その執着は今更です。

ビーバー父さん

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森での夜明け



 魔物が消える時に、下にいた獣達も一掃してから消えてくれた。

「なんかよく分かんないけど、助かったなぁ」

 それこそ名前くらい聞けば良かった。
 色んな情報を落としていってくれたし、この先どうするか逃げの一択だったけど、そのうち気にしなくてもよくなる展開になりそうだ、と大分安心した。
 異世界転生女子ミルフィーユさん、詐欺ってるけどその努力は買うから頑張って!
 


 木から下りてあたりを見回すと、昨日は分からなかった景色が広がっていた。

「おー、なんか採取できそうなところだなぁ」

 昼間は凶暴な獣はほとんど現れないし、魔物はどういう条件下で出て来るのか分からないから、その時はその時で。

 食事に出来そうなものを鑑定スキルで探して、煮炊きしないと食べられないものは避けた。
 歩きながら、食べながら、採取しながら、全てながらで進んでいくと森の出口と思わしき道が見え始めた。

「もしかして隣街までは来れたのかな?」

 森の獣道のような所からガサゴソと出て行くと、街道って感じの轍が出来た道に出た。
 米粒にしか見えないくらいの間隔で、人や馬車が通っていた。

「この採取した薬草とか錬金でポーションにしたいから、どこか場所を貸してもらえるか聞いてみよう」

 隣町でしばらくお金を稼いで、それから国を出ようと目標を決めた。
 最初はとにかく遠くへと思ってたけど、昨日の魔物の人が教えてくれた情報で追手が来ないような気がしたからだ。

「バンバン魅了魔法かけちゃってくれよ~」

 鼻歌混じりに隣町の門を目指した。

「おう、あんちゃん、ご機嫌だな」

 後ろから声をかけて来たのは、カヌレ盗賊団の副団長だった。

 ヤバイ。
 魔物から逃げおおせたって事は当然不信がられるだろうし、木の上で熊の毛皮の副団長は僕を連れて行こうとしたくらいだし、絡まれたら面倒だなとしか思わなかった。










「公爵家はこんなに財政がきつかったのか……」

 執事が残していった帳簿を改めて確認すると、ローレンツォが散財したと思われて、いや侍女長から聞かされていた事を鵜呑みにした結果、使用人がローレンツォが絡んでいてそうなったかのように使い込んでいた。
 服や装飾品、果ては化粧品までもがローレンツォの要望で買った事になっていた。

「執事なんだから、家令なんだから、使用人が言うがままに払うなよ」

 処罰した使用人たちはすでに解雇しているが、解雇なんて甘かったと思い知らされた。
 悩んでも結果は出てしまっていた。
 
 コンコンコン

「入れ」

 入り口で新しい執事のギモーブが一礼をしてから、部屋へ入ると王室からの呼び出しを告げて来た。
 
「旦那様、王室からの使者が来られております。
 急ぎ国王陛下がお呼びだそうです」

「分かった、すぐに向かう」

 謁見用の礼服に着替えて、使者と同じ王室仕様の馬車に乗り込んだ。







 

 

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