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異世界家族
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しおりを挟む翼の中は光で満たされ、双子は俺に抱きつく様に魔力を吸収し始めた。
「お母さま、きらいだよ!
俺たちに笑ってくれなかった!
だから、早く大きくなって、お父様とお兄様の伴侶になるんだから、魔力、寄越してよ!」
「ごめんね、
ライカスにばかり目がいってたから、
俺がお前たちに嫌われても仕方ないけど、俺はお前たちが大好きだし、愛してるよ。
ふふ、可愛い。
大きくなっても、俺の可愛い我が子だ。
小さい子供の時間を楽しんで欲しかったなあ
あと、俺とも一緒にお風呂でアヒルとかと遊んで欲しかったなぁ」
「アヒル?ってなぁに?」
「黄色い鳥のオモチャで、こっちの世界には無いものだよ。
俺がいた世界のオモチャだから特別だね。
それに大叔父様たちが、二人のために沢山のオモチャや、お洋服も持ってきてくれてるよ」
「特別!
特別なの?」
「そうだよ、二人は特別だよ」
「お、母様にとって、俺たちは
特別?」
「素晴らしく特別に決まってるよ!
奇跡なんだから!」
二人は吸収していた魔力を俺に返し始めた。
「魔力は、いらないの?」
「いらない、お母さまの特別なら
俺たち、赤ちゃんの方がいいもん!」
「キイちゃん、カルちゃん、大好きだよ」
小さくなって行く二人を両腕で抱きしめると、嬉しそうに頬擦りをして、きゃっきゃと笑い始めた。
「お母さまは、俺たちが好き?」
「大好きだよ、可愛い子たち」
「俺たちもだあいすき」
真名を与えた時よりも小さい赤ちゃんになって、俺の腕で笑っていた。
抱きしめていた翼を開くと、ライカスもタロー様も神様、お母さんも叔父さんたちも心配そうに固唾を飲んで待っていた。
「アキ、体は?
双子は、なんで、」
タロー様が呆然と赤ちゃんになってる二人を見つめていた。
「拗ねていたようですよ、二人は」
笑いながら、二人を見ると、きゃっきゃと笑いながら拙い言葉で、大好きと言ってくれた。
「ライカスにヤキモチを妬いて、
俺が笑ってくれなかったって。」
「双子は、難しい子なのか?」
情けない顔をしたタロー様に笑ってしまった。
「兄弟がいればそんなものですよ
ただ、拗ね方がちょっとだけ、行き過ぎてた感じね。」
お母さんが、孫を可愛がるおばあちゃんの顔で言ってくれた。
「アキは立派なお母さんだね
子育ては大変だからね」
櫂砥さんが経験者の重みのある言葉をくれた。
俺はライカスを育てると言うより、ライカスが自分で俺のために育ってくれたって言うのが正解なんだけどな。
「キイちゃん、カルちゃん、おばあちゃんですよ~」
お母さんに二人を抱っこしてもらったら、笑いながらばあば、ばあば、と呼んですりすりと甘えていた。
「あらあら、可愛い子達だこと。
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タロー様が意外に人気がダダ下がりなのが、ちょっと哀れでした。
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