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天界革命

ザキエル

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拳に青筋を浮かべたウリエルと、ものすごく目が笑っていないミカエルが、面白いほど綺麗に揃って、拳と蹴りをそれぞれが力天使にいれた。

「ぐっ、ふぅ!」

全くモーションが見えなかった。
本気とは言えないけど、巫山戯てと言うには威力は強すぎるし、とっさにジョシーが俺を庇う様に前に出ていたのもビックリだった。

「ちょ、ちょっと!」

「下がって、イズ様!!」

力天使と上級天使のジョフィエルは階級的にはジョフィエルの方が下位になる。
だが、ジョフィエルは能天使として悪魔と闘うと言う部分では力天使よりは実践に強いのかもしれない。

「ジョフィエル!
 良い判断だ!」

ミカエルが真面目な笑顔でジョフィエルを称賛した。

真面目な笑顔、うーん、いつものチャラい感じじゃなくね。

ただ、いくらハルカと繋がってたからと言って、ここまで敵視するのが分からなかった。

「酷くないですか?!
 私は、本当に!
 イズラエル様に心底惚れてるんです!!」

「イズは、私の伴侶と分かった上での言葉だな?!」

ウリエルは普段のバリトンより低い、バスと思えるほどの低音で、怒りを表していた。

「そうですねー、イズラエル様が私を選んでくださる日があるように、努力いたします。」

ヘラヘラと掴みどころのない態度で、本気とも思えないような、大胆な事を言ってのけた。
その態度が更にウリエルの神経を逆撫でしているのが明白なのに、止めようとしない。

「我らの指導者ミカエル様は、お分かりかと思われますが、私はあの時よりイズラエル様をお慕いしているのです。」

恍惚とした表情で、力天使は俺に向かって言った。
あの時って、背中を刺されたとき?
この人はちゃんと罪を自ら申し出て、ちゃんとした人のはずだから、この変わりようは違和感があった。

「お名前を、教えてください」
「イズ様!」

ジョフィエルの後ろから一歩出て、力天使に名前を聞いた。

「イズラエル様
 私の名は、ザキエルと申します。
 力天使として、高潔を美徳とし、奇跡を司っております。」

さっきまでの神経を逆撫でするような軽さはどこにも無く、まるで貴族の様に優雅に膝をついて礼を取った。
ギャングから、貴族のそれへと早変わりした。

「いい演技だったな、ザキエル」

「いえいえ、ミカエル様
 本音を出しただけでございます。
 ですが、御二方の攻撃は避け切れず、
 情けない食らい方をしてしまいました。」

ミカエルとザキエルは笑い合いながら、今までの事をバラしていた。

「ミーカーエールー!
 どう言う事だ!!」
「ミカエル様!
 一体?!」

ウリエルとジョフィエルが、マジギレしそうです。
ミカエル、何のためか分からないけど、やり過ぎですよ。

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