そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

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決着そして・・・

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「オラオラオラァ!!」

「ゲボッ・・カッ・・・」

木崎と氷室の戦いは終盤を迎えていた。一方的に殴り掛かる氷室に木崎は手も足も出ていない。

「これで・・・終わりだぁ!」

木崎の顔面に氷室の固く握りしめた拳が入る。メキョっという嫌な音とともに木崎は吹き飛び、そのまま起きてくることはなかった。

「はっ・・・はっ・・・」

木崎の血が付いたままの拳を握り締めたまま、氷室は肩で息をし倒れ伏した木崎を見下ろす。何度も何度も殴り吹き飛ばした木崎はまるでダメージがないかのように何度も起き上がってきたが、今度こそ、完全に意識を飛ばしたようだ。

疲れたのかその場に仰向けに寝転がる氷室。そんな氷室のもとに風間がやってきた。

「よお、お疲れ。」

「なんだお前いたのか。」

「ああ、お前が避難すっぽかして勝手に出て行ったもんだからあの人がお前のこと監視しに行けと言ってきてね。やられたときにもすぐに回収できるようにって。」

「あの女・・・」

苦々しい表情で歯噛みする氷室。そんな氷室に手を差し伸べ立ち上がるよう言う風間。

「戻ろうぜ。みんなはこの森から避難できた。さっさと木崎の奴を分縛るぞ。」

「おう。」

氷室が立ち上がったその瞬間。

「ググ・・・グガガガ」

妙なうめき声が木崎から発せられる。身構える風間と氷室。

木崎は緩慢な動作でゆっくりと立ち上がる。足元はふらついており、顔面からは止めどなく血が流れている。だが、目だけはギラギラと輝いており、口元は三日月を描いている。

「こいつまだ・・・!」

「おい待て氷室!こいつ・・・」

再び殴りかかろうとする氷室を制止する風間。

「なんで止める!」

「あれほどの攻撃を食らって平然と立ち上がるような奴に挑んだところでじり貧だ!ここは一旦引くんだ!」

「でもよ・・・!」

「引くんだ!あいつの目を見ろ!あれは腹をすかせた猛獣の目だ!今の状態じゃただの餌になり果てるぞ!」

語気を強めて言う風間に押し黙る氷室。そんな二人を木崎はニタニタと、目の前にごちそうが転がっているかのような無邪気な笑みで口からよだれを垂らしながら見ている。

二人は木崎から目をそらさず、少しずつ後退する。

そんな二人を見て木崎はまるで獣のような咆哮を上げながら襲い掛かる。

「くっ!」

風間が自身の能力を行使し、鉄の壁を木崎の前に作り出す。だが、木崎は鉄の壁に触れた瞬間、鉄の壁は砂のように崩れ去る。

「何?!」

驚愕する風間と氷室。そんな二人にお構いなしに木崎は襲い掛かる。

かろうじて回避する二人。

(どうなってやがる。俺の能力が強制的に解除されやがった・・・これも魔神の・・・?いや、ちがう。まさか・・・!)

思考を巡らせある一つの結論へとたどり着く風間。

「風間!」

「・・・!」

氷室の叫びにふと我に返る風間。目の前には口を大きく開けた木崎の姿。

鮮血が飛んだ。



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