その執着は今更です。

ビーバー父さん

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出航そしてポセイドンの海

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 ここは魔物ランドなのだろうか。
 それも、ふれあい魔物ランド。

 ミル姐さんに案内されて港で停泊してる船の所へ来ると、ここへ来た時に見た大きい客船だった。

「こんな大型クルーザーみたいな船だったなんて」

「でしょ? うちのゴブリンちゃん達、凄腕なのよ」

 そう言って船内に案内されると、中ならはゴブリンはゴブリンでも、所謂、ジェネラル級とかいうデカい奴が船を操縦したり、何かしらの建具を製作したりしていた。
 小さい普通のゴブリンは細々とした、生活用品の製作に力を入れていて、普通に船の乗組員として機能していた。

 そして、なぜか色々繁殖してるケルベロスとか、ケルベロスの子供とか、食料なのかペットなのか分からない魔物が船室の一角のスペースに集められていた。

 いやいや、確かに聞いてたよ、聞いてたけど、魔物のレベルが違い過ぎた。
 ギルドでAランクだのBランクだのって言われるほどの、高位の魔物たちがミル姐さんの指示に従って動いていた。

「ミル姐さん?
 この魔物たちは一体どうしたって言うの?」

「うーん、多分、ゲーム内のチートなんじゃないかと思うのよね。
 下級魔族とか、魔物には魅了が効くみたいなの。
 元々魔具を使ってみたんだけど、攻略対象とかには全く効かなかったし、攻略対象じゃなければ本来のヒロインが持つ魅了が効いてるみたいなのよ。
 だからゲームの補正もきいてるって言うか……」

 ゲーム補正でAランクの魔物って。
 ますます、この先が分からなくて、ポセイドンの海にたどり着くのが怖かった。

「ルイ君はポセイドンの海に着いたらどうするの?」

「いや、僕はちょっとだけ見たら、別な国に行きますよ。
 海の人って事は人魚とかそういうのでしょ?
 海苦手だし、泳ぐの好きじゃないし、息できないのは怖いからいいです」

 ミル姐には悪いけど、ポセイドンの海から先は船を借りるか乗り換えるかして、その先の国へ行こうと決意していた。

「そっかー、私は今度こそ、攻略対象を私の物にするわよ。
 だけど、出会うたびおかしな性癖と言うか性格の攻略対象ばっかりよね」

 そこ!

「何ででしょうねぇ。
 そして僕なんか、男同士って所を受け入れちゃってるんですよ」

 ゲームの強制力としか思えなかった。

 



 順調に船は沖合へと出て、水平線しか見えなくなった頃、陽が落ち始め月が交代をした。

「月明かりに見える海はきれいでしょ?」

「えぇ、綺麗だけど怖くなります。
 この世で自分のいる世界は本当の世界なのか。このまま沈んでしまうんじゃないかって」

「ほんと、怖いわね」

 その後にだからポセイドンの海は見つからないのよ、とミル姐が言った。

「この世界の人は夜の海は魔物が支配すると言われているから、結界を張れる船じゃないと長距離の航海はしないの。
 だからポセイドンの海を知らないし、たどり着けないのよ。
 でもゲームを知ってる私ならたどり着けるし、攻略だって出来るわ」

 そういうミル姐の自信が羨ましくもあった。

「ほら、見て見なさい、あそこの月明かりの下にある渦、あそこからもうすぐ陸が上がって来るわ。
 その時、大陸を覆う結界を抜ければ、ポセイドンの海に入れるの。
 私のスキル、息吹があれば大陸は息を吹き返すから歓迎されるのよ」

 海に沈んだ大陸だから?

「息吹で大地に陸を繋ぎとめる、そうすればポセイドンの海がポセイドンの国になるのよ」

 僕の頭の中のイメージは、カメが国を背負って浮かんでるけど、首輪をつけられ、どこかの支柱に繋がれたイメージになった。

 そんな話をしていると、確かに渦がどんどん大きくなりそこに大きな建物や小さな家やらが犇めき合う島が現れた。
 海の中だったのに、濡れてる気配も無く壊れた様子もない島だった。

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