神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界家族

4

だから、神様はお母さんに早くと言っていたのか。


「解叔父さんは、お母さんの所にいるんですね？」

何でちゃんと言ってくれなかったんだ！
飛島の事なら、俺だって、いや、むしろ俺がやらなきゃいけないのに！

「アキ、解はいま療養をしている。
　一目、ライカスに会いたいと無理をしてここへ来たから。」

「どう言う事？
　解叔父さん、危ないの？」

神様の言葉から、殺されかけたと言うより、死にかけてるとしか受け取れなかった。

「タロー様、ごめん、俺！
　今すぐに行く！
　俺なら癒せるかもしれない！」

神様が助けられないのに、俺が行ってどうにかなるのか、と問われれば分からないけど、治癒魔法を使ってるのだろうか？

毒とか？

嫌な考えや可能性が頭を過ぎる。

「アキ、私も行こう。
　カスティア、ライカスも連れて一緒に来てくれ。」

「御意」

カスティアがライカスを抱き上げ、俺たちと神様の結界内のお母さんのところへ移動した。







お母さんの住まいは、俺が作った平家のあの家をそのまま使ってた。
俺が出したのは、多分、もう消えてるだろうけど、神様の結界内のはリンクした作りだけど、神様が作り上げているからちゃんと残ってる。


平家の引き戸を開け、中に入ると外からは分からない長い廊下や、部屋がありその一室に解叔父さんがベッドに寝ていた。

「叔父さん！！」

駆け寄ると、薄ら目を開けて俺を見た。

「亜希くん、こんな姿でごめんね」

どう言う事？

「亜希、解は爆発物を送られて
　右腕を肘から失くしてしまったの。」

「姉さん、元々、ポンコツな手だったんだから、大した事ないよ。
　一志も侑士も海江田も無事で良かったよ。」

「私が、笙野となんか！」※1
「姉さん！！
　ダメだよ！
　元々は、本田と笙野のトラブルだったんだ。
　巻き込まれたのは、亜希だ。
　間違えちゃいけないよ？」

解叔父さんは、凄く冷静だった。
腕を失ってるのに。

「被害者は亜希だ。
　俺たちは、自ら関わりを持ち、争い、今この状態だけど、亜希は違うだろ？
　その責任を取るのは、俺たちなんだから。」

飛島のやり方が酷くて、お父さんだって言う笙野家の人間が憎くて、酷い顔をしていたと思う。

「アキ、私たちができる事がある。
　なあ、シムラクルム、それでなるべく早くだったんだろ？」

「そうなんだ、オプスクリタス
　解の腕を作ってくれないか？」

「アキと作ろう。」

「アキ、私は命を作り替える事は出来ても、すでにある命や形を作る事は出来ないんだ。
　それは死を司る闇の神がやる事だから。
　アキを神獣にした様に、生まれなおす事はできる。
　だが、それは今の人生を終わらせないといけない。
　まだ、解は人生を終わらせるわけにはいかないのさ。
　向こうで、番いが待ってるからな。」

どこか寂し気に神様が告げた。




※1 モテないゲイは、魔法使いを目指す！参照