神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界家族

34

ぎゃー！！！！

「いたーい！！！
　ごめんなさーいぃぃぃ！！！」

お尻割れちゃうよ～

キクロスとカエルムがライカスとタロー様からそれぞれ1回ずつ叩かれた。
公平を期すために交換されて、お尻を叩かれていた。

「お前ら、本当ならもっと叩くところだが、
　初回限定で1回ずつにした。
　次にやったら、腫れるどころじゃない数を打つからな」

えぐえぐと泣きながら俺のところに来て、足にしがみつきながら、ママごめんなさいと言った。

俺もちゃんとしないといけない。

「叩かれる前に、俺もお前たちを注意しないといけなかった。
　痛い思いをさせて、ごめんね」

「お母様は優しすぎます。」

甘いなって俺も思った。

「ママは悪くないの、キイちゃんとカルちゃんがいけないの！
　お兄様、ママを怒ったら、メッなの！
　うゎ～ん！！！」

あらら、ちゃんと善悪の判断はできてるし、気を引き締めようと思いながら双子の頭を撫でた。

「ライカスは、子供に戻らないの？」

いつもなら、甘えて子供になるのに、今のところ戻る気配がない。

「ライバルが増えてしまったので、子供作戦は止めます。
　兄として、可愛がってやろうと思っていたのに、チッ！」

ちょ、ちょっと！！
舌打ちしたよ、この子！

「ライバルって、ライカスの伴侶になるって言ってたじゃない
　ライバルじゃなくて、うーん、、おっかけ？
　ちがうなぁ
　押しかけ女房！
　かな？」

それも違う気がする。
語彙が足りない。

うーんって考えてったら双子たちがもうケロッと泣き止んでた。

「ママ、俺たちはママの伴侶になるって決めたから！」

おいおい、このパターン。

「だから言ったでしょ、こいつら
　気を惹きたくてやったんですよ。」

「ふふふ、ライカスも小っちゃい頃、
　こんなだったよね。
　可愛いとしか思えないし、俺にはタロー様だけだから」

黙ってやり取りを見ていた櫂砥さんが、笑いながら解と同じだなって言った。
いやいや、おれ、叔父さんみたいに何人も同時になんて不器用だからできないよ。

「アキは私だけのもだ。
　誰かと分け合う気はない。
　ライカス、お前ともだ。
　双子も、胆に銘じておけ。」

タロー様が大人気なく牽制してるけど、俺だってタロー様を誰かと分け合う気はないし、ライカスはどこまでいっても俺の可愛い子供だし、双子もきっとそれぞれ素敵な人を見つけると信じてるから。

「ふふふ、俺だっていやですよ。
　誰かとなんてね」

みんなが笑って暮らせるのが、俺の希望だからね。

櫂砥さんの再生もできたけど、さすがに神様のところに向こうの世界の人間が集まりすぎるのはよくない、という事で、櫂砥さんは俺たちの支配地へ移動することにした。
双子のお披露目？というか騒動も収まったし、あとは叔父さん達の問題が解決してくれればいいな。

たくさんのお土産と、子供たちへのおもちゃを置いて、日本の世界へ帰って行った。




そろそろお暇しようって話していたら、神様がもじもじと人にしたラエヴの事を言い出した。
もしかして、これ、ずっと言いたかったとか？
だから、俺をこっちで休めとか言ったの？

なんか、可愛いんですけど。

「アキ、私は一度、ラエヴと話して来ようと思ってるんだが、
　その場所を、向こうの世界では難しいだろうか？」

「タロー様どうしますか？」

「シムラクルム次第じゃないか？
　向こうはだいぶ造り替えられているし、精霊神もいるしな。
　ただ、造り替えてるところだから、向こうで魔法の力はなるべく使わないで欲しい」

ラエヴの様な失敗はしたくないから。