その執着は今更です。

ビーバー父さん

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錬金

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 森を通る時に採取した薬草や、食材を換金したら、意外といい値段で売れた。
 たまたま、お祭りが近くてすべての物が高値で買い取りされていたのがラッキーだった。

「あの、このギルドで錬金が出来る所ってないですか?」

「錬金の種類は?」

 僕のいた街のギルドのお姉さんと違って、この街の受付は男性。
 しかもプライドが高そうで神経質な感じのお兄さんは、僕の錬金と言う言葉を疑ったらしく、種類を聞いてきた。

「錬金は種類なんかありませんよ。
 全て錬金という括りです。
 この街のギルドは違うのですか?」

 試されていた。

「そうでしたね。
 錬金のスキルランクにもよりますが、このギルドの地下が錬金と生産職の方の作業場として貸出をしています」

「じゃぁ、錬金の作業部屋を貸してください」

「一時間、銅貨三枚です。
 器具は自由に使えますが、破損や欠損が見受けられた場合、弁償していただくことになりますので、くれぐれも扱いはお気をつけください」

 作業部屋の番号が付いた鍵を渡された。

「ありがとうございます」

 傭兵団の副団長を振り切っておいて良かった。
 ここまでついて来られていたら、錬金の作業が出来ないとこだった。
 
 借りた作業部屋の時間を無駄には出来ないので、さっそく地下へと下りて行き受付で貰った鍵の番号の部屋を探した。
 明かりはちゃんとしているし、問題は無さそうな作業部屋に、そろえられた器具を見て売り残しておいた薬草でポーションを作成することにした。

 よくゲームであるようなアレだ。
 薬草と聖水で回復薬とか、聖水とエリクサーでハイポーションとか。
 手持ちにあるのは薬草と、精製水。
 出来るのは簡単な傷薬。
 これでも需要はあるから、安くても沢山作ればそれなりな金額にはなる。

 器具は使えるけど、入れ物は自腹とか、結構痛かった。
 それでも利益はあるから、結構集中してかなりの数を製作した。
 非常に密度の濃い一時間だった。

 ギルドの受付に作業部屋のカギを返すついでに、傷薬を売るとやっと信用された事が分かった。

「こちらの傷薬は一般的なものと違うようですが」

「傷薬に化膿止めを入れてあります」

 いわゆる抗生物質の液体版だ。
 本当は軟膏にしたかったけど、材料が足りなかった。

「かけても飲んでも効果が有ります」

 受付の男性は、しげしげとその小瓶を見つめ、明日、ギルドへ来るかと聞かれたので、依頼の確認をしに来ますと告げた。

 手に入った金額は銀貨が四枚と、銅貨が八枚。
 二万八千円てところだ。

 これで、服が買える。
 門のところで知り合った夫婦が店を今日からやってるか分からなかったけど、それ程広くない街で『クイニーアマン』と言う店を探しながら、今日の宿も一緒に探すことにした。








「あら、ちゃんと効いてるじゃない。
 おっかしいなぁ~?
 なんでザッハトルテ様には効かなかったのかしら?」

 いきなり牢屋に放り込まれるなんてヒロインの試練にしてはひどすぎるわ。
 魅了魔具を使ってるのに、壊れたかと思ったけど、牢屋の看守には効いてくれたから、こうやって牢から出してもらえたけど。
 何かおかしい。
 私が知ってるゲームの世界のはずなのに、登場人物が微妙に違う。
 ザッハトルテ様が私と恋に落ちて、悪女のローレンツォと離婚するはずなのに。

「もう一度、ザッハトルテ様に会って、恋に落ちて貰わないと」

 ミルフィーユとして生きるなら、やっぱり幸せが良いじゃない。
 王城の中はゲームで把握済みだし、ザッハトルテ様の王城での居室へ向かう事にした。


 
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