その執着は今更です。

ビーバー父さん

文字の大きさ
58 / 62

初期設定

しおりを挟む


 三度目の正直ってこういう時につかうのかな。

「貴様!国王陛下まで持ち出すか!!!」

「えーっと、じゃぁ、神官長パパリーヌ様か、最悪、傭兵団カヌレの誰かを呼んでもらえれば」

「傭兵団だと? 貴様、公爵家に仇名す者なのだな!」

 女騎士(多分、思い込み激しい)は、その場で処刑だって騒ぐから、なら裁判を!と主張した。
 魔法か何かで世界が変わっていない限り、僕が認めたくはないけど国王が裁判の時に息子って認めちゃって国では本当の息子は僕ってことになってたはずだ。

「君さ、本当に僕を捕らえる気なんだよね?」

「当たり前だ! 国王陛下まで巻き込もうとする輩に手加減なんぞ必要なものか!!」

 虎の威を借るキツネにはなりたくなかったけど、これ以上はどうしようもないと告げていた。

「そうか、ではこの国の第一継承権のある者の名を知っているか?」

 周りに部下を従えて、意気揚々とその名を告げた。

『ローレンツォ・ルイ』と。

 いつの間にそんな名前になってんだよ。

「王太子の特徴は?」

「ハニーブロンドの髪に、髪、に?
 髪色は、母君である、ガレットデロワ家の、唯一無二」

 段々と怪しくなる言葉に追い打ちをかけてみた。

「僕の髪色は?」

「金髪! そう、こんな金髪が、って、えー!!!!」

 叫んだかと思うと、急に挙動不審になっていく女騎士。

「そうだよね?」

「まさか、まさか、まさかでしょ!!
 魔法で髪色を変えてるんでしょ!!」

 往生際が悪いというか、どうしても僕を誰かにしたくなかったみたいだ。
 周りの騎士たちがすでにざわついているのに、引き下がらない女騎士に仕方なくこの国を出るときに貰った身分証明書を提示した。

 国を出るときに揉めた身分証明書。
 出したくなかったけど、仕方ない。

「これで、僕を解放してもらえますか?」

「こ、これは、きっと、偽造だ!」

 立太子してないけど、証明書にはこの国の王族であることが書かれていた。

 さすがにそれを覗き見ていた周りの騎士が、上司である女騎士を止め始めた。

「副団長! さすがにこれを偽造はできませんって!
 魔法発行じゃないですか!!」

 ここまで暴走する意味が分からなかった。

「分かってるわよ!! この人が公爵の元奥さんだってことも!! 
 だけど、ここに帰ってきたらよりを戻しちゃうかもしれないじゃない!!!」

「はぁ?!」

 これは全員の声だった。

 ミル姐さんにもうちょっとゲームの内容聞けば良かった。
 モンブラン公爵とのカップリングって、女騎士もいたんだろうか?
 
「僕は、田舎に行って暮らすつもりですが、こんな風に拘束しようとするなら」

「だって! 何度も公爵に申し込んでも相手にされないし、剣術なら自信があるから護衛騎士なら側にいられると思ったんだもの!
 お父様にお願いして縁談を持ちかけても全く相手にされず、そんな時に、」

 ヒステリックに泣き叫びながら、こうなった事を説明していた。

 ラノベにこんなキャラはいなかったから、絶対ゲームだと思うんだよなぁ。

 そう言えば船の中で姐さんが変な事言ってたよな。

 自分でセカンドだか、サードだかのゲームを作ったって。
 まさか、その初期設定にこの人がいるって事無いよね?




しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

処理中です...