神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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「そうなんだ、じゃぁね」

こういう子供苦手。

「おい、名乗れよ!」

「えーと、ブランカです。」

アキって呼ばれたくないって本能で思っちゃった。
あのバカ領主の子供時代って、こんなだったんじゃないかな~。

「で、ここで何してる、ブランカ」

「散歩と探検ですよ」

「誰の許可を得て」
「あーはい、言うと思いました。 
 ちなみに最初に言いましたよね?
 魔王様に連れてこられたって。
 ということは、魔王様の許可があるんです。
 よろしいでしょうか?」

食い気味に言ってしまった。
誰の許可とか、長居するつもりは無いから、タロー様が帰ってきたら、どこか別なとこに行こう。

「そ、そうか、叔父上の客だったのか
 悪かった。」

「いいえ、お気になさらず」

タロー様にはご家族があったのか。
何もかも精霊王たちとは違うんだなぁ。
家族か、今はチカちゃんとスズキくん、イーリスもいるから十分家族だね。

「トリスタン様、次代の魔王としてご立派になってくださいね。
 魔王様を助けてあげてくださいね」

「当たり前だ!
 叔父上が安心して家族と過ごせるようにな。」

「良かった。
 通りすがりでここへ来させて頂きましたが
 そろそろお暇しますね。
 魔王様によろしくお伝えください」

「あい分かった。
 ブランカもまた、遊びに来るがよい」

「ふふふ、では」

ちゃんと約束はしない。

誰とも会いたくないからね。
俺だけの世界を、国をこっそり作ろう。
結界も張れると思うし。

「魔王様のマントをお返ししますね」

借りていたマントを脱ぐと、長く白い髪がバサッと風にあおられた。

翼を4枚一番大きくした。
 
「お前、綺麗だな」

最後に聞こえた言葉に笑顔で応えて、大きく羽ばたいた。

攻撃的な意識をしなければ、翼の圧で吹き飛ぶということも無かった。

「みんな、戻って」

しゅるんと俺の体に入って行った。

「なんだ、お前、それは一体」

甘やかされた次代の魔王を無視して、一気に上空へと飛びあがった。
遥か上空で結界の膜の様な感触が当たったけど、力を込めて羽ばたくと突き抜けた。

これ、タロー様の結界なんだろうな。

なんか、居たたまれなくなって出てきちゃったけど、待ってればよかったかなぁ。
でも、あのトリスタンから聞かされる言葉にも、聞かれる言葉にも答えたくはなかった。

「チカちゃん、出てきて」

『アキ様、棲み処をまずは探しましょう』

「そう思って、どこがいいかなぁ」

こんな時こそ、MAPじゃないかって今更思い出したよ。

頭の中で展開された地図はずいぶん更新されていて、色んな国やら街やらが出来ていた。

人がいなくて誰にも見つからない場所、って言ってもマーカーは出なかった。
そりゃそうか。
この地上にいる限り見つからない場所なんてないか。

う~ん、人がいなくて結界が有効に使える場所、これはマーカーが現れた。
ピンクなのも相変わらずだ。

とりあえず、そこへ向かって飛んで行こう。

そう思ったとき、前方から黒い一団が現れた。
これって、タロー様の軍勢?
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