神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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綺麗な顔が好きだった。







兄貴の友達が、やたら綺麗でハーフのせいもあるから余計に、日本人には無い綺麗さだった。
ギリシャの彫刻みたいな、アレね。

俺の兄貴は7歳上の文武両道で、ハーフの友だちとはまた違う系の美形だ。

俺は、毎回橋の下から拾ってきただの、どこの家庭でも一度は言われるような似ても似つかない顔と頭の中身で、いつも劣等感しかなかった。
両親も、それなりに相手はしてくれても、期待もしなけりゃ迷惑さえかけなきゃ怒られるようなこともない。
全くの無関心。
悪く言えば、いなくても変わらない空気かな?

だから、とにかく明るくするようにしていた。
お調子者って評価が殆どかな。
だって暗い顔してたら、友達もできないしね。

綺麗な顔が好きだからって、別に男が好きってわけじゃない。
兄貴の友達の顔が、物凄く好みってだけだ。
それに7歳も離れてれば、小さいころなんか大人と子供みたいな気持ちだった。

遊んで欲しくてくっついて回った。
どんなに着いてくんなって怒られて、突き飛ばされても、泣きながら走って追いかけてた。
小学生の頃はそれでよかった。
中学になるころには、向こうはもう大学生で、家を出てしまったてたから、昔みたいに構って!はできなくなっていた。
その頃には、両親への感情がどこか機械的なものになって行った。

兄貴が大学院へ進んだ翌年に俺の受験が来てしまったから、親からは国公立以外の進学を認めてもらえなかった。
俺の頭は兄貴に構って欲しくて、必死で勉強したおかげで、まぁ、それほど悪くはなかった。
それでも、独学で受験はちょっと厳しくて、よくある進学塾のお試し夏期講習やら、お試し冬期講習を渡り歩いてなんとか成績を維持していた。
学校でやる模試はA判定。
兄貴とその友達が行ってる大学で合格すれば、兄貴のところから通うって話で決まってた。
だから、あの人に会いたくて兄貴の部屋に住んでれば、絶対会えるって思ってたから、死に物狂いで頑張ったんだ。






今年の受験は、あまりの大雪で電車は遅延するし、会場は変更になるし、最悪だった。
でも、そのおかげで開始時間を遅らせてもらえたり、何とか間に合って試験を受けられた。
自己採点では受かってるライン!
この先は桜色?もしかしてバラ色?取って浮かれてた。

兄貴にも、俺、受かってる!ってかなりの自身で宣言してたからね。

少し寒さも温んだ頃発表を見に行った。




…サクラチル…


何で?!

名前だって書いた!おかしい!



大体、みんなが想像することことだった。

回答欄を間違えてた。
致命的。

兄貴にも笑われるだろうな。

両親には盛大にがっかりされるかな?
そんなことないか。
兄貴が一番の人たちだし。
俺は橋の下で拾われた子だしな。

自嘲的な笑いしか出なかった。

会いたい人にも会えないし。


とにかく報告するしかない。
今から、就職できるかな?
フリーターやって、そっからどっかに就職しよう。
家はもう出るって決めてたし。

大学の門のところで、電話をかけた。

『はい、飛鳥でございます』

「母さん、俺、亜希です。
 落ちました。」

『そう、仕方ないわね』

「ごめんなさい。」

『大丈夫よ、期待はしてなかったし、
 いいじゃない、これから働けばいいんだもの』

むしろ声が明るくて、ちょっとでも愛情を期待した俺がバカだった。

「はい、頑張ります」

『あ、俊樹にはこっちから連絡するから、貴方はしないで。
 大学院って忙しいんだから、邪魔しないのよ』

「わか、った」

返事をする前に、プツッと切られた。

そっか、そんなもんか。

まぁ、俺も大学と院が同じキャンパスだから、うまくすれば兄貴とあの友達に会えるかもなんて思ってたから、釘刺されたんだな。


名残惜しく、大学の門の隅っこ野池垣野辺りで立ち尽くしてたら、後ろの方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「だから、母さん、亜希だって頑張ったのに、その言い方はないだろ?!
 あいつが、希望するなら俺の部屋に来させて来年また受験させるよ」

兄貴だ。

俺が落ちたって、連絡が来てるんだろうな。
でも、庇ってもらえてちょっと嬉しい。
バカだな、俺。

こっそり、気の陰から兄貴の声がする方を見たら、隣にはあの友達がいた。

「くそ」

「電話、母親?」

「あぁ、亜希が落ちたって。
 あいつの自己採点では合格ラインだから、解答欄間違えたか、名前書き忘れたかだな」

「ふっ!
 マジか!
 まぁ、俺は落ちてくれて助かったけどな。
 いい加減、金魚の糞にもイラついてたところだしな」

「フィル!俺の弟を悪く言うな」

「俊樹、弟って言っても血も繋がってないんでしょ?」

「それはそうだが、悪しざまに言っていいわけではない」

「だって、あいつ、俺の事好きじゃん?
 俺は俊樹が好きだって言ってんのにさ~
 これで、大学まで来られたら、最悪だよ」

え、なに?それ
俺、他人、なの?
それに、好きとか言ってないのに、嫌われてたんだ。

「亜希は!可愛いからいいんだよ!
 お前なんかに好かれる必要なんが無い!
 誰が見たって可愛い、男には見えないし、仕方ないけど、それが良いんだよ」

兄貴は、綺麗な笑顔で俺の話をしてくれたけど。
女顔なのが、コンプレックスだ。 
親戚にいたらしい、ドール顔の人が。
その人にそっくりだって、良く爺ちゃん婆ちゃんの人達に言われてた。

だから、真っ赤な他人では無いだろうけど、だいぶ遠いのかもしれない。

つい、呆然と聞いてたから、兄貴に気づかれるかも何で思わず、しっかり、姿を見られてた。

「亜希!」

思わず走ったよ。

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