神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界は続くよどこまでも

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騎士団が人間の王侯貴族を捕えようとした瞬間、人間たちの姿は掻き消えた。

「どいつかが、いわゆる大魔法使いだったか。
 転移魔法の準備までしてるとは、用意周到だな」

神様からよく聞いていた単語。
【大魔法使い】

俺を狙ってるのもそれだし、ここに来たら俺を捕えることができると思っていたのだろうか?

「それにしても、オプスクリタス
 お前のとこ、ザルすぎるだろう?!
 何やってんの?!」

「いやさ~、侵入されたの分かってたんだが、
 アキがさ、エロ過ぎて止められなかったんだ。
 それに、その程度なら自分から協力しない限り、
 回避できるはずなんだがな。
 さすがに、アキに対する態度が目に余ってたから
 これで、滅する口実できたしね。
 アキを狙う人間も大体把握した。
 死の神でもある私に喧嘩を売ったんだ、あいつらも理解はしてるだろうよ」

極悪な顔つきで何を言うかと思えば。

「それは仕方ないね~
 私でも、アキのエロさを取るな、うん」

「比べるところが違いますよ、お二方。
 タロー様は、そんなことを考えながら…。」
言いかけてやめた。
弟として育て、甥として可愛がったのに、裏切られた気持ちは、計り知れないと思ったから。

俺に向けて逃げられる心があるなら、逃げてしまえばいい。
それを受け止めてあげるくらい、俺にもできるから。





雛壇の高さから、騒ぎになってる広間を見据えるタロー様は、冷酷ながらも陰りのある表情を覗かせていた。

一段下がった位置にいる精霊王たちも、特に動く様子も見せることはなく静観していた。

違和感。

人間だけが掻き消えた大広間の魔族たちが殺気立っているのは、同族のしかも高位の魔族の裏切りに対してだと思うが、なぜ今まで気づかなかったのか?
そんな疑問が頭を占めていた。

「そろそろ、見えてきたかな。」

控えていた執事さんを呼んだ。

「カスティア、衛兵に人間への攻撃を扇動するものを捕えよ、と。
 大広間のあちこちで、人間への報復を口にする者だ。
 衛兵の中にも、それを否とするものがいたら、捕えよ」

何故?
そんな気持ちになるの当たり前じゃないの?

「ふふ
 面白い。
 奴らは何が目的なのだろうか、尋問してみるか」

神様が漸く、精霊王たちを動かした。

「羽虫ほどの数が送り込まれてると思った方がいいかもですね
 しかし、神に喧嘩を売って称賛があるとは到底思えないのですが」

大地の精霊王、セルゲートが疑問を口にした。

圧倒的な力の差があると思う。

「あいつらは神を喰らう気なのさ。
 アキの血肉を食えば、神の力が宿ると思っているからな
 そんな迷信を信じておるのさ。
 哀れな者共よ」

過去にもあったのだろうか?
神様の表情は曇っていた。

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