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権力者との面識はかなり役に立つ

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エリックさんの話を聞いていて、なんとなく事の全貌がつかめてきた。

エルビス側は一か月前にこの森の魔力石を求めてエリックさん達に不当な条件を提示。当たり前のように断られる。そして一週間前に一方的に宣戦布告。強硬手段に出た訳か。

つまり、あの新聞に書かれていた抗争というのは印象操作だったわけだ。

「俺達なんかより遙かに野蛮なことをしている奴に蛮族などとは言われたくないな。」

私が新聞に書かれていた内容をエリックさんに伝えると、エリックさんは苦々しげな顔で言い捨てる。

「でもそれはマズいわね。」

ルミナークさんが深刻そうな顔で言う。

「どうしてですか?」

「どうしても何も、エルビスは王都イザベルの庇護下にある街なのよ。だから、エルビスがイザベルに救難要請を出せばイザベルは大軍をこちらに送り込むでしょう。新聞でもそういう風に書かれているのであれば信憑性は高いだろうしね。」

な、なるほど・・・

「まあ、それを決めるのはファンデルワールス王だし、当代の王は賢王で有名だから無闇矢鱈と軍を寄越すことは無いと信じたいけど・・・」

そうだと信じたい。あんなに人の良い王様と敵対するなんて考えたくも無い。

「せめて、ファンデルワールス王と謁見できれば良いんだけど・・・ちょっと分からないわね・・・」

「望みは薄いだろう。俺達は外界との接触をほとんど行なってはいない。彼の王に俺達の陳情を聞く可能性は無いだろう」

悲観的なことを言うルミナークさんとエリックさんを見て

「あ、あの・・・もしかしたら出来ると思います。」

気がつけば、私はそのようなことを口走っていた。

「え?」

「は?」

私の言葉に2人とも目が点になっている。仕方ないので私は、王都イザベルで起きた事件や、ファンデルワース王とどのような知り合いなのかについて詳しく説明する。

そして、説明が終わり、ルミナークさんは私に一言。

「ミユ・・・クーデターに巻き込まれてよく死ななかったわね。」

本当にそうですね!

・・・・・

・・・

「でもどうする。あんたに王との面識があるからと言って、この抗争は止められないだろう。エルビスはイザベルの庇護下にはあるが、絶対的支配圏でもないからエルビスが言うことを聞くとは限らないぞ」

「別に良いわよ、イザベルからの増援が無いだけでも大分助かるわ。」

エリックさんは難しい顔をしながら言うが、ルミナークさんはサラリとそれに答える。

「それは確かに。人海戦術をとられたら森が無くなってしまう可能性があるしな。」

「よし、とりあえずミユ、あなたヘルゼと一緒にイザベルへ行ってファンデルワース王にこのことを伝えに行ってくれないかしら?」

「頼む。」

ルミナークさんとエリックさんの言葉に、私は大きく頷いた。



そういえば、あのおばさん(妖精)の知り合いがいると行っていた森ってここのことなんだろうか?
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