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異世界は続くよどこまでも
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しおりを挟む羽織ってだだけのガウン?ごと、浅い浴槽に入れられた。
「アキ、熱すぎないか?」
「だいじょ、ぶ」
体を凍らせていたから、熱く感じると思ってくれたんだ。
タロー様にはだいぶ温いんじゃないかな?
段々お湯が温く感じる様になって、やっと声が出せるようになった。
「もう、少しお湯の温度をあげてもいい?」
「ああ、今、少し熱くするな。
アキ、愛してる。
これからはどこに行くのも一緒に行く。
お前が、死ぬかと思った、ら
私は、なんて愚かなのだ。
皆の夜のために歌い続けていたと聞いて、誇りに思うと同時に、いつも誰かのために頑張るお前を独りにして、泣かせた事を、心から悔いた。」
タロー様が、所々、大粒の涙をながして、謝る姿に、俺の拗ねてる気持ちも終わりを告げた。
「タロー様、大好きですよ。
だから、泣かないで、ね?」
「アキ、愚かな私を笑ってくれ。
お前の声が聞こえない、姿もない日々がどれ程辛かったか。」
「俺を抱きしめる人は、タロー様しかいないんですよ?」
「そうだ、それなのに!
夢の中では、私を忘れ知らない人と隠れてしまい、さらには嫌いだと言われた。」
「うーん、あんまり、覚えてないんです。」
「あんなに小さい頃から独りで頑張っていたのだな。
神様の歌に、私はその頃応えてやりたかった。」
「え!!
やだ!
あんな歌、なんで?!!」
「シムラクルムに歌ってやってたぞ。
私には歌ってくれなかったがな。」
やっと、お湯の中で体を動かせる様になって来た。
お湯の熱さだけではない顔の赤さに気づく。
あんなメロディも無い、語呂も悪いのを俺、なにやってんだ!
恥ずかしくて、そっちで死ねそうだよー!
「アキ、私にも歌ってくれないか?」
「歌なんて、覚えてないんだもん、無理!」
お湯の中で、タロー様の腕に抱かれて、幸せだし、もう、拗ねてないし、我慢してよ。
「ね、タロー様」
俺から、唇にキスをした。
軽く触れるだけのキス。
啄む様にキスをして、少しずつその口の端から舌を滑り込ませた。
すぐに、タロー様の舌が絡んできて、確かめる様に深くキスをした。
「アキ、怖くなったり悲しくなったら
かみさまのうたを歌って呼んでおくれ。
もう、覚えたからもし離れる事があっても飛んでいけるぞ」
「な!
もう!」
酷い、あんな子供の頃の歌を!
切羽詰まった子供が、色んな事を我慢する為の歌だったのに。
酷い
「アキ?
アキ!
泣かせるつもりはなかった。
シムラクルムにだけ歌ったのが、くやしかったのだ。
あれは独りぼっちを我慢する為の歌だと分かっている。
だから、私を頼って欲しいのだ。
私がいる、と知って欲しいのだよ。」
「あの歌は、凄く悲しくて、辛い時を思い出すの。
だから」
言い切らないうちに、広い胸に抱きしめられた。
「アキ、あの歌は悲しい歌ではなく、
とても強い歌だ。
カッコよくて、頑張れる歌だ。
私は好きだ。
泣くでない。
アキが頑張って来た証の歌としか思えんな。」
「タロー様、歌ったら必ず助けに来てくださいね。」
「おうよ。」
やっと、体が動かせる様になって体を洗って貰った。
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