そんなにホイホイ転生させんじゃねえ！転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

救援に来たのがあいつら

私がここから逃げ出す方法を考えていると、私たちを襲った片割れ。女の子の方が私に近づいてきた。

「あの・・・大丈夫、ですか？」

「え？ええ・・・」

「ごめんなさい。あの馬鹿加減を知らないので・・・捕まえるだけで良かったのに、あなたに大けがをさせてしまいました。」

と、美奈子が謝ってきた。

いや、命賭けて戦っているんだからそれくらいは普通だと思うんだけど・・・いや、でもこの子達はまだ高校生だ。誰も殺さずにこの戦いを終わらせようと思っていてもおかしくは無い。

「これは戦いよ。敵に大けがをさせたからと言って謝るものではないわ。」

「そう・・・ですよね。」

そうはいったものの、美奈子は納得し切れていないみたいだ。

「そもそもあなたはこの戦いがどうして起きたのかを知っているの？」

「え？」

「この戦いはエルビスがこの森に眠る魔力石を接収するために一方的に起こしたものなのよ？貴方たちはエリスガル伯爵からファリン族の蛮行によってエルビスが危機に陥っているとか聞かされたみたいだけど、そんな事実は無いわ。」

「そ、そんな・・・じゃあ、私・・・」

よし、このまま説得できれば・・・！

と、思ったところで

「おいミナ。そいつの言葉に耳を貸すな。敵だぞ。」

邪魔が入った。

「おいあんた。ミナを誑かすなら女だからと言って容赦しねえぞ。」

うわーもの凄いガン飛ばしてくる－・・・ちょっと、いや、かなり怖い。私が気圧されている間に、氷室健二は美奈子の手を引いて元の位置へと戻って言ってしまった。

うーむ残念。あのまま美奈子を説得できたら良かったんだけど・・・

別の方法を考えるしか無いか。

そう思って新しく作戦を考えようとしたところで、茂みの向こう側から賑やかな声が聞こえてきた。

「OH~あれ？あそこで捕まっているのミユちゃんじゃね？」

「WOW！！本当だ！ここで助けたら俺はミユちゃんのナイトに慣れるかも！」

「HAHAHA！てめえじゃナイトどころかバイトですら雇ってもらえないぜ！」

こ、この喧しい賑やかな声は・・・

「誰だ！」

突如として聞こえてきた喧しい声に殺気のこもった声で応える氷室。隣にいる美奈子も不安そうにしている。

「おい、なんかバレてね？」

「馬鹿な！俺のNINJA歩法は完璧だったはずだ！」

「アホが！お前らが騒ぎすぎなんだよ！」

ギャアギャアと喧嘩しながら外国人転生者3人組が茂みの中から出てきた。その姿を私と一緒に捕まったファリン族の人たちは不安そうに見ている。いや、そんな目で私を見ないで。私だって不安なんだから。

対する氷室と美奈子は180cm以上ある外国人がギャアギャアとアホみたいな喧嘩しながら出てきたことに面食らっている。

そして、喧嘩が一段落したところでようやく3人は氷室達の存在に気がついたらしい。

「ん～？こいつ確か・・・そうだ、あの幼女がこいつら捕まえろって言ってた奴じゃねえか。」

「U-OH！こいつは一石二鳥って奴か？」

「お前ら手を出すなよ。こいつら捕まえてミユちゃんも助けてミユちゃんとデーとするんだ！」

ああ・・・不安だ。