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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟む食べにくい。
ニヤニヤ?
何だろ?
何故か領主が隣に座ってるし、こちらはやたら赤くなって、熱でもあるんだろうか?
うち、薬なかったよな。
怪我とかは治せるけど、病気の知識は全くない。
雑学程度だけど、こちらの世界では何も役に立たない。
「あの、具合悪いですか?」
「や、いや、いや、その」
汗までかいてるし。
「お口に合いませんでしたか?」
「美味い!
食べたことない、美味さだ!
いや、です!」
「まあ、俺も砕けた口調の方が楽だし、鍋は皆んなでつつくから美味いんで、軽く行きましょう」
「助かる。
俺も領主とは言え、苦手だった。」
「みなさんも、ここまで大変でしたでしょうから、しっかり食べてくださいね。」
うおおおー!!!ってなんか凄い。
みんなそれなりにイケメンマッチョなのに、顔が壊れ気味ですが?
「神獣様、名前を教えてくれないか?
俺はカトラス領主のグラウス=カトラスだ。」
名前、亜希以外名乗る予定も無かったけど、そのままは嫌だな。
うーん。
「俺は名乗るわけにはいきませんから、何か愛称で呼んでください。」
はい、丸投げしました!
しゃぶしゃぶ美味い!
A5ランクの和牛は、本当にしゃぶしゃぶってくぐらすだけで、脂身に甘味が出て美味い!いいな、異世界!
元の世界じゃ、食べさせて貰えなかったし。
俺、自由じゃん!
みんなでご飯てのも、無かったな。
1人で食べて、1人で片付けて、家の中でも1人だった。
兄弟でも家族でもなくて、他人ならそうなるかな。
「どうした?
何が神獣様を悲しませているんだ?」
「え、あ、
大丈夫ですよ」
前を思い出して、泣きそうになってたかな。
「なら、白って呼んでいいか?」
この世界の知識が流れ込む。
まえの世界のどこかの国が使う言語と、単語の意味に似たような組み合わせだった。
日本語の中に英単語混ぜてるとか、日本人がCiaoって言ってるような。
そんな感じ。
ちなみに俺が取った意味はスペイン語で、白。
ただ、女性名詞だよな、これ。
こっちでもそうとは限らないけど。
「ブランカ、ですか。」
「ブランシュでもいいな」
それ、フランス系女性名詞!
白って言いたいんだろうか。
「どちらでも良いですよ。
どうせ、名前では無いですし。」
「なら、ブランカだな。」
「グラウス、明日の出発ですが、先に行きます。
後からゆっくり来て下さい。」
「え?
一緒に行こうぜ
面子もあるし。」
あぁ、ご領主様は許されたって感じですか。
「すみませんが、俺は貴方の面子を保つための道具じゃない。
ましてや、従属してる関係でも無いので。」
やっぱり、人はこれだ。
「今から、カトラスに出向いて災害とやらをどうにかしてみます。
明日、俺が戻るまでに、帰ってくださいね。
では」
その場から外へ出て、より大きく、より多く翼を出した。
布を巻くだけのにしといてよかった!
これ、服だったら破けて大変な事になってたな。
「ブランカ!
すまん、また、俺は!」
「いえ、人は皆同じです。
自分しか考えない。」
言葉を尽くして話したいと言う気持ちさえ無くなりそうだ。
月が欠けていくのはココでも同じなんだな。
暗い闇に向かって、大きく4枚の翼を羽ばたかせた。
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