そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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もの凄い激痛の時って意外と頭は冷静

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いた・・・

痛たたたたた

唐突な激しい痛みに覚醒する。

「―――っ!―――・・・」

痛い痛い痛い!!

痛すぎて叫び声が出ないほどに痛い。

痛みのする左の二の腕を見てみると、添え木がされ包帯が巻かれていた。

痛みに耐えながら周りを見てみると、森の中だった。そして、私の周りにはファリン族の戦士達が後ろ手で拘束され座っている。

「お嬢ちゃん、大丈夫かい?」

私が意識を取り戻したこのに気がついた近くにいたファリン族の人が話しかけてくる。

「は、はい・・・っつ・・・」

「痛むかい?もう少し横になってるといい。それとこれを飲むといい。痛み止めだ。」

そう言って無理矢理起きようとする私を制して、私に痛み止めを飲ませてくれた。もの凄く苦かったが、不思議灯での痛みは軽くなった。

私の表情がいくらか和らいだのを見て、ファリン族の人は先程起きたことを話してくれた。

私たちを襲撃した2人は、私を人質にとって降伏するように言ったこと。
しかし、傍若無人というわけでは無く、私の治療をすることを認めてくれたこと。

「そんな・・・私の所為で・・・」

皆捕まってしまったのか。罪悪感で胸が一杯になる。しかし、目の前のファリン族の人は首を振った。

「気にすることは無い。キミのような子を放って逃げたとしたら、ファリン族の名折れだ。」

その言葉が何よりもありがたかった。

・・・・・

・・・

「そ、そうだ、タマミは?それにライドも!」

そういえばタマミもライドもいない。一体何処に行ったんだろう

「ああ、彼らならいつの間にかいなくなっていたよ。俺達を襲った奴らも深追いはしなかったし。たぶん生き延びているさ。」

そ、そっか・・・よかった・・・

その言葉を聞いて安心した。タマミもライドも逃げられたのなら安心だ。

「俺達を襲った奴らは・・・ほれ」

指さす先を見ると、女の子は私たちとは余り目を合わせようとせず、私を殴った男が木にもたれかかりながらこちらを睨んでいた。私は慌てて目をそらす。

なるほど、私たちを見張っているという訳か。女の子の方はなにやら罪悪感があるみたいだけど。

私たちを襲ったのは2人の男女。確かお互いを、ケンジとミナって呼び合っていた。確かエルビスの召喚された転生者の名前の中にもそんな名前があった。

ケンジは・・・確か氷室健二と言う名前だった。能力名は超身体。名の通り、魔法に関することは一切出来ないが、驚異的な身体能力で戦う上に、一切の疲労を感じないまさに化け物人間。

そしてもう一人の女の子ミナは、大江美奈子。能力名は身体強化。自身の体を魔力によって強化することの出来る能力。また、他人にも付与することが可能。

確かこんな感じだったはず。

うーん・・・身体能力の鬼に、さらに補助を掛けられるのか・・・結構厳しいな。皆が全力で走って逃げたとしてもすぐに追いつかれてしまうだろう。

でも、ここでじっとしていたところで敵の兵士達に引き渡されたらおしまいだ。

どうにかして逃げ出す方法を考えないと。
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