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おっさんがいるということは、おばさんもいる
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白い狼たちの何頭かはこちらに向かって牙をむきだし威嚇をしていたが
「キュオン!」
タマミが飛び出した瞬間威嚇を止める。どうして?と思うのもつかの間、タマミは白い狼たちに向かって駆けていく。
「キュオン!キュオオン!」
「ウォン!ワォォン!」
呆気にとられる私の目の前でタマミは何匹もの白い狼達と戯れ始めた。どうやらタマミは歓迎されているようだが、理由がよく分からない私の頭の中に無数のクエスチョンマークが浮かび上がる。そこへ
「なんだい?騒々しいねえ・・・ん?」
少々濃い化粧に豪華な服を着た、すらりと背の高いおばさんがやってきた。おばさんは私に気がつくなり、私の方へと向かってきた。そして、私の顔をまじまじと見るとこう言った。
「あなたせめて口紅くらい塗りなさいよ。」
はい?
・・・・・
・・・
と、とりあえずさっきのことは聞かなかったことにして・・・
まずは自己紹介だ。
「は、はじめまして望結と申します。あの・・・あなたは・・・?」
「アタシ?アタシはこの学術都市エルビスの周囲を取り仕切る妖精よ。」
こ、このおばさん妖精なの?!ライドの居た森やタマミの居た森とかの妖精はおっさんだったのに?!確かによく見るとおばさんの背中には小さなピンク色の羽が付いている。
驚きのあまり固まる私。するとおばさん(妖精)はライドの方を見ると、珍しい物を見るような目でこう言った。
「あら?このヘル・ウルフ東の森にいるあの頑固者の眷属じゃ無い。それにあなたの連れていたあの小さい子、ブリザード・ウルフの子供かと思ったら九尾狐の子じゃない。一体どうしたのよ?」
「あ、ああ・・・それは・・・」
とりあえず、私は始まりのあの森でおっさん(妖精)にライドを託されたこと。南の街トライスに行く途中で寄った村の近くの森で怪我をしているタマミと出会い、その森にいたオカマのおっさん(妖精)から、身が持たないからとタマミを私に預けたことを伝えた。
するとおばさん(妖精)は高らかに笑い始めた。
「アッハッハ!あなた随分と愉快な冒険をしてきたのね!それに何?!あのカマ野郎神獣の子を自分の森で育てられる自信が無いからってあなたに預けたなんて・・・面白すぎるでしょ~」
ひとしきり笑った後、おばさんは目尻に浮かんだ涙を拭いながら息をついた。
「でも、あいつらの森はまだ無事なのね。羨ましいわ。」
先程までの豪快な雰囲気とは打って変わってどこか寂しげな雰囲気に私は何も言うことは出来ない。
しかしそこへ
「キュォオオン!」
「ハッハッウォン!!」
「ウォーーーン!!」
遊んでいたタマミと白い狼たちがやってきた。タマミと白い狼たちは本当に今日が初対面なのかと疑うほど仲が良い。
いやまてよ。もしかして・・・
「あ、あのこの狼たちってもしかしてブリザード・ウルフですか?」
私の質問におばさん(妖精)は頷いた。
「ええそうよ。何故か知らないけど2ヶ月くらい前に群れでここへ来たのよ。その所為で私の住処が寒くて仕方ないわ。でもこの子達他に行く場所が無いみたいだから面倒を見ているけど。」
その話を聞いて私は確信した。
「・・・たぶんこの子達、タマミが居た森に住んでいたブリザード・ウルフですよ。」
「キュオン!」
タマミが飛び出した瞬間威嚇を止める。どうして?と思うのもつかの間、タマミは白い狼たちに向かって駆けていく。
「キュオン!キュオオン!」
「ウォン!ワォォン!」
呆気にとられる私の目の前でタマミは何匹もの白い狼達と戯れ始めた。どうやらタマミは歓迎されているようだが、理由がよく分からない私の頭の中に無数のクエスチョンマークが浮かび上がる。そこへ
「なんだい?騒々しいねえ・・・ん?」
少々濃い化粧に豪華な服を着た、すらりと背の高いおばさんがやってきた。おばさんは私に気がつくなり、私の方へと向かってきた。そして、私の顔をまじまじと見るとこう言った。
「あなたせめて口紅くらい塗りなさいよ。」
はい?
・・・・・
・・・
と、とりあえずさっきのことは聞かなかったことにして・・・
まずは自己紹介だ。
「は、はじめまして望結と申します。あの・・・あなたは・・・?」
「アタシ?アタシはこの学術都市エルビスの周囲を取り仕切る妖精よ。」
こ、このおばさん妖精なの?!ライドの居た森やタマミの居た森とかの妖精はおっさんだったのに?!確かによく見るとおばさんの背中には小さなピンク色の羽が付いている。
驚きのあまり固まる私。するとおばさん(妖精)はライドの方を見ると、珍しい物を見るような目でこう言った。
「あら?このヘル・ウルフ東の森にいるあの頑固者の眷属じゃ無い。それにあなたの連れていたあの小さい子、ブリザード・ウルフの子供かと思ったら九尾狐の子じゃない。一体どうしたのよ?」
「あ、ああ・・・それは・・・」
とりあえず、私は始まりのあの森でおっさん(妖精)にライドを託されたこと。南の街トライスに行く途中で寄った村の近くの森で怪我をしているタマミと出会い、その森にいたオカマのおっさん(妖精)から、身が持たないからとタマミを私に預けたことを伝えた。
するとおばさん(妖精)は高らかに笑い始めた。
「アッハッハ!あなた随分と愉快な冒険をしてきたのね!それに何?!あのカマ野郎神獣の子を自分の森で育てられる自信が無いからってあなたに預けたなんて・・・面白すぎるでしょ~」
ひとしきり笑った後、おばさんは目尻に浮かんだ涙を拭いながら息をついた。
「でも、あいつらの森はまだ無事なのね。羨ましいわ。」
先程までの豪快な雰囲気とは打って変わってどこか寂しげな雰囲気に私は何も言うことは出来ない。
しかしそこへ
「キュォオオン!」
「ハッハッウォン!!」
「ウォーーーン!!」
遊んでいたタマミと白い狼たちがやってきた。タマミと白い狼たちは本当に今日が初対面なのかと疑うほど仲が良い。
いやまてよ。もしかして・・・
「あ、あのこの狼たちってもしかしてブリザード・ウルフですか?」
私の質問におばさん(妖精)は頷いた。
「ええそうよ。何故か知らないけど2ヶ月くらい前に群れでここへ来たのよ。その所為で私の住処が寒くて仕方ないわ。でもこの子達他に行く場所が無いみたいだから面倒を見ているけど。」
その話を聞いて私は確信した。
「・・・たぶんこの子達、タマミが居た森に住んでいたブリザード・ウルフですよ。」
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