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異世界家族
46 完結
しおりを挟むラエヴとシムラクルムでタロー様が表裏神を創った。
俺はその力を支え、タロー様に与える事で二人を向こうへと転生させた。
表裏一体の神にする事で、精霊神とは全く違う位置へと昇華させた。
力の均衡をはかり、担う範囲も対極にした。
時間の流れや、生命の終わりと始まり、夜が明け日が沈む理を二人が担うようにした。
そして、うちの双子神がこの二人の下で地上のありとあらゆる理を監視し、精霊神が魔力や魔法の世界を監視するようにした。
そして、少し特殊な向こうの世界に住む住人も、少し特殊な生まれや人が軋轢もなく暮らせるような世界になった。
俺のお母さん、櫂砥叔父さん、そしてフィル。
これからは間違いなく、解叔父さんとその伴侶たち一志さんや、侑士さん、海江田さんも来るだろう。
どちらかというと、タロー様が俺の為に世界の理を作り直してくれたというのが正しいと思う。
自分の為もあったとは思うけど、兄弟神のシムラクルムが人になるくらいなら、と言うのが多分強い。
だって、今まで永遠に生きることが当たり前で、側にいることも同じ世界で何をやっていても自分の一部だったのが、分離して全く別な者になってしまったら、タロー様の心は寂しくて仕方無かったと思う。
アウィスは俺たちの世界で少し魔力の強い人間として宝飾品を扱うことで人として生きることを望んだ。
まさか、アウィスの方が邪神だったなんて知らなかったから、てっきり同じような神じゃなくても力を持ちたいと思うかと思ったんだ。
答えは違った。
「ボクは今まで邪神でワガママで、欲望に忠実だったけど
人になって誰かの為に加護を付与して欲しいと頼まれたり、感謝されることがこんなに気持ちいいことだって知ったんだ。
だから、ここでこのまま生きていたい。
兄さんもシムラクルムと好きに生きてくれたらそれでいい
いつか二人の元へ生まれ直したら、きっと、2人を愛するよ。」
スッキリしたいい笑顔のアウィスに、前を向いて生きてることが幸せだと告げられた。
そしてさ、ほんと、望んでなかったって言うか、あんまり気にしてなかったんだけど、お母さんの旦那さん、つまり俺のお父さんの魂が今どこにあるかタロー様とライカスで探してくれていたんだ。
正直、どうでも良かったんだけど。
だって、お父さんだよ?
お母さんとお父さんだったら、お母さんの方が大事だもん!
でも、お母さんは一人で寂しかったかもしれない。
俺にはタロー様や子供たち、他のみんなと一緒にいられたけど。
だから、お父さんを探してきたって。
そんで、そんで、俺のおばあちゃんも!
まだ転生前で魂のままだったから探しやすかったとか、なんとか。
あのね、こんな勝手に自分の都合で色々良いのかな?
一応、神様だし、ダメじゃないのってみんなに聞いた。
「バカだな、アキちゃん
この世界は無理でも
お前たちが造った向こうなら何でもアリだろ?
それに、日本でどれだけ酷い思いしたか知ってる俺としては
オプスクリタス様に、よくやった!って手放しで褒めてやりたいわ。
俺も向こうの世界に行くけど、
特別枠を用意してくれてるみたいだし、これからの長い時間をよろしくな」
フィルも向こうへ行く。
今のこの世界には精霊王たちと俺たち親子三人以外にいなくなるんだ。
最初の理に戻る。
神が二人、神獣が一人、そして精霊王が七人。
それでこの世界はバランスを保つから。
ただ、これからは余り向こうの世界へ頻繁に行くことはできなくなる。
しっかりした神の統治下に入ると力のバランスが壊れてしまう可能性があるから。
向こうへみんなが行く前に、おばあちゃんとお父さんに会った。
おばあちゃんは一番きれいな頃の姿で全然おばあちゃんらしくなくて、お母さんと姉妹みたいだった。
そして、同じように強いんだ。
お父さんは笙野の人間にしては、穏やかで気の小さい人だとか言ってお母さんが引っ張っていた。
「おばあちゃん、初めまして
アキです。」
「あらあら、まぁ、こげん綺麗な子産んだんね。
私の二人目の孫やけん
嬉しいわぁ
解にそっくりやないの。
悪い虫がすぐつきそうやね~」
「あの、俺、もう伴侶がいて…」
「え!!?」
お父さんとおばあちゃんが声を揃えた。
「オプスクリタスと申します。
おばあ様、御父上
アキを大切に護ります」
「そうね、そうなんね」
ニコニコ笑うおばあちゃんにほっとしたら、いきなり綺麗な正拳突きがタロー様の鳩尾にクリーンヒットした。
「ごっふぅ!」
「伴家の通過儀礼や
鉄拳制裁で許したるわ」
あっという間だった。
え?
えぇ?
えー!!!
「亜希、これね、伴家の洗礼なのよ
解の所の櫂砥さんもみんなこれ受けてるから。
ちなみに私も、してるからね」
え?
タロー様も?
「私も母君から制裁を受けた。
はっきり言って、人間にしておくのは惜しいほどだったから
ちょーっと、改造しちゃったけど」
はぁ?ナニそれ
「亜希がね、お母さんを迎えに来てくれて
眠り続けたじゃない?
あの時目が覚めた後、鉄拳制裁したわ」
「改造ってなに?」
「今の神の護衛やら衛兵やらの部隊を訓練してるのは
母君だ
だから身体能力を強化した。」
「は、え?」
「あははは、そうね
まぁ伴家はみんな格闘技をやっとうとよ
せやから、お手のもんやね」
おばあちゃん、そんな軽く。
ちゃんと家族で育ってたら、きっともっと楽しい思い出があったのに、とかちょっと恨めしく思ったのは内緒だ。
俺に家族がいるなんて、こっちくるまで知らなかった。
そして、その家族をくれたタロー様に神様、精霊王たちに可愛い子供たち。
お母さんや叔父さん達も大事だけど、やっぱりタロー様が一番だよ。
ライカスとタロー様の世界で俺はこれからも神獣をやりながら家族を愛していきます。
みんなを向こうの世界に送って、笑って、泣いて、また会う約束をして、これからもこの世界で生きる俺たちをよろしくね。
これで、本編は簡潔になります。
長い間、ありがとうございました。
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彩斗さま
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