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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟む実感は無かったけど、お母さんはどんな人なんだろう。
「アキの母は、とても強くて美人で、家族思いの良い母だ。
アキを取られたショックとアキの父が亡くなったショックで、今は迷子になってるだけだ。
アキが、これから魔法の使い方を学んでいけば、自ずと母を救う事になる。」
え?
今だって魔法じゃないの?
「この力は、魔法じゃないの?」
「これは、万能な能力でただの想像力が具現化しただけだ。
魔法は精霊や魔獣などが持つ魔力からなる。
理が違う。
だから、魔力を使っていない。
具現化しただけで、アキが居なくなれば、この家も数日で消える。
魔法は魔力から作り出すもので、元々の存在するベースが練られているから消えることはない。」
「魔力、俺にもある?」
魔法だと思ってた。
「あぁ、素晴らしくな」
あるんだ。
お母さんを救える?
「なら、俺は魔法を使えるようになりたい。
どうしたらいい?
カトラスをどうにかして、あの土地から離れたいんだ。
俺が移動すると、そこの精霊もいなくなってしまう?」
少し考えこんでいた。
「精霊を説得するしかないな。
精霊王と話をして、納得すれば土地は蘇る。
しかし、此度のことは精霊たちが度し難く思った故の行動。
難しいかな」
「それでも俺は、精霊王と話してみるしかないよ。
罰を受けるべきは、グラスト=カトラスなんだから。」
ふふっと神様は微笑んで、アキらしいと言ってくれた。
「精霊王はどこへ行けば会える?」
「ふむ、
カトラス領にいた大地の精霊王を呼び出してみるか」
神様はふぅっと息を吐きながら、俺には聞こえない声で名前を呼んだようだ。
真名、というやつなかな?
シュゥゥと、何もない空間がカッターか何かで切り裂いたように広がった。
「来てやったぞ!」
ゲームとかの知識はないけど、漫画の知識で言うと黒髪の長髪に紫の瞳、長身で耳がとがってる。
エルフってやつ?
すげーイケメンで綺麗なの!
嬉しい世界だ!
「早いな~
そんなにアキに会いたかったっか~」
「煩い!
アキに会いたいのは、どの精霊王も皆だ!
私だけではない!
神が造った神獣の中でも、こんなに可愛い子はいなかったぞ!
そのくらい自分でもわかっておろう!!!」
なんか、妙にむきになってるんだけど。
神獣って俺だけじゃないんだ。
他の神獣にも会えるのかな?
「まぁまぁ、この子が神獣のアキだ。
可愛いだろ?」
「初めまして、アキです。」
イケメンが焦る姿って、なんか可愛い。
ていうか、凄いもじもじしてるんだけど。
俺の頭1個分は背が高くて、程よい筋肉なのに重さを感じさせない綺麗な人が、顔を赤らめて!
「私は!
大地の精霊王を冠しているセルゲート・ラドル・アスラ。
神獣アキ様との従属契約を頂きたく、馳せ参じました。」
長い髪を大地につけ、膝を折り俺に頭を下げる精霊王が、綺麗でそして恭しく手を取られその甲に忠誠の口づけをされた。
「俺、そんな従属とか嫌だよ。
友達がいい。
神様以外で話す人もいないし、友達になりたい。
ダメ?かな?」
首をかしげて聞くと、精霊王セルゲートは顔を真っ赤にして、焦っていた。
「やっぱり、いや?」
「いやいやいや!!!
そ、そ、その!
可愛すぎて、愛しすぎて、友達になれません!!!!」
がーん!!!!
友達になれないって…。
ちょっと涙出た。
ここでも、俺は嫌われてるんだ。
「違う違う!!!ちがいまーす!!!
私は、貴方を番として見てしまいます。
愛し、愛されたいと願ってしまう。」
「友達から始めたい」
神様は横で、クスクスと笑い、精霊王はその威厳もなくがっくりと肩を落として頷いてくれた。
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