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異世界は続くよどこまでも
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しおりを挟む「もしかして、弟さんのところ、おめでたとかじゃないですか?」
食事の時、この子のお母さん居なかった気がする。
もしそうだったら、ずいぶん大きくなってからの赤ちゃん返りだな。
「ああ、そうだが。
それと関係があるのか?」
マジか!
「なら、これはご両親が解決すべき案件です。
タロー様は関わってはいけません。
家族のルールを邪魔してはいけないんですよ。」
「分かった。」
執事さんが、他のメイドさんにご両親の元へと送らせた。
「ずいぶん大きくなってるのに赤ちゃん返りとは。
俺も、この世界で随分赤ちゃんでしたけど。」
そうだ精霊王たちに育ててもらったんだ。
急に寂しくなった。
まだ、ほんの一月くらいなのに。
何も言ってこない。
元気なんだろうか?
俺の選択は間違いだったんじゃないだろうか?
懐かしくて酷く泣きたい気持ちになった。
今でもあの人たちに抱きしめて貰った温もりを思い出せた。
ポタッ
泣いちゃダメ。
自分で決めた事。
早く夢を紡いでお母さんを助けなきゃ。
「アキ?」
「大丈夫ですよ。
タロー様モテモテですねー」
「5歳の子にモテて何がいいんだ。
私は、アキだけが欲しい。
その手に持ってる尻尾のかわりに、私にしがみつけ。
抱き返して二度と離さないわ。」
ニヤッと笑った。
手にいつの間にか尻尾が握られていた。
俺の毛布。
不安、寂しい、悲しい、そんな感情が出るとこの尻尾を握る。
赤ちゃんを卒業できないのは俺もだな。
でも、5歳?
あれで?
確かに言動はその程度な気はするけど。
「ん?どうする?」
抱きつけと言わない辺りが、タロー様の優しさ。
よし、しがみついてやろーじゃないの!
「えい!」
タックルの要領で突進した。
ぶつかり稽古かって!
「おっ!
会った時以来のアキだな。
相変わらず細くて、軽いなアキは」
軽く受け止められ、抱きしめられた。
そしてまるで肩に座らせるように、抱き上げて俺を見上げた。
ガッチリには見えないのに、筋肉はすごい。
羨ましさしかない。
「アキ、何が悲しかった?」
優しいテノールの声が俺のケモミミに響いた。
「お前が悲しい時や、何か不安な時は
その尻尾が安定剤なのだな。」
何で分かったの?
赤ちゃん返りも分からなかったのに。
「そんなに驚くな。
私はお前にだけ働くセンサーがあるようだ。」
ふふふ、と笑うタロー様に甘えてしまった。
その首に腕を回して、キュッと抱きついた。
「ん?
誰もいない、アキが思う事を申してみよ」
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俺、こんなにチョロかったかなー?
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