神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界は続くよどこまでも

24

ちょっと、卑屈になってる自分が嫌。


こんなに、俺は傷ついてたんだ。
タロー様が、俺以外の誰かを思って嘆き、悲しみ、その感情を向けるのが嫌だったんだ。

「タロー様、大好きだよ」

声に出さないと、言葉にしないと、何でだか不安だった。

「私も、アキが大好きだ。
　独りには絶対しないからな」

タロー様の笑顔が嬉しくて、寂しくて、不安だったんだ。

「浮気したら、多分、この世界を壊しちゃうと思う。」

「それは、私だって同じだな。」

お互いにおでこをこつんと合わせて、だねって笑った。

「このぺらぺらな体を先ずはどうにかしなきゃ、タロー様に食べてもらえないね。」

ちょっとだけ、煽ってみる。

「ぺらぺらでも、アキだから食べちゃうけどね。」

ふざけあって、笑いあって、やっとこの人の腕の中にいるんだって、実感できた。

軽いキスをして、お風呂をあがった。

「次は、ぐちゃぐちゃに抱くからな。」　
　
「今は？」
　
「母君をお待たせしてるのと、病み上がりだ。
　無理はさせたくない。
　じゃないと、抱き潰すどころじゃないわ」

「本当に？」

求められるのは嬉しい。

「ああ、アキ、それこそ母君との話が終わったら、寝室に篭るからな」

「嬉しい！」

やっと笑えた様な気がした。
によによと笑いがこみ上げてくるのが、嬉しかった。








お母さんの体の事、トリスタンたち弟家族の事、どれからやるべきなのか。

話し合いの席では、お向かいに神様とお母さん、俺の隣にタロー様。
周りに七精霊王達。

そして後ろに執事カスティアさんが控えていた。


「すでに母君には事情を伝えてある。　
　この世界で、アキは神獣として生まれ直した事も、私との婚姻で神獣神として名を連ねた事。
　そして、シムラクルムから向こうの世界で、どのような仕打ちをうけていたかも、全て話した。」

タロー様を婿って言ってた気がする。
向こうで言うところの、ゲイなんだけど受け入れてくれてるの？

「あの、お母さん、ごめんね？」

「あら？何で？」

「ゲイだなんて。」

「血筋かしらね～
　叔父さんになる弟の解さとるなんて
　旦那様が4人いたわよ。
　しかもイケメン親子に元SPだったかしら
　会社やってて、持ちビルに住んで店やってるわよ
　結婚式もちゃんとして、入籍もしてるわよ」

ケラケラと笑って話す内容が、もう、えぇー？しか無かった。

俺、向こうで叔父さんに会って話したかったよ。

「だから、この人が婿でも構わないのよ
　貴方が幸せならね。
　今回の事は鉄拳制裁を受けてもらうけど。
　伴ともり家はね、婿になる人は漏れなく試練を受けてもらう事になってるから。」

えーっと、まあ、そうだね、うん。
タロー様、がんばれ！