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初期設定
しおりを挟む三度目の正直ってこういう時につかうのかな。
「貴様!国王陛下まで持ち出すか!!!」
「えーっと、じゃぁ、神官長パパリーヌ様か、最悪、傭兵団カヌレの誰かを呼んでもらえれば」
「傭兵団だと? 貴様、公爵家に仇名す者なのだな!」
女騎士(多分、思い込み激しい)は、その場で処刑だって騒ぐから、なら裁判を!と主張した。
魔法か何かで世界が変わっていない限り、僕が認めたくはないけど国王が裁判の時に息子って認めちゃって国では本当の息子は僕ってことになってたはずだ。
「君さ、本当に僕を捕らえる気なんだよね?」
「当たり前だ! 国王陛下まで巻き込もうとする輩に手加減なんぞ必要なものか!!」
虎の威を借るキツネにはなりたくなかったけど、これ以上はどうしようもないと告げていた。
「そうか、ではこの国の第一継承権のある者の名を知っているか?」
周りに部下を従えて、意気揚々とその名を告げた。
『ローレンツォ・ルイ』と。
いつの間にそんな名前になってんだよ。
「王太子の特徴は?」
「ハニーブロンドの髪に、髪、に?
髪色は、母君である、ガレットデロワ家の、唯一無二」
段々と怪しくなる言葉に追い打ちをかけてみた。
「僕の髪色は?」
「金髪! そう、こんな金髪が、って、えー!!!!」
叫んだかと思うと、急に挙動不審になっていく女騎士。
「そうだよね?」
「まさか、まさか、まさかでしょ!!
魔法で髪色を変えてるんでしょ!!」
往生際が悪いというか、どうしても僕を誰かにしたくなかったみたいだ。
周りの騎士たちがすでにざわついているのに、引き下がらない女騎士に仕方なくこの国を出るときに貰った身分証明書を提示した。
国を出るときに揉めた身分証明書。
出したくなかったけど、仕方ない。
「これで、僕を解放してもらえますか?」
「こ、これは、きっと、偽造だ!」
立太子してないけど、証明書にはこの国の王族であることが書かれていた。
さすがにそれを覗き見ていた周りの騎士が、上司である女騎士を止め始めた。
「副団長! さすがにこれを偽造はできませんって!
魔法発行じゃないですか!!」
ここまで暴走する意味が分からなかった。
「分かってるわよ!! この人が公爵の元奥さんだってことも!!
だけど、ここに帰ってきたらよりを戻しちゃうかもしれないじゃない!!!」
「はぁ?!」
これは全員の声だった。
ミル姐さんにもうちょっとゲームの内容聞けば良かった。
モンブラン公爵とのカップリングって、女騎士もいたんだろうか?
「僕は、田舎に行って暮らすつもりですが、こんな風に拘束しようとするなら」
「だって! 何度も公爵に申し込んでも相手にされないし、剣術なら自信があるから護衛騎士なら側にいられると思ったんだもの!
お父様にお願いして縁談を持ちかけても全く相手にされず、そんな時に、」
ヒステリックに泣き叫びながら、こうなった事を説明していた。
ラノベにこんなキャラはいなかったから、絶対ゲームだと思うんだよなぁ。
そう言えば船の中で姐さんが変な事言ってたよな。
自分でセカンドだか、サードだかのゲームを作ったって。
まさか、その初期設定にこの人がいるって事無いよね?
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