神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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教えて!偉い人!

宰相ってさ、頭のいい人が王様の補佐とかしちゃうやつだよね?
なんで、こんな人がここに?

「それとも、宰相を辞したか?」

ラドルが高圧的に問いかけ、それに宰相は冷たい笑顔で答えた。

怖いわ。

「私財の確認を、ですが本来の目的は、神獣様の存在を確認するため。
 あのバカに行かせれば、どちらにせよ神獣様が動くと。」

「愚かな。
 アキ様が否を申せば、この地は砂漠と化すのだぞ!」

「えぇ、ですがそれもまた、罪の贖罪かと。」

ラドルは表情にこそ出してはいないが、静かに怒っていた。

領民はどうなるんだよ。
あのバカは自業自得だけど、領民は?

「人々は、己れのコマではない。」

ラドルたち、精霊の優しさにつけこんだんだ!
腹立つ!

「アキ様!!」

俺は猫から人に近い形になった。

「初めまして。
 俺、アンタ嫌い。」

4枚の翼の風圧で、土くれが舞い上がった。

「おぉ!!!
 神獣様は人の形になれるのか!
 なんと、可愛らしい!
 王太子殿下に是非!会っていただきたい!」

宰相さんは、俺の神経をことごとく逆なでする。

「大概にしてもらえませんか。
 あなた方は、領民を何だと思ってるんだ!」


「神獣アキ様、貴方が寝ていた時に捕らえられたのはなぜかお分かりになりませんか?」

いくら、腹ペコで気を失っていたからって、確かに、おかしい。 

使用人の中から、一人の若い男が前に出てきて言った。


「大魔法使いの拘束魔法は、対象が消えない存在なら、拘束できるのですよ。
 精霊王様は肉体を持つ訳ではございませんから無理ですが、神獣様は肉体をお持ちですからね。」

「貴様!!」

ラドルが俺を掻き抱くようにクソ宰相と、多分大魔法使いから隠した。

「ふはははは!
 大魔法使いは、神獣様がどこにいても見つけますからね~」

宰相はニヤニヤと笑いながら、俺たちを、正確には俺を拘束させようとした。

「いっときは砂漠化しても、神獣様を捉えて手の内に入れてしまえば、どうとでもなりますからね。」

ラドルが俺を慕っている事を逆手にとるきなんだ。

「くそ!
 一先ず、ここから離れます!」

ラドルは俺を抱いたまま、神様のとこで見せたような、空を切り開く様にしてその中へ入った。
中は不思議な白い場所で、歩くこともなくまた、目の前を切り開いて中に入る。
同じことを何回か繰り返すと、神様のところへ辿り着いた。




縁側に神様は大人の姿でいた。

ラドルは大魔法使いの存在と、その拘束魔法を伝えたり、俺を鍛えるための時間を作るための場所を欲しがった。

「神よ、アキを隠してくれ!!
 人が入れない場所に!
 私の中つ国では、無理だ。
 アキを探した方法は、人や獣のいる場所で、体の一部を借りているようだ。
 ならば、借り物が出来ない場所で、アキを守るしか無い!
 アキをその間に戦える様にしなくては、この世界が壊れてしまう!」





中つ国ミルズガルズは精霊の国だが、人間が入れないわけではなく、獣も普通に行ける。
前の世界で物語や神話の世界の場所がここでは存在していた。

「そうか、人はそんな魔法を生み出していたのか。」

神様の静かな表情では、何を考えているかわからなかったが、怒りを含んでいる様な口調だった。

「では、ここで魔法やこの世界の理を学びましょうか。
 全ての精霊王を召集しましょう」

ラドルを招び出した時と同じように、空間が次々に切り裂かれて、精霊王の姿が現れた。
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