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異世界家族
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しおりを挟むライカスが期待に満ちた顔で卵を見つめていた。
「卵の中は双子ちゃんですね~」
「え!!!?」
ライカスが言うんだから双子なんだろう。
「アキ、これは二つの卵がくっついてるのか?」
「そうなんでしょうか?」
神様とお母さんが、お茶をしながら双子ですって、とのんびりモードだ。
「神様、解叔父さんたちはどうなってます?
喚べそうですか?」
「ん、アキの為に急ぎ用意をしておるそうだ。
今回は櫂砥も来れそうだよ。
ただ、魂だけだ。
少し早いけど、櫂砥はこちらの世界に転生させるかい?」
まだ、早い。
もう一つのあちらの世界を整備したいから。
それなら、お母さんの時と同じように、入れ物を作って待っていてもらうか。
「神様、魂ということは、櫂砥さんはすでに?」
「寿命だ。
なにせ、一志の父親だしな」
「一志さんて、解叔父さんの旦那様ですよね?
櫂砥さんは義父ってことですか?」
「う~ん、解はさ、櫂砥を含めて全員が旦那なんだよ。
あの容姿だし、おっと、アキも同じだな。
だから、解に似てるお前が私も伴侶に加えてくれるかと思ったのだがな」
最後は少し寂し気だった。
揶揄われているんだとばかり思っていた。
「神様、櫂砥さんの転生はもう一つの世界の整備が済んでからにしましょう
タロー様とルールを作るように、今、話し合いをしています。
時間の流れを変えることなど、もう少し時間をください。
その間、こちらで器を作って待っていてもらいましょう。
それなら、神様も安心でしょ?」
なんとなく、神様にとって櫂砥さんは解叔父さんとは違う意味で特別なようだった。
「そうか、そうだな。
ありがとう、アキ」
あのラエヴの一件依頼、神様は気落ちしてるようだった。
気になるなら会いに行けばいいのに。
「お母さま、ライはいつお兄ちゃんになれますか?」
「そうだね、もうすぐかな」
「いつ!?
明日?」
ふふふ、これ、俺の癖と同じだ。
それを聞いていたタロー様も同じように思ったみたいで、アキにそっくりだと笑った。
姿はどちらかと言えば、タロー様そっくりなんだけどね。
解叔父さんたちの準備が整ったと連絡が入り、こちらへ喚ぶ直前に櫂砥さんの魂が神様の手によって運ばれてきた。
「櫂砥は私が迎えに行った。
後から解たちが来る。」
死に際に立ち会ったのか。
ほんの少し、神様の泣きそうな顔を見た気がした。
お母さんもあのまま家に滞在してもらって、ライカスと俺と遊んでもらったりしながら過ごしていた。
「アキ、解にとって、櫂砥さんも大事な旦那様で、本当につらくて傷ついたとき助けてくれた方だったのよ
前にうまく手が動かなくなった事件の時に、本当に立ち直らせてくれた人なの。」
そう教えられて、たぶん神様にとっては良いライバルだったのだろう。
ほどなく、解叔父さんと一志さん、侑士さん、海江田さんが到着した。
手に、たくさんのお土産を持って。
えっと、これこっちに持って来て良かったのかな?
ライカスの服や、玩具、子供用食器とか、もう、たくさんあった。
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