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異世界家族
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しおりを挟むタロー様に背中を抱かれて、前にはライカスがいて、普通の家族の幸せがあった。
「ねぇ、タロー様
俺ね、初めて家族と温泉入るんですよ。
と言うか、家族って単位が初めての事だらけで、それが凄く幸せなんです。」
「アキ、私も家族は初めてだな。
シムラクルムは兄弟だが、
こう言うものとは大分違うからな。」
「ふふ、初めての家族ですね」
ライカスが、アヒルのおもちゃを持ち込んでいて、ビックリした。
「ライカス、これ、どうしたの?」
「えっと、起きたらありました。」
こちらの世界には無いゴムとかビニールは、向こうから持ち込まないと俺でも出せない。
まして、アヒルなんてこの世界にはいないから。
「タロー様!
侵入者です!」
「なに?!
結界に異変は無かった、どう言う事だ?」
ライカスを抱き上げ、急いで湯船から上がると、控えていたカスティアにライカスを預け、戦闘態勢を取らせるように指示を出した。
この結界にも反応せず入れるものは余程の手練れか、直接この中に転移して来たか。
それでも、何らかの反応はあるはず。
「ライカス様の部屋を虱潰しに確認後、不審な物や見覚えの無いものはこちらの方へ集める事!
さあ、行きなさい!」
カスティアの指示で、侍女や侍従たちが走り出した。
屋敷の中も同じように、総出で探索をする事になった。
「ライカス、教えて
そのおもちゃ、何でお風呂に持って来ようと思ったの?」
使い方と言うか、遊び方を知ってるとは思えない。
「起きた時にいたおじさんが教えてくれました。
おかあさまにそっくりな人でした。」
「えぇ?!」
それ、解叔父さんしかいないじゃん!!
神様が連れてきたとかなら、確かに結界は反応しないかも。
「タロー様、神様呼んで」
「お、おう」
「では私めが」
カスティアが魔蝶を作り出し、神様に取り次いでもらうように、精霊王へと送った。
向こうも予測していたのか、すぐに現れた。
「アキ、来たよ~」
「神様、解叔父さんが来てますよね?
そして、勝手にライカスに会わせましたね?」
「やだ、アキが怒ってる~」
わざと、オネェみたいな喋り方をする。
「シムラクルム、どう言う事だ?」
タロー様もイラついている。
「向こうの世界の方で、解がまた殺されかけたから、連れてきた。
落ち着くまでは、こちらに滞在する」
滞在は構わないけど、殺されかけたって!?
「飛島絡み、ですか?」
「そうだ。
アキの死亡届を作って遺産を手に入れたようだ。」
「向こうの世界では成人したから?」
「そうだ。
適当な医者を抱き込んだか、元々か。
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