その執着は今更です。

ビーバー父さん

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はじまりの国

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「さて、行くわよ!
 ルイ君も船を調達するか隣国へ行く手段を知りたいでしょ?」

「あ、そうです。
 もし魔法とかで行けちゃうなら、そっちの方がいいです」

 ミル姐さんは、多分あるわよ、と言って先に降りて行った。

 どちらかというと、ここでイベント的な展開は避けたい僕としては、移動方法だけ確認してさっさと出たいので、上陸せずに情報だけ貰えないかな、というずるい気持ち万歳だった。
 ミル姐さんに続いて一歩を陸に下した途端、足元が光り、ゲームにありがちな展開になっていた。

 そう、スタート地点に戻らされたのである。

「なんだよ、これ!!」

 思わず叫ばずにはいられなかった。






 立っていた場所はまさにスキップしながら出て行った公爵家の門前。
 こんな移動方法を知りたかった訳でも、ここに戻りたかった訳でもなく、あの隠しイベントはミル姐さんの為に開かれたもので、対象外もしくは手順を踏んでいない僕は拒否されたんだと理解した。

 門番はいきなり現れた僕の姿をみて不審者だと言い、騒ぎを聞きつけて出てきた公爵家の衛兵たちは、暗殺者か賊かと取り囲んで来た。

 いや、別にここに帰ってきたわけでも入れてほしいわけでもなくて、ただ、スタート地点に戻されただけだって言いたくても、ここがスタートとかいう話をどうやってしたらいいんだと考えあぐねていた。

「用事があるわけじゃないので、失礼しますから!」

「怪しいやつめ!!」

 元公爵夫人とは口が裂けても言いたくなかった。

「衛兵! 捕えなさい!」

 そう指示を出したのは、衛兵の制服の豪華版の様な姿で、剣を携えた見覚えのない女性だった。

「土工!」

 思わず使ったスキルは、公爵邸の周りをお堀の様にした。
 するとある程度の衛兵はそこに転がり落ちたりして戦闘不能になったけど、女性は執拗に衛兵たちに指示を出していた。

 もう、えぇ?って気持ちしかないのに、ここで捕らえられるわけにはいかなかった。
 このふりだしに戻るって感じ、萎えるわ。

「お待ちなさい!
 モンブラン公爵家の敷地内への侵入、さらには平民風情が侵略行為とは!!」

 何言ってんだ? この女の人は!

「違います、違いますって!!
 偶然、ここに戻らされて、あ、飛ばされてきちゃったんです」

 動ける衛兵から逃げ回りながら説明しようとしても、元公爵夫人だと言わない限り収拾がつきそうもなかった。
 
「もう!!
 公爵様を呼んでください!
 そうしたらわかります!」

「公爵様が貴様のような者に面通りを許すわけがなかろう!」

 不審者だし、その通りとは思ってしまったけど、いつまでもこのままではいられなかった。
 お堀から這い出してきてる衛兵も増え始めていた。

「では執事は?!
 じゃなければ、もういっそ、国王陛下を!」

 自棄になっていた。

「貴様自ら断頭台に上りたいのだな」

 不敵な笑みを浮かべて、彼女はその剣を抜いた。

 あ、ヤバい。

 
 


 




 

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