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異世界は続くよどこまでも
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しおりを挟む「チカちゃん、
アキね、チカちゃんをしってるよ
なんでだろ?」
「アキを守ってくれる強い人なんだよ」
「あったかいおじちゃん、なんでも知ってるんだね
うん、強そうだもんね。
ね、ぎゅってしていい?」
『もちろん!
アキ様に撫でられると幸せになりますから』
ぎゅうってすると、もふもふですごく気持ち良くて、抱きついたまま、離れたくなくなった。
「亜希、お母さんも、亜希といたいわ」
「なら、来て!
アキと一緒に来て!」
「アキ、私たちの所へ母君も一緒に帰ろう」
あれ?
この人達と?
「アキ、おいで」
「あれ、神様?
俺は?」
「亜希、凄く素敵ね!」
「お母さん、俺」
俺は神獣の姿になっていた。
長くて白い髪、ふぁさふぁさの尻尾を手に握っていた。
「神様、お母さんを向こうの世界に帰してあげたいんだけど」
「夢の中は、オプスクリタスの範疇だから、頼んでごらん」
「えー?」
「ほら、アキ
しっかり頼んでご覧」
ちょっと嫌な気持ちになりながら、闇の神オプスクリタスにお母さんを向こう世界に戻してもらう様に頼んだ。
「アキ、一度母君は我らの世界に連れて行き、そこからまた、シムラクルムに向こうから肉体を移動させ、そこで精神体と肉体を合わせなければ、送れないから一緒に来てもらおう、私たちの世界へ」
「それは、うまくいくの?
お母さん、大丈夫?」
「私とアキが力を合わせれば、出来るさ。
伴侶であり、闇の責務を司る者の力だ。」
「……」
「アキの体にも、私と同じ紋様があるだろ?
これは、契りを交わし真名を刻んだ証拠だから。」
「えー、俺の、薄いよ」
「それは、アキが私の事を忘れてるからで、早くしないとお前の命も危ないんだ!
だから!
私を嫌いでも、許せなくてもいい!
ただ、私に笑いかけてくれれば、それだけでいい!
だから、私の元に帰ってきてくれ!」
土下座されても、分からないもの。
「亜希、この人貴方のことが本当に好きで大事なのね
こんな大人で素敵な人が土下座なんて普通できないわよ
もう、許してあげなさい」
お母さんが笑いながら俺に許せって言うけど、何を許すのさ。
「だって知らないもん」
「くっついてみたら思い出すかもしれないわよ、ほら」
押さないでよー。
「アキ、この腕に抱きしめられないかと思った。
寂しいと言ったお前の言葉を蔑ろにして悪かった。
絶対離さない」
ジワジワと体に血が通う様に、水が行き渡る様に、身体がこの腕を知っていた。
「タ、ロー…さ、ま」
俺の記憶がこの夢の世界に取り込まれて、徐々に消えていった様に、今度は少しずつ思い出した。
「アキ!」
苦しい!!
「アキ、思い出しちゃったか~
そのまま忘れて、真名も消えちゃえばよかったのに」
神様ったら。
「さあ、時間もない
母君を入れる器になる人型を作るぞ
アキ、魔力を練って、サポートするから!」
「はい!」
お母さんそっくりの人形が出来上がった。
俺がお母さんの手を引いてその人形の前に来ると、タロー様の魔力でその中へと溶け込ませた。
「お母さん、どう?
変?苦しい?痛い?」
「いえ、大丈夫よ
自分の体みたい」
上手くいったんだ。
「さあ、帰るよ。
オプスクリタス、急いで!
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