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異世界は続くよどこまでも
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しおりを挟む「チカちゃん、お母さんを乗せてくれる?」
『もちろんでございます!
アキ様の御母堂様なれば、喜んで!』
「ありがとう」
お母さんを前に乗せて、後ろに俺が乗った。
少し、目眩がして体が怠かった。
これが急ぐ理由なんだな。
眠ってる間に深く堕ちすぎたのか。
ごめんね、タロー様。
神様とタロー様が先へと急ぐその後をチカちゃんが駆けた。
早い、早い、俺の体が溶けてなくなりそうなほど、早いよ。
『アキ様!?
アキさま!』
「お母さん、ごめん、
お、れ、すごく、疲れた、みたい
少し、眠るね
チカちゃん、お母さんをお願いね」
『アキ様!
寝ないで!
もう少しです!
アキ様!』
眠いんだよ
「亜希、起きなさい!
もう朝よ、みんなが待ってるわ!」
「アキ、悲しいことも、寂しいことも、
全てこの私が埋めてやる、
早く起きろ」
「アキ様、貴方を独りにはさせませんよ、
側にいるって約束しました。
早く笑顔を見せてください。」
「アキ様、ご主人様はこれ以上ないくらい、甲斐性無しの名を轟かせておりますよ
私が、ご主人様を躾け直しますから、
可愛らしい笑顔を見せて下さいませ。」
「アキ、私たちの紋様が消えても、またお前を娶る!
起きて、私を怒ってくれ!
泣かせない、二度と泣かせないから!」
『ギリギリで間に合ったはずですが、魔力量が減りすぎています。
我らでは補えない。
アキ様は、自ら意志で目覚めようとなさっていないのかもしれません』
『我は肉体を氷漬けにして維持することしか出来ん』
『我の背中で意識を無くして行くのを止められなかった。
せめてもの救いは、御母堂様を連れ帰れた事だ。』
皆がそれぞれでアキを起こそうとしていたが、目覚めなかった。
少しずつ、死んでいく様に。
「麒麟殿、我ら七精霊王の魔力をアキ様に分け与えることはできませんか?」
『難しい。
すでに我の魔力を分け与えているが受け取らないのだ』
「そりゃ、アキにとって目覚めても良いことなんか一つもないからな。
なぁ、オプスクリタス?
お前がやった事に満足か?
目の前で、アキが死ぬことが、お前の望みだったんだろう?
だから放置したんだよな?
あのクソガキを失うより、アキを失う方がマシだったってことだろ?
クズが!」
「ご主人様、誠でございますか?
アキ様より、あのクソガキトリスタンを?」
「そんな訳あるか!!!
勝手に話を作るな!!
シムラクルム!さすがに許せんぞ!!」
「そうか、私は、大事なアキをこんな姿にされて
もっと許せんがな?
わかるか?
アホが!!」
神同士の喧嘩が始まってセルゲートがシムラクルムを止め、執事カスティアがオプスクリタスを止めた。
「貴方たち、いい加減になさい!!!
亜希の心を壊したのは私も同じだから!
でもね、亜希を伴侶に迎えたくせに、
ここまで放置した貴方を許せるわけがない!
貴方が亜希をいらないなら、返して!
私の子にぞんざいな扱いをしないで!!」
アキの母が泣き崩れていた時、告鳥が鳴いた
『アキ様が、目覚めます!』
みんながアキのベッドに駆け寄り、目を開く瞬間を見守った。
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