がった瞬間、スバルさんの頭から何かが落ちる。それは毛の塊だった。そしてスバルさんのほうを見てみると、頭の上が不毛の土地となっていた。
スバルさんの頭の上に載っているタマミは、珍しく焦った顔をしている。そんなタマミよりも冷や汗が滝のように流れている私は最早思考停止という言葉を体現しているのではないかと思う。
この中で唯一冷静だったのがライド。ライドはスバルさんの頭から外れてしまった脱着式ユニットを咥えると、二本足で立ちあがり、そのままスバルさんの頭に脱着式ユニットを再セットした。
脱着式ユニットが外れたことで機能不全に陥っていたスバルさんだったが、ライドが頭に脱着式ユニットを再セットしたおかげで再起動したようですぐに、再セットしたユニットの形を整えると、私のほうへ向き直り
「このことは誰にも言わないように」
あ、ハイ
無機質な目と抑揚のない声で、そう言ってスバルさんは去っていった。心なしか背中に影を背負っているように見える。
・・・とりあえず朝食は昨日と変わらずおいしかった。
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