子豚のワルツ

ビーバー父さん

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咲季※※ 本編完結です。

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エストゥールの笑顔はこの先、シュリが守るのだろう。

「母様、ありがとう。」

エリュがギュッと抱きついて、小さな声でエスラとしてもね、と囁いた。

え!

エリュはクスッと笑ってシーっと指を口に当てた。

いつから?
もしかして、トルクのスキルのせい?
あー、それで引き継いじゃったのかー。

それでも笑うエストゥールを強いなあ、なんて感心した。






二人は今夜から同じ部屋になって、気持ち的には少し複雑だった。

「咲季、私の家名の話だけど…」

「はい?
 あぁ、僕は家名が無いそうなので
 どうでも良いです。」

「いや、それは違う」

「教えてもらってなかったし、幻覚とは言えロゲル兄様と、てしまいました。
 ですから、伴侶を解消されても仕方ないと思っています。」

抱えていた気持ちを吐いてみた。

「咲季、言いたい事は分かるけど、
 幻覚だったわけだし、それに関して私は気にしないとは言わないけど、それよりももっと、現実の方が良いと言わせたい。
 私が嫌いなら、諦めるしか無いけど」

「嫌いなんてならない!
 でも、自分が許せないんだ。」

「気持ちよかったから?」

頷くしかなかった。
何が許せないって、気持ち良かったから。

「それは、ロゲル兄上の触り方だった?
 私と比べて、どうだった?」

そう聞かれたら、トルクの触り方で、これがトルクなら良いのにって思ったんだった。

「トルクみたいだった。
 だから、トルクじゃ無いのに、感じてしまったのが、嫌だった。」

「それは、私の体を咲季が覚えてくれてたからだよ。
 私のね」

「でも、だからって」

「試してみたら分かるよ」 

トルクが僕を抱きしめてキスをした。
深く舌が絡め取られるような、愛されてると思えるキス。

「幻覚ではキスをしなかった?」

「し、たよ」

だからって罪悪感が消えるわけじゃない。

「なら、舐めたりされた?」

「う、ん
 された」

それは僕が、催促してるみたいで恥ずかしかった。

「これは比べて欲しい訳じゃない。
 咲季を抱いているのは、私だと確認して欲しいだけだ。
 幻覚だろうが何だろうが、求めたのは私だ。
 私の愛撫、私のペニス、それを求めたのなら、私に取っては、問題ない。
 愛してるんだ。」

「僕も愛してるよ、でも!」

「なら良い。
 愛してるのは咲季だけだ。」

強く抱きしめられ、首を上向きに固定されて、嬲るように激しく全てを飲み込むようにキスをされ、服をたくし上げられて、乳首を摘まれた。

「んぅ、あ、あ、ん」

久々の感覚は、幻覚の比じゃなかった。
痺れるような痛みと、快感が腰からお尻、おちんちんまで、ピリッと走り抜ける。

「はぁはぁ、咲季
 乳首も、ペニスも私のものだ。
 気持ち良さを与えてあげられるのは、私だけだ。
 ほら、こんなに欲しくて、だらしなく涎を垂らしてる。」

僕のおちんちんが、布越しでも分かるくらい、先を濡らした。
粘りつく透明な液体が、沁みを作って色を変えた。

「あ、や
 ん、ぁ、もっと、して」

「咲季は誰のもの?」 

「トルクのもの、だよ」

「ね、答えは簡単だ。
 私が咲季を離さないと決めた。
 だから、離れないで」

「うん、トルク、好き」

ぐぢゅぐぢゅにされた乳首と、自分の先走りでアナルまで濡らして、穴を弄ってもらいたくて、自分からお尻を広げた。

「ここ、シて」

トルクの長い指が口に入り、舐めさせられた。
 
くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃと、その指を濡らした。
その間、トルクはずっと僕を上から見ていて、怒っているのか、黙っているから怖くなった。
アナルを解す間も無言で、僕は悲しくもなったけど、不安が強くなった。

「トルク、僕の事好き?」

「好きだよ。
 長い生涯で絶対に離さない自信がある。」

そう言うと僕に膝を抱えさせて、大きく硬いペニスをあてがって、柔らかくなってるアナルに侵入してきた。

ぐっちゅん!

一気に貫かれて、声を上げるより、はくはくと息をするのに必死になった。

「咲季、これはお仕置き。
 私はお前しか愛さない。
 それをちゃんと覚えていて。
 何があっても、だ
 分かった?」

その言葉でやっと、安心した。
僕はちゃんと怒られたかったんだ。
この罪悪感を晒して、責めて欲しかったんだ。

「うん、うん、ごめんなさい!
 僕、トルクから離れたくない!」

「当たり前だよ
 愛してるんだからね」

「僕も愛してる」

確かめ合って、お腹の中にいるペニスが抽送を始めた。

ぐちゅ、ぐちゅ、ぱちゅん、ぱちゅん!
ぱん!ぱん!ぱん!

「あああー、あっ、あん、あん、あん!!」

足を思いっきり開かされて、お尻と脚の付け根に、トルクの腰骨が痛いほど当たる。
それでも、中の奥はもどかしくて、キュッと締め付けた。

「うお!
 咲季、中、足りない?」

「もっと、奥、グチャグチャに掻き回してぇ」

鼻にかかった甘えた声で、自分でも驚く言葉を口にした。

「ふふ、咲季、随分エロくなった。
 これ好き?」

奥をグリッと捏ねる。

「うん、好き!
 気持ちいいの!」

そう答えると、グリグリしながらどんどん奥へ、そして形が変わるのが分かった。
抱きしめられる腕も体も、ふかふかの白い毛並みに包まれて、中を擦るペニスはゴツゴツとした棘にもにた突起が余計に気持ちよくて、僕は何度もナカイキした。

「おぅ、ぐ、あぁぁ、んん」

激しい快感は、可愛い喘ぎじゃ無くなり、いやらしく本能のまま、出す声に変わっていた。

ごりゅごりゅと中を擦りながら、激しい抽送に体ごと持っていかれ、口からだらしなく涎を出し、おぐ、ぐぁ、とかそんな嬌声を上げては、僕のおちんちんは、液体をぴゅる、と吐き出して、出すものがサラサラな液体になって潮を吹いた事が分かった。
トルクの毛皮もビシャビシャに濡らし、放心した様な状態で、ただ体を揺さぶり続けるトルクに抱き起こされて、その膝に座らされた。

下からゴツゴツと乱暴に突き上げられ、快感と言う拷問で意識は飛んだ。

獣化したトルクは多少、理性が飛ぶのか意識のない僕の体を、ずっと掘り続けていたみたいで、目覚めてなお、お尻にペニスが入っていた。

「あ、あん」

「おはよう、咲季」

「おはよ」

声もガラガラで、お尻は感覚がおかしくて、これ前にも経験した。
挿れっぱなしだ。

「ね、咲季、分かってくれたよね?」

「うん、ごめんなさい。
 だから、抜いて、ね?」

ズルッと抜けて、最後の一突きとばかりに最奥に精液が出されたのが分かった。

「あああ!!」

こんな幸せがあるのだと、思った。
この世界に来て、たくさんの事があったけど、豚でも愛されるんだ、と教えてくれたトルクとこのまま、生涯を共にしよう。
まるで二人でクルクルと踊るワルツのように、一生二人で手を取り合うんだ。

子豚とワルツを踊る白豹を想像して、クスクスと笑うと、トルクが咲季をずっと笑わせてあげるよ、って囁かれて、宜しくね、とキスをした。


本編完結です。

長々とありがとうございました。
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