神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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大学の門を出る時、何か柔らかい?風船みたいなのにぶつかった。
弾き返されるわけじゃなく、そのまま衝撃を吸収されるように中にめり込んで行った。


とぷん


よくいう、羊水の中みたいな安心感。

後ろから聞こえてた兄貴の声も、人の喧騒も何にも聞こえない。
これで、漫画みたいに転生とかしたら、俺、もう人に生まれたく無いや。
誰かを嫌うのも、悪口言うのも聴くのも、本当に嫌だ。

ね、もう、いいよね。

『うーん、こんなに可愛いのに、人は嫌だって言うのかい?』

「えーと、神様?」

声のする方が分からない。
頭に直接響くから、とりあえず神様かな、と。

『神様、とは少し違うけど、アキがこれから行く世界は、私が作って管理してるから、神様かな』

何となく、笑いを含んだ声。

「俺、嫌なことばかりで、人と向き合うの辛い。
 だから、人以外にして」

神様は、みんな色んな能力を欲しがるのに、って言われても、俺、ゲームとかした事ないし。
漫画とかラノベって唯一図書館で借りたから。
だから、やり方分かんないし、いいよ。
普通に生きていけたら、それでいいよ。

考えたら、余り物もなかったなー。
服は兄貴のお下がりだけど、靴だけは新しかった。

俺ってバカね。
血が繋がってなくて、仕方なく引き取ったとかなら、あれもアリだよな。

『なら、可愛い動物にしてあげるよ。
 他にはいない種族。
 君だけが唯一の存在』

「それなら、いいかな。」

『この世界で生きる目的を決めて、じゃないと存在できないから。』

「目的、ね。
 誰かを愛したい。」

『わかった。
 アキが愛した人を幸せに出来るように』

「漫画みたいに、なんか凄い力とかあるの?」

『無いよ、ただ、アキが、アキでいる事だけ』

「今までと同じだね。
 それがいいや」

『少し、眠りなさい』

また、意識は落ちて行った。





薄暗い木の中で目が覚めた。
見渡しても、真っ暗で何にも見えない。 
這いずり出ると、白い月が照らしてる。
多分、森なんだと思う。
木々の間に、キラキラと水面が光っていたから、そっちへ行くと、自分の姿を見た。

小さな白い長毛種の子猫のような姿。
全身が白い綿毛のような体毛で覆われていた。
小さい手には、しっかり肉球があって指は5本。
頭は小さな耳と小さなツノ。
えー、ツノ?!
ツノって!!

ペタペタと触ると、全身が綿毛のような体毛で覆われて、背中に小さな羽根。

なにこれ! 

羽根の有るツノが生えたネコ!
待って!
ツノって可愛く無いよね?!

神様、なんか違う!
センスいまいち!

ワタワタしてたら、隣に神様の声が聞こえた。

「うん、可愛い!
 アキ、小さい子が生きるには流石にそのままってわけにはいかないから、そのツノをつけてあげたよ。
 万能だから、使いこなしてね。」

にっこりと子供みたいな姿で笑うと消えて行った。

これ、普通にオカルト案件ですけど!

そう言う怖いの、俺無理だから!





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