神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

文字の大きさ
69 / 166
異世界は続くよどこまでも

6*

しおりを挟む


タロー様のキスが気持ちいい。
舌の根元を搾り取るように絡められると、唾液が溢れて、混じり合う。

抱きしめてくれる大きな体も、俺の薄っぺらな体を弄る手の熱さも、気持ちいい。

「あ、あ、!」

乳首を布越しに探り当てられて、硬く主張してしまう。

「アキ、愛してるよ」

「んん、ん
 にゃ、ぅ」

「アキ、同じ時間を生きよう」

ケモミミをはむはむされながら、囁かれてトロンと蕩けた。

タロー様の首に腕を回し、俺からキスをする。

「タロー、さま
 好き、大好き、俺だけを見て
 俺だけを、抱いて」

生まれて初めて口にした言葉は、独占欲丸出しの恥ずかしい言葉。

「アキ!!
 離さない、もう、離さない!!
 その唇から他の男の名を呼ぶことは許さない、私の真名を呼べ
 アキ、私の真名は」

ケモミミに告げられた真名が俺の体に浸透する。
体から幾つもの優しい光が湧き上がり、タロー様と俺を包んだ。

「あ、あ、タロー様、熱い
 からだが、あつくて、」

「アキ、真名を」

「ヘオース・アウロラ・ザリアー!!」

叫びにも似た声で呼んだ。

名を呼んだと同時に、首の噛み跡から蔦の様な模様が伸びて左半身を埋め尽くしていた。

「何、これ
 俺、どうなったの?」

「私の真名がアキに浸透しただけだ。」

蔦のような跡が、真珠の粉をはいた様にキラキラとして消えた。

「神様の真名なんて!
 なんで事するの!」

熱に浮かされてしまった。

「黎明と言う意味だ。
 アキだけが知っていればいい」

ああ、ダメだ、この人の笑顔が好き過ぎて、俺はもう、この人が俺以外の誰かを見たらどうしよう。
嫉妬で死んでしまう。

「俺以外、触らないで」

俺は尻尾の代わりに、この人の腕を取ったんだ。

「アキ、お前以外が私の腕の中にいる事はない。」

「うん、俺も
 タロー様の腕以外、嫌だ」

自然と抱きしめ合えた。
なんてくすぐったくて、幸せなんだろう。

「アキ、私のアキ」
「嬉しい」

言葉よりキスを交わすことが、より雄弁に気持ちを伝えられた。

二人で夢中になり過ぎて、執事さんが戻ってきてたのが分からなかった。

「ゴホン
 えー、ご主人様
 この様に嬉しい事はございません。
 私も、ブランカ様をお迎えできる事、嬉しく思います。
 ご主人様のご伴侶様はブランカ様以外にいないと存じておりました。
 一番にお祝いの言葉を述べさせて頂く事を、お許しください。」

「あの、執事さん、俺のこと
 アキって呼んでください。」

「有難き幸せでございます。
 我が主オプスクリタス様
 神獣アキ様
 おめでとうございます。
 末永き幸せを。
 また、これ以降も忠誠を、捧げます。」

「うむ、ありがとう。
 これからも、アキ共々頼んだぞ」

タロー様は俺を抱き上げたまま、執事さんに明日の予定を告げた。

「明日、片割れの神が精霊王たちを連れて来る
 その時にお披露目が出来るよう、急ぎ支度を。」

「はっ。
 畏まりました。
 急ぎ、闇の神が伴侶を迎えた事を知らしめましょう」

明日、みんながこちらへ来るんだ。





しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔女の呪いで男を手懐けられるようになってしまった俺

ウミガメ
BL
魔女の呪いで余命が"1年"になってしまった俺。 その代わりに『触れた男を例外なく全員"好き"にさせてしまう』チート能力を得た。 呪いを解くためには男からの"真実の愛"を手に入れなければならない……!? 果たして失った生命を取り戻すことはできるのか……! 男たちとのラブでムフフな冒険が今始まる(?) ~~~~ 主人公総攻めのBLです。 一部に性的な表現を含むことがあります。要素を含む場合「★」をつけておりますが、苦手な方はご注意ください。 ※この小説は他サイトとの重複掲載をしております。ご了承ください。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...