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異世界でも森の賢者はやはりゴリラ

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とりあえず、大怪我をしていた転生者11人の応急処置は終わった。それに、タマミにできる限りの治癒魔術を掛けて貰ったからしばらくの間は大丈夫だろう。後は、薫さんに回復宇魔術を掛けて貰えれば一応は安心できる・・・はず。

グランドさんの方はライドが説得に成功したのか、先程からほとんど動いていない。もうそろそろ戻ってくるかな?とか思っていたら

「ハッハッ・・・ヴァオン!」

グランドさんの方からライドが走ってくるのが見えた。だが、こちらに向かってきているのはライドだけでは無い。2mはありそうな黒い毛むくじゃらの二足歩行をした何かも引き連れて戻ってきた。毛むくじゃらの生き物たちは何故か手に何枚もの縦に長い珍しい形をした葉っぱを持っている。

「えーと・・・ライド、どちら様?」

「ヴォン!」

ライドが一吠えすると、黒い毛むくじゃらの生き物たちは転生者達の所へ行くとテキパキとした動きで転生者達に、彼らの持っていた変わった形の葉っぱを包帯のように巻き始めた。

なるほど、あれ包帯の代わりになるのか。

で、結局あの毛むくじゃらの方々は一体何処のどちら様なの?

ライドを見ると、視線はグランドさんの方へ。

・・・もしかしてグランドさんの眷属?グランドさんの背中の森に住んでいるって言う

ライドは頷く。

なるほど。事情を説明したらこの人達を貸してくれたと・・・後でお礼しないと。

・・・・・

・・・

毛むくじゃらの方々(後で聞いたらこの方々はゴッリーラと言うらしい。森の賢者としてこの世界では高い知能を持った方々のようだ。)に治療を施して貰った転生者達は先程までよりは幾分顔色が良くなっていた。

と、そこへ2頭のヘル・ウルフが戻ってきた。一頭は背中に薫さんを。そしてもう一頭は背中に大きな鞄を背負っている。おそらく中身は回復薬や包帯だろう。

「あ、あの、私は何を・・・?」

やってきた薫さんは大分怯えている。何せ問答無用でここまで連れてこられたのだから仕方ないだろう。その上周りには自分の仲間達が大怪我をしている。怯えない方がおかしい。

「あなたにはこの人達に回復術を掛けて欲しいの。いい?」

「は、はい・・・じゃああの・・・術の効果を高めるためにこの人達に回復薬を掛けてください」

私は言われたとおりに回復薬をありったけぶっかける。そして薫さんは怯えつつも傷ついた転生者達に回復魔術を掛けはじめた。すると、たちまち転生者達の傷が癒えていく。

すごいなこれ。医者いらないじゃん。

「あ、あの・・・終わりましたけど・・・」

私が驚いている間にどうやら治療が終わったらしい。

「よし、じゃあ花畑まで運ぶわよ。手伝って」

「あ、はい!」

しっかし・・・私や薫さん、ヘル・ウルフだけだとちょっと運ぶのはちょっとキツいな。ヘル・ウルフは7頭しかいないし・・・

とか思っていたら毛むくじゃらの方々が転生者を抱きかかえ始めた。どうやら運んでくれるらしい。

ありがたい

よし、じゃあ花畑まで戻ってこのことを報告しよう。
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