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異世界家族
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しおりを挟む「おかあさま、これからはずっと
ライと一緒にいてくれますか?」
ライカスが俺の帰りを待って、カスティアの手から駆け出してきた。
我が子ながら美形で可愛い。
「いるよー
みんなで一緒にお風呂入って、ご飯食べてネンネしようね」
「はい!!」
カスティアが、ニコニコしながら食事の支度や、お風呂の準備を侍女や侍従たちに言いつけた。
「カスティア、いつもありがとう。」
「アキ様、私はお支えできて、存外の幸せですから。」
カスティアに支えられたこの生活が、俺には絶対に手放せないものになっている。
ほんの少しの間に手放せないものばかりが増えて、この世界に転生出来て本当に良かった。
なんて言っても本当の家族に会えたんだもん、最高だよ。
でも、さっきの白い顔色は身に覚えあり?
それとも、ただ怖くなっただけ?
「おかあさま!
早く!早くー!」
手を引っ張るライカスに思考は中断された。
ライカスが子供らしく走り回るのは、この所の陰鬱な事象を払拭するものだった。
ライカスを抱っこして浴室に入ると、中が日本の温泉宿風な作りに変えられていた。
「これ、どうしたの
凄い、雑誌で見たことある様な温泉旅館の露天風呂だよ~」
「ライがね、フィルに聞いて
おかあさまの好きそうな事を教えてもらって、ライが作ったの」
「ライが作ったの?!」
「うん!
おかあさまの為に
父上の為じゃ無いんですけど!」
後ろに向かって黒い笑顔を向けて、タロー様を牽制した。
「タロー様!
いつから?」
「今し方だな。
ライカスめ、油断も隙もない」
「おかあさまの髪と背中洗ってあげます!」
「待て待て、ライカス!
アキは私しか触ってはいかん!」
「べーっ
おかあさまに、抱っこして貰いましたから!
もう、いっぱい触っちゃったもんねー!」
二人して、俺の周りをぐるぐる走って追いかけっこ状態だし。
「二人とも!
良い加減にしなさい!!!
転びますよ!!!」
「あ!」
危ない!!
ライカスが転び頭を打ちそうになった時、タロー様が間一髪抱き止めた。
「ライカス!
お父様にごめんなさいとありがとうは?!」
「ふ、ぇぇ、う
ちちうぇ、ごめんなさーい
うっうっ、あり、がとう
うぁーん」
中身は幼児だもんなー
「ライカス、走ってはいけない、
わかった?」
「うっ、ん」
「お風呂場では走ってはいけない、
はい、ちゃんと言って」
「お風呂場で、走ってはいけない」
「わかったよね、良い子」
「おかあさま、ごめんなさい」
「タロー様も、子供相手になにやってるんですか、もう」
「いや、さ
ライカスが大人になったら、
絶対、アキを口説きにくるから、
今のうちに、こう、力関係をはっきりさせておいた方がいいと、」
「あー、はいはい
お風呂はいりましょう」
掛け湯をして、ライカスを抱っこして入ろうとしたら、後ろからタロー様が俺を抱っこして入ってきた。
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