神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界家族

5

タロー様が腕を作るのに、お母さんの体を作った要領でと言った。

「もう、いっそ、こっちで暮らせば」
「アキ！！」

ビクッ！

いつになく、神様が真剣に声を荒げた。

「ごめんなさい」

人を入れすぎる事は出来ない。
それに解叔父さんには向こうで待つ人がいる。

「おじさまは、ライのおじさまなのですか？」

カスティアに抱かれていたライカスが、その腕から下りて、解叔父さんの腕がない右側に近づいた。

「ふふ、ライくんの大叔父さんになるね」

「ふぉ～、おおおじさまなら
　すっごく、大きいのですねー」

「亜希によく似てる
　可愛い子を産んだね、いい子だ」

「ライの大っきいおじさまなら、ライも治します！」

ライカスが、無いはずの右腕を形がある様に触って見せると、綺麗な手が出来上がった。

「え？」

「そんで、そんで、お背中の傷もキレイにして、頭のお絵かきは描き直す？ですか？」

「あ、え？
　えぇ？」

あっという間に、ライカスが腕を作り上げて、と言うか再生してしまった。
ちゃんと動いてるし、前の指先が動かないとか、握力がないとかそんなのも、全て回復してた。

「ライのおもちゃ、ありがとうございました。
　だから、ライからのお礼です！
　大っきいおじさまが、早くおっきくなりますよーに！」

みんなが驚くやら、嬉しいやら、爆笑するやら、一気に明るくなった。

「改めて、解叔父さん、息子のライカスです。
まだ、生まれたてなんだけど、見た目は5歳くらいで」

ちょっと苦笑いしながら、まあ、こんな成長するみたいと濁しておいた。

「ライくん、俺は、本田解さとるだよ
　ライくんのおばあちゃんの弟、姉弟なんだ」　

「ライにはおばあさまもいるの？」

「亜希ったら酷いわ
　私がライくんのおばあちゃまよ。
　お母さんから一足飛びにおばあちゃまになっちゃったわ」

お母さんは、解叔父さんの体が治った事を喜びながら、戯けて見せた。

「ライカス、大叔父様は、叔父さんの更に上って意味だよ。
　だからね、大っきい訳じゃないんだよ。」

多分ね。

上も下もないけど、日本のと言うか、向こうの等親の話をしても、あんまり意味がないだろうから、そう説明した方がライカスには分かるかと思った。
それに俺自身、実はイマイチ。

従兄弟、再従兄弟くらいまでしか認識はないから。
大体、家族の繋がりなんかなかったし、知識としてしか意味がないから、いまは、家族という単位で十分だった。

「ね、みんな家族だから。
　カスティアも、俺の家族だよ。
　すごい、大家族
　ライカスにはお兄ちゃん達も沢山いるし、いいねー」

俺がそう言うと、頬っぺたを膨らませて弟がいない、と言い出した。

「ライもお兄ちゃんになりたい！
　みんなは、ライがいるからお兄ちゃんになれたのに、ライもお兄ちゃんになる！」

何となく正論臭いけど、屁理屈な気もして、何だそりゃ、でした。