そんなにホイホイ転生させんじゃねえ！転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

魔神の復活

ふう・・・何とか無事に花畑まで戻ってくることが出来た。途中何度か灰色の兵士達に襲われたけど、ライドと兵士の人が一瞬にして叩きのめしてくれたから、こともなげに済んだ。

花畑に戻ってきた私と兵士の人を幼女（妖精）と王様が私に貸してくれた秘密部隊の隊長が出迎えてくれた

「ご苦労。王直下第28部隊隊長マレス・スクィアードである。」

隊長が敬礼しながら私の横にいる兵士の人に挨拶をする。というか隊長の名前初めて聞いたよ。

隊長の挨拶を聞いた瞬間、兵士の人は居住まいを正し、半ば緊張したように敬礼を返す。

「じ、自分は第13斥候部隊分隊長ゲーレ・カムヌルスであります！それでは、任務があるため自分はこれで失礼します！」

私の護衛をしてくれた兵士医の人は敬礼をした後に来た道を戻って行ってしまった。なんかもの凄く冷や汗を掻いていた気がするけど。

隊長の方が階級上で緊張でもしていたのかな？

そんなことを思っていると、隊長が教えてくれた。

「先程言った王直下第28部隊とはイザベル軍の中でも最上位の部隊なのです。まあ、我々は正式にそこに属しているわけではありませんが、階級を聞かれたら答えなければならないので・・・それにマレスという名も偽名ですしね。」

あ、そ、そうなんだ・・・流石王様の秘密特殊部隊。一切正体がつかめない。

「まあ、王国の秘密やらはどうでも良いが・・・ミユよ、ちとマズいことになったぞ？」

幼女（妖精）がいつもの緩い表情を引き締めて言ってくる。

何だろうマズい事って。

「木崎の奴が魔神の力を手に入れおった。」

・・・マジ？

・・・・・

・・・

「すごい・・・これが魔神の力か・・・！」

木崎は身のうちからあふれ出る圧倒的な力に対し、歓喜に打ち震えていた。木崎の体からは魔力が漏れ出しているのか淡く七色に輝いており、瞳の色も黒から怪しげに輝く虹色に変わっている。

そんな木崎の隣には光を失った巨大な魔力石。魔神の核がある。そう、スキル窃盗によって木崎は魔神の力を手に入れたのである。

「すごいぞ・・・無限の魔力というスキルまで手に入った。これで魔力の制約からもおさらばだ。」

そして木崎はエリスガル伯爵が使っていた机にあった書類に目を通した。そこには魔神復活の為の手順。魔力石の運用方法などが事細かに書かれていた。

「・・・なるほど。あの森に魔神の力の一端がゴロゴロ転がっているのか。なら、手始めにあの森を焼き尽くしてその力を回収しよう。」

報告書を読み取った木崎は高らかに笑いながらエルビスの地下研究所から姿を消した。

木崎が消えた後。倒れ伏すタケルの周りに複数の白い影がどこからか姿を現す。白い影はタケルをどこかへ運び去っていった。