神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

文字の大きさ
106 / 166
異世界は続くよどこまでも

43

しおりを挟む

ライカスが大人の姿になり、やっぱりここが異世界なんだとしみじみしていた頃、人の国との話し合い?の日が訪れた。




行きたくも見たくもないあの広間に、俺もタロー様と並びたった。

すっかりリフォームされて、お金持ちな感じより、洗練されたデザインになっていた。
落ち着いた雰囲気でまとめられていたけど、嫌悪感はぬぐえなかった。

用意された椅子は、人の国の元は玉座であったところだろう。
王と王妃の椅子。
そこにタロー様と神様が並んで座った。
タロー様はちょっと不本意な顔をしながら、王妃側の少し華奢な椅子に。

俺はその横の皇太子が座ったであろう小振りな椅子に座った。



「で、人の代表は決まったか?」

タロー様が威圧しながら、代表者だろうと思われる人間に声を掛けた。

「はい、私めが。
 王族の後嗣としては大分遠く、辺境伯として、国境を守る任に就いておりました。
 此度の愚かな行為に、私一つの首で済むのなら、どうかこれて御赦しねがえないでしょうか?」


一歩前に出てきた偉丈夫が申し出た。
今までも戦いに身を置いていたであろうことが、その体の至る所についた傷で想像できた。

「私はお前如きの首を貰っても、何も意味を成さないがな。
 此度の我が伴侶でもある神獣神アキを狙った子細を聞かせてもらおうか。」

「闇の神よ、貴方様の伴侶とは知らずにお連れした事、大変申し訳なく」
「知らぬはずがなかろう、だろ?」

言葉を遮ってタロー様が更に怒りを含めて言葉を吐いた。

「いえ、お言葉ですが!
 神獣神様が、闇の神より下賜されると聞き及んでおりました。」

「下賜、だと?」

怒気の含んだ息を吐きながら、睨みつける。

「はい、闇の神の新たな伴侶として、こちらの姫をお迎えなさったからだと。」

「迎えた?」

思わず俺が口を開いてしまった。

「はい、姫様をその腕に抱かれて、慰められたと、聞き及んでおりますれば。」

「えー?
 そこんとこ、詳しく!!」

神様が、前のめりに突っ込んだ。

「あー、私も聞きたいですね。
 ね?タロー様
 なかなか、楽しそうな話ではないですか。」

「え、いや、ないよ?
 何にもないから?
 おかしいよ、ね?」

何うろたえてんだ、おい?!

「その、姫とやらは何処にいらっしゃいますか?」

俺の怒りを感じ取ったのか、ライカスがあらわれた。

「お母様、このバカ親父はもう、いらないでしょう。
 その、人間の姫とやらと仲良くしたらいい。
 何が情報をとか言って、お母様を独りにした上、死なせかけ
 実は今回のことも、身から出たサビをお母様が尻拭いさせられただけじゃないですか。」

え、マジなの?
浮気したんだ。

「浮気してたんですね。」
「浮気したのか。」
「浮気してましたよね。」

俺、貞操守って自害しかけて、実はこれが結果とか。

「分かりました。
 悲しいですけど、婚姻は解除しましょう。
 お互いのためです。
 ね?」

にっこり笑って言えた。
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔女の呪いで男を手懐けられるようになってしまった俺

ウミガメ
BL
魔女の呪いで余命が"1年"になってしまった俺。 その代わりに『触れた男を例外なく全員"好き"にさせてしまう』チート能力を得た。 呪いを解くためには男からの"真実の愛"を手に入れなければならない……!? 果たして失った生命を取り戻すことはできるのか……! 男たちとのラブでムフフな冒険が今始まる(?) ~~~~ 主人公総攻めのBLです。 一部に性的な表現を含むことがあります。要素を含む場合「★」をつけておりますが、苦手な方はご注意ください。 ※この小説は他サイトとの重複掲載をしております。ご了承ください。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...