そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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仕事に熱中するのはいいが、休憩を挟むのを忘れてはいけない

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とりあえず私たちは宿屋を出て、あてもなく街をうろついていた。まさかスバルさんの頭部が着脱式ユニットだったとは・・・あの爽やかな笑顔からは考えられないような衝撃の事実だよ。

あの時食堂には私たち以外誰もいなかったのは不幸中の幸いだ。もし他に誰かいたら、あの宿屋は調味料塗れになってしばらく営業はできなくなっていただろう。

とりあえず、これまでのことを少し考えたいと思い、どこか腰を落ち着けるところはないかと、しばらく街をうろついていると、静かな路地にお洒落なカフェを見つけたのでそこに入ることにした。ライドたちも入れるかどうか聞いてみたところ、店内は駄目だがテラス席なら大丈夫とのことだったので、テラス席へと案内してもらった。

やっと腰を落ち着けることができたので、これまでのことを整理する。

・まず、スバルさんの髪の毛を採取するための作戦は失敗。
・しかもスバルさんにはかなり警戒されている模様。
・その上スバルさんからは髪の毛を採取することができないことが発覚。

これ結構ヤバくない?なんかもういろいろと諦めたくなってきたんだけど。ていうか、転生者がカツラをしているって初めて聞いたんだけど。私が読んだ異世界転生のラノベでは主人公がカツラをしている描写なんて一切なかったよ。・・・いやなに言ってんだ私。そんなことに文句を言っても仕方ないじゃないか。

しかし困った。これじゃあ髪の毛の採取ができない。一応、体の一部であればいいらしいけど、髪の毛が採取できないのであれば何を採取すればいいの?

・・・・・

・・・

小一時間ほど考えてみたけど何もいい案は浮かばない。爪とか採取すればいいのではとか考えたけど、髪の毛よりも難易度高いし、スバルさんに警戒されているから不可能に近い。

・・・駄目だ何もいい考えが浮かばない。完全に考えが煮詰まってしまった。

そうして私が頭を抱えていると、私の席にケーキがおかれた。
驚いて見上げると、そこにはこのカフェの店主であるおじいさんがいた。おじいさんは空いた私のカップに新たに紅茶を注ぐとこう言った。

「考え事をするのは結構ですが、たまには休憩を挟んだほうがいいですよ。そうしないと視野が狭くなり、答えが見つからなくなりますからね。」

確かにその通りだ。少し休憩を挟んだほうがいいかもしれない。それはそうとこのケーキは・・・?

「疲れているときには甘いものです。こちらはサービスなのでお代は結構です。」

そう言って店主は店の中へと戻っていった。ふと、ライドたちを見てみると、ライドたちには野菜を使って作られたケーキが置いてあった。タマミとライドは喜んで食べている。

あとでお礼を言っておこうと思いつつ、私はケーキを味わった。

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