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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟むモライアのズルイ発言は、他の精霊王にも伝染した。
何なの、これ。
「俺は、皆さんの真名はいりません。
友達として、ラドルと呼ばせてもらってましたけど、不公平だと言うなら、やめます。
ラドル、ごめんなさい。」
きちんと自分の立場を弁えないと。
「アキ様!
私が良いと、お願いですからラドルとその口で呼んでください!」
懇願されても、どうして良いか分からない。
「全員、アキの好きな名前で呼んであげたら?
多分、アキは長い名前を覚え切れないから、短い方で呼んだだけでしょ?
なら、番いの呼ぶ名前じゃなくて、特別な名前をつけてあげれば良い。」
神様が妥協案を出してきた。
愛称ってことかな?
「新しく呼び名をつけて、その名前を呼ぶ事で良いですか?」
「えぇー、番い名を呼んでほしいよ~」
火の精霊王キースがぶぅぶぅと文句を言う。
ここは民主主義で、多数決にしましょう!
「新しい愛称で呼んでもらいたい人!」
全員手が挙がらず!?だとー?
「番い名で呼んでほしい人!」
3名、何故?
光と、火と、金は番い名をキボン。
残りの水、風、木、大地、は?
なんか答えが怖い気もする。
「私は真名を捧げたい!」
風の精霊王、フェースライザーが高らかに声を上げた。
「私も!」
「私もだ!」
「私は番い名と真名を!」
ラドル、お前。
「その答えが有りなら、私たち全員、番い名と真名の一択です!」
光の精霊王シャピオスと金の精霊王アードライドが、加わり結局番い名と真名の両方とか。
火の精霊王キースはニヤニヤしていた。
なんでよ?
「俺は、アキ様を愛する以外何でもいい。
呼び名なんざ、些末な事よ。
俺の気持ちがどこにあるかさえ、アキ様がご存知ならいいさ。
真名を捧げたいのは同じだがな。」
なんか、熱い。
俺の方が拘り過ぎてたのかも。
火の精霊王だから?
情熱に負けそうな気がする。
「さあ、アキ、どうするかな?」
神様は涼やかな笑顔だけど、ちょって意地悪く笑う。
「俺も頑なに拘り過ぎてたのだと思います。
みんなが1番良い様に決めてください。
それを受け入れて、更に強くなる努力をします。」
「いや嫌じゃあ意味がないんだぜ?」
金の精霊王アードライドが一言付け加えた。
「いえ、俺は今まで甘やかされたり、愛されたりする事から縁遠くて、みんなから貰う敬愛を勘違いしない様に律していました。
だから、愛されるなら、ちゃんと愛されてみようと思うんです。」
恥ずかしながら、自意識過剰と言われても仕方ないかもしれないけど、これだけ言われたら嬉しいし、ちょっとは勘違いしても許されるんじゃないかな、と。
「では、私たち全員の番い名と、真名を捧げます。
神よ、宜しいですね?」
「ああ、お前達が納得するなら、私は願ってもない。
アキはこの世界で永遠となる。
歴代の神獣が精霊王全員から真名を捧げられたことは未だかつてない。
また、番い名をと全員が、とはな」
最後は嬉しそうに、神様は笑った。
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