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俺は煌夜と合流し治療所へ向かいながら、他愛ない話をしていた時、ふと昨日湊斗が言っていた俺たちの情報が入っていないことについて聞くことにした。
「そういえば、昨日湊斗から俺たちの情報が報告されていないって言われたんだけど・・・」
「何?確か当日他の者が報告書を持っていったはずだが。俺はお前のとこにいたし、あの後の事は孝輔に任していたが報告書を見たぞ。」
「そうなの?でも知らなかったみたいで、昨日一から説明したんだけど・・・しかも冴島会計も月島を探していたらしい」
何故?情報が伝わっていない?
「そうか。こちらでも一度確認しておく。」
「あぁ~もしかした湊斗から連絡来るかも、昨日するって言ってたし。まぁよろしく頼むわ」
「分かった。」
その後頭の包帯も取れ、顔の腫れも引いた月島と共に寮へと戻ってきた。
休日のため寮で会う生徒は少なかったが、それでも月島への目線は避けれなかった。月島の自室へと戻り俺は煌夜をコンビニに行かせ、月島と話をすることにした。
「大丈夫か?とりあえず今日は部屋から出づらいだろうから、適当に何か買いに行ってもらった」
「ありがと。助かる」
「あの後冴島から連絡は?」
月島は俯いたまま首を横に降った。
その様子を見て俺はあの日の事が伝わっていないと言うこと。冴島が探していたと言うことを伝えるべきか迷っていた。
「そっか。なぁ明日からどうする?傷が治るまで休むか?」
「いや、行くよ。やっぱり遠くからでも理巧さまを見たいし・・・」
そのしっかりとした月島の顔を見て、俺はやっぱり伝えることにした。
「分かった。実は昨日湊斗と会ったんだけど、俺らの事知らなかった。冴島さまも知らないと思う。探していたって」
「そぅ・・・。でも僕が隊長を辞めたこと伝わってると思う。それでも連絡がなかった・・・だからいいんだ。それが、あの人の答えだと思う」
そのまま黙ってしまった月島。気まずい沈黙の中、部屋のチャイムがなり煌夜が帰ってきた。そして月島が学園に戻ることを伝えた。
「分かった。しばらく生活しづらいだろうが、風紀のものをつけさせよう。」
「俺も一緒にいるよ。明日朝迎えに来るから」
それから俺たちは月島の部屋を出て別れた。
月島の様子を見て、俺はあんな風に割りきれるだろうか。この先湊斗と離れて遠くから見ることが出来るだろうか。そのままあの優しい湊斗の顔を思い出していた。
夕方になり、俺はコンビニへと向かった。そこで見てしまった。腕を組んで楽しそうに笑う2人の姿を・・・俺はその場から駆け出し自室へと戻った。部屋に入りその場でしゃがみこんでしまった。
どうして・・・なんで・・・
楽しそうに笑う湊斗の顔はいつも俺に向けられたものと一緒だった。そんな俺に追い討ちをかけるように亜蓮からメールがきた
≪さっき居たでしょ。もう動けるんだね。そうだ食堂で一緒にご飯食べない?≫
見ていた?湊斗も俺を見たのだろうか・・・2人の姿を見ながら飯なんて・・・
≪ごめん。体調が良くないから行けない。≫
俺はこの時無理にでも行けば良かった。そしたら誤解されることも疎まれることもなかった。
「そういえば、昨日湊斗から俺たちの情報が報告されていないって言われたんだけど・・・」
「何?確か当日他の者が報告書を持っていったはずだが。俺はお前のとこにいたし、あの後の事は孝輔に任していたが報告書を見たぞ。」
「そうなの?でも知らなかったみたいで、昨日一から説明したんだけど・・・しかも冴島会計も月島を探していたらしい」
何故?情報が伝わっていない?
「そうか。こちらでも一度確認しておく。」
「あぁ~もしかした湊斗から連絡来るかも、昨日するって言ってたし。まぁよろしく頼むわ」
「分かった。」
その後頭の包帯も取れ、顔の腫れも引いた月島と共に寮へと戻ってきた。
休日のため寮で会う生徒は少なかったが、それでも月島への目線は避けれなかった。月島の自室へと戻り俺は煌夜をコンビニに行かせ、月島と話をすることにした。
「大丈夫か?とりあえず今日は部屋から出づらいだろうから、適当に何か買いに行ってもらった」
「ありがと。助かる」
「あの後冴島から連絡は?」
月島は俯いたまま首を横に降った。
その様子を見て俺はあの日の事が伝わっていないと言うこと。冴島が探していたと言うことを伝えるべきか迷っていた。
「そっか。なぁ明日からどうする?傷が治るまで休むか?」
「いや、行くよ。やっぱり遠くからでも理巧さまを見たいし・・・」
そのしっかりとした月島の顔を見て、俺はやっぱり伝えることにした。
「分かった。実は昨日湊斗と会ったんだけど、俺らの事知らなかった。冴島さまも知らないと思う。探していたって」
「そぅ・・・。でも僕が隊長を辞めたこと伝わってると思う。それでも連絡がなかった・・・だからいいんだ。それが、あの人の答えだと思う」
そのまま黙ってしまった月島。気まずい沈黙の中、部屋のチャイムがなり煌夜が帰ってきた。そして月島が学園に戻ることを伝えた。
「分かった。しばらく生活しづらいだろうが、風紀のものをつけさせよう。」
「俺も一緒にいるよ。明日朝迎えに来るから」
それから俺たちは月島の部屋を出て別れた。
月島の様子を見て、俺はあんな風に割りきれるだろうか。この先湊斗と離れて遠くから見ることが出来るだろうか。そのままあの優しい湊斗の顔を思い出していた。
夕方になり、俺はコンビニへと向かった。そこで見てしまった。腕を組んで楽しそうに笑う2人の姿を・・・俺はその場から駆け出し自室へと戻った。部屋に入りその場でしゃがみこんでしまった。
どうして・・・なんで・・・
楽しそうに笑う湊斗の顔はいつも俺に向けられたものと一緒だった。そんな俺に追い討ちをかけるように亜蓮からメールがきた
≪さっき居たでしょ。もう動けるんだね。そうだ食堂で一緒にご飯食べない?≫
見ていた?湊斗も俺を見たのだろうか・・・2人の姿を見ながら飯なんて・・・
≪ごめん。体調が良くないから行けない。≫
俺はこの時無理にでも行けば良かった。そしたら誤解されることも疎まれることもなかった。
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