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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟む夜の闇の中でも、はっきり見えた。
頭の中にある地図が、カトラスを示してくれていたから、そのまま飛べば良かった。
どのくらい飛んだだろう?
程なく、カトラス領が見えてきた。
確かに草木が枯れて、土地が痩せていた。
日照りだったり、豪雨だったりしたんだろう。
村が流されている場所もあった。
これを、俺の気持ちに自然が応えたって事なのか?
俺はこんな酷いことをしたの?
嫌いって気持ちを持ったらいけないの?
涙が出た。
俺は兄貴の友達から、イラつく程嫌われても、家族ですら無い親から期待も関心もなくても、俺は、嫌ったらいけないの?!
大地に降り立つと、流された跡の村を歩いた。
所々に家が残ってる。
道の生垣か、牧場の柵か、残骸としか言えなかった。
泣き崩れてしまいそうになって、踏みとどまった。
本当に俺が?
俺の感情でこの自然が動くのだろうか?
否、だ。
それなら、最初に殺されそうになった時に、何かが起こってるはずだ。
これを知ってそうな人物は一人しかいない。
神!!!
「神様!!
話がしたいです!
俺を貴方のところへ行かせてください!」
当てなどなく、空に向かって叫んだ。
多分、届くはず。
一瞬目が眩んだ。
目の前に、俺が作った家があった。
正確には、俺が作ったものがそのままリンクして、同じように存在するモノ。
エクセルのシートタブをリンクさせて、一緒に編集するようなそんな感じ。
縁側に、前に会った子供の姿をした神様が座っていた。
「神様、あの災害は俺のせいですか?」
「んー、そうであり、そうではない。
災害は偶然であり、アキが嫌ったことによる弊害」
「俺の感情が、影響してるんでしょうか?」
「そうとも言えるが、違うとも言える。
この度の災害は、人間たちが誰かの所為にしなければ、心が乗り越えられなかったからだ。
ただ、この世界は神獣信仰がある。
その信仰で、庇護下に入る土地や自然もある。
それはその土地の精霊が、アキを愛し慕うことで庇護下に入る。
だから、精霊もあの言葉に怒ったのだよ。
神獣とか魔獣とかではなく、命をすぐに殺すという言葉に精霊も良しとしなかっただけだ。
あのバカ領主の自業自得だ。
大体、アキが寝ていた時に、神獣かもしれぬと気づいていたのだ。
それをキメラだの、殺すだの、バカすぎだ。
従魔契約でもするつもりだったか。」
「では、精霊があの土地にいなくなってしまったという事でしょうか?
従魔契約とは?」
精霊はそうだね、いなくなったねと言いながらゆっくりと立ち上がり、神はその姿を子供から、青年へと変えた。
俺の体を頭から下腹部まで、中央をまっすぐに指で指しおろした。
光が沸き上がり、何かの文様が浮かびあがった。
魔法陣とも言えないような、家紋みたいな組み合わせだった。
「この紋がアキの神獣紋。
神獣紋を知られたら、従魔にされてしまうから、くれぐれも知られないようにね。」
「この紋て、どうやったら、相手が分かってしまうの?」
従魔なんて嫌だ。
「一番手っ取り早いのは真名、つまりアキって名前を知られてしまうこと。
神獣紋は普通の人間が望んでも滅多に見られはしないけど、真名を教えてしまうと見られてしまう。
相手が、そう望んでしまえば、アキは逆らうことができなくなってしまうんだよ。
だからね、伴 亜希という名は絶対にダメだよ。」
「え?伴って名字じゃないよ?」
「飛鳥家に引き取られたからね。
アキのお母さんはシングルで君を生んだんだよ。
だから、生まれて初めてつけられた真名は 伴 亜希 だ。
アキは叔父のサトルにそっくりだ。
私も何回か君の世界にサトルを見に行ったけど、本当に可愛かったな。
その度に、今は番になってるカイトに邪魔されてね。
連れて来れなかったんだよ。」
「うそ、俺の本当のお母さんて生きてるの?」
神様の服を掴んで揺さぶった。
「生きては、いる。
ただ、精神世界で迷子になってる」
「ど、いう、こと?
お父さんは?」
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残念ながら、この世にはいない。」
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