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寒い中眠くなっても絶対に目を閉じてはいけない
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ライドは大きな体なのにもかかわらずタマミを乗せて狭い路地の中をすいすいと進んでいく。一方私はついて行くのだけで精一杯。足場はゴミや何やらが散乱していて歩きにくいし、昼間だというのにかなり暗い。
何とか頑張ってライドについて行くと、ライドは急に立ち止まる。
「どうしたの?」
「ヴォウ!」
気になったので聞いてみると、ライドは足下にあるマンホールを指す。
「この下ってこと?」
「ヴォウウォウ!!」
どうやらそうらしい。でもこの下はおそらく下水道。余りそんなところに入りたくは無い。それにこのマンホールを持ち上げるのは私一人の力じゃ無理だ。残念だけど今回は諦め・・・何でマンホールの蓋が浮いているの?
見るとマンホールの蓋が意思を持ったかのようにふよふよと浮いている。不思議に思って周りを見てみると、タマミが尻尾を3本にしている。タマミの仕業かっ!
とりあえず、下水道への道は開かれた。ライドとタマミはいち早く飛び込んで行ってしまった。仕方ない。余り入りたくは無いけど行くしか無いみたいだ。
私はゆっくりと下へと続くはしごを下った。
・・・・・
・・・
マンホールの下に降りてみると、そこは下水道などでは無かった。下水どころか水すら流れておらず、想像していたような悪臭もしていない。
ただ
「さささっさ寒い!」
とてつもなく寒かった。
「ヴォウ!」
ライドがこっちというように吠えて進んでいく。でも寒くて仕方の無い私はライドにいったん止まって貰って、ライドの背に乗り、抱きつく。うん、これなら寒くない。
こうしてライドは私とタマミを乗せて暗闇の中をまるで見えているかのように進み始めた。
真っ暗な闇の中を進んでいくと、ほのかな明かりが見えた。こんなところで?私の中の警戒心が少し上がる。しかしライド達はそんな私を差し置いて明かりに向かってすたすたと歩いて行く。
「グァオオオーーン!」
ライドが唐突に吠えた。いつもの吠え方では無い。迫力のある遠吠えのような鳴き声だ。すると
「アォーーン!!」
明かりの方から遠吠えらしきものが帰ってきた。すると明かりのある方から何かがやってくるのが見えた。それは暗闇の中でも分かるほどの純白の体毛を持つ狼だった。
「ヴォウ、ヴォヴォウ」
ライドがその狼に何かを言っている。すると、真っ白な狼はついてこいと言わんばかりに歩き出した。ライドはそれについて行く。
どんどんと周りの温度が下がってきている気がする。私の吐く息は白くなり始め、体はがくがくと震え始める。
「ヴォウ!」
するとライドの足下が炎で包まれた。どうやら私のために火をつけてくれたみたいだ。おかげでかなりマシになった。
・・・・・
・・・
そんなこんなしている内に私達を案内していた白い狼が止まった。辺りは先程までとは打って変わって明るく、かなり広々としている。
先程までの真っ暗闇野中を進んできた私としてはかなり安心感があるが、それでも私の顔は今引きつっているだろう。
なぜなら
「ガウガウ!」
白い狼が案内してくれたところには
「グルルルルウ・・・」
同じような白い狼が何十頭も居たからだ。
何とか頑張ってライドについて行くと、ライドは急に立ち止まる。
「どうしたの?」
「ヴォウ!」
気になったので聞いてみると、ライドは足下にあるマンホールを指す。
「この下ってこと?」
「ヴォウウォウ!!」
どうやらそうらしい。でもこの下はおそらく下水道。余りそんなところに入りたくは無い。それにこのマンホールを持ち上げるのは私一人の力じゃ無理だ。残念だけど今回は諦め・・・何でマンホールの蓋が浮いているの?
見るとマンホールの蓋が意思を持ったかのようにふよふよと浮いている。不思議に思って周りを見てみると、タマミが尻尾を3本にしている。タマミの仕業かっ!
とりあえず、下水道への道は開かれた。ライドとタマミはいち早く飛び込んで行ってしまった。仕方ない。余り入りたくは無いけど行くしか無いみたいだ。
私はゆっくりと下へと続くはしごを下った。
・・・・・
・・・
マンホールの下に降りてみると、そこは下水道などでは無かった。下水どころか水すら流れておらず、想像していたような悪臭もしていない。
ただ
「さささっさ寒い!」
とてつもなく寒かった。
「ヴォウ!」
ライドがこっちというように吠えて進んでいく。でも寒くて仕方の無い私はライドにいったん止まって貰って、ライドの背に乗り、抱きつく。うん、これなら寒くない。
こうしてライドは私とタマミを乗せて暗闇の中をまるで見えているかのように進み始めた。
真っ暗な闇の中を進んでいくと、ほのかな明かりが見えた。こんなところで?私の中の警戒心が少し上がる。しかしライド達はそんな私を差し置いて明かりに向かってすたすたと歩いて行く。
「グァオオオーーン!」
ライドが唐突に吠えた。いつもの吠え方では無い。迫力のある遠吠えのような鳴き声だ。すると
「アォーーン!!」
明かりの方から遠吠えらしきものが帰ってきた。すると明かりのある方から何かがやってくるのが見えた。それは暗闇の中でも分かるほどの純白の体毛を持つ狼だった。
「ヴォウ、ヴォヴォウ」
ライドがその狼に何かを言っている。すると、真っ白な狼はついてこいと言わんばかりに歩き出した。ライドはそれについて行く。
どんどんと周りの温度が下がってきている気がする。私の吐く息は白くなり始め、体はがくがくと震え始める。
「ヴォウ!」
するとライドの足下が炎で包まれた。どうやら私のために火をつけてくれたみたいだ。おかげでかなりマシになった。
・・・・・
・・・
そんなこんなしている内に私達を案内していた白い狼が止まった。辺りは先程までとは打って変わって明るく、かなり広々としている。
先程までの真っ暗闇野中を進んできた私としてはかなり安心感があるが、それでも私の顔は今引きつっているだろう。
なぜなら
「ガウガウ!」
白い狼が案内してくれたところには
「グルルルルウ・・・」
同じような白い狼が何十頭も居たからだ。
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