15 / 36
15
しおりを挟む
次の日から俺たちは一緒に行動した。
嘲笑うかのような反応と蔑むような視線のなか日々は過ぎていった。
月島は特に攻撃を受ける事もなく、また俺と湊斗の関係もぎこちないなりに普通で安心していたんだ・・・そして、その日は突然やって来た。
いつものように月島を待っていた俺は風紀の奴と一緒に居る月島が見え声をかけた。
「おはよう。今日は一緒に来たんだな。」
「あぁ。今日からこいつが居てくれるし、もう一緒にいなくていいよ。」
その言葉を話す月島の眼は憎悪に満ちていた。
「えっ。でも・・・」
そのまま俺を無視して月島達は行ってしまった。
俺はそのまま1人で教室に入ると周囲の目線はいつもと違った。
「自分の幼馴染みにあんなことするなんて」
「ありえないよなー」
「いくら会長のためとか言って、実は羨ましかったんじゃないの?」
「月島も可哀想だよな・・・」
こそこそと話すクラスメイトの言葉が聞こえた。
何が起こっている?湊斗になにかあったのか?それとも亜蓮?月島が可哀想って?
俺は訳が分からず、授業に身が入らなかった。
その日の放課後、俺は親衛隊の集会場にいた。
[隊長解任について]
ホワイトボードに書かれていたのは俺の解任についてだった。
「どういう事だ?何故俺の解任についてなんか・・・」
そこには蔑みの眼で見る隊員達がいた。
「隊長、我々は今まで何度もお伝えしたはずです。行動を考えてくださいと」
副隊長からの言葉の意味が分からなかった。
連絡は取っていたが、最近湊斗とは2人で会っていない。
「何を言ってる?俺は最近会長とは会ってない」
「そちらこそ何を言ってるんですか?隊員から報告が上がっています。しかも冴島様の隊長にも危害を加えたそうじゃないですか。」
は?月島は確かに制裁を受けた。でもそれはあちらの親衛隊からだ。
「月島に危害?俺は何もしていない。冴島様の親衛隊内での制裁はあったが、月島はその時隊長を辞任している。」
「何を言っているのですか?月島隊長は辞任などしていません。あなたが冴島様の親衛隊を使ってしたのでしょう?」
意味が分からない。聞けば俺が冴島に親衛隊の子を紹介し、お気に入りにさせ、月島を孤立させた?そのお気に入りを使ってブレスレットを盗んだ?俺が冴島とも関係を持っている?聞けば聞くほど知らないことばかりで、俺の頭はパニックだった。
「しかも、私たちを使って亜蓮様に制裁など。一体何を考えているのですか?亜蓮様はあなたの幼馴染みでしょう。それに従兄弟なのでしょう?亜蓮様は良く私たちに声をかけて、会長様との交流をしてくださった優しいかたなのに。」
どういう事だ?亜蓮に制裁?しかも湊斗と交流って。俺の知らないとこで皆と会っていた?
「制裁なんて指示していない。何故俺が亜蓮を傷つけなきゃいけないんだ。それに交流の件も聞いていないがどういう事だ?」
「昨日風紀に捕まった子があなたの指示だと言っていました。それに新歓の時あなたがいないから、亜蓮様が私たちに声を掛けてくださったんですよ。新しく入った子達が交流しやすいように。あなたはその日何をしていたんですか?」
その日は治療所にいた。確かに連絡は入れれなかったが。まさかそんなことになってるなんて、何故誰も教えてくれなかったんだ。
「とにかく俺は指示していないし、新歓の日は月島と治療所にいた。それに昨日風紀から連絡は来ていない。」
「言い訳は結構です。それに会長様からあなたの解任については了承されています。」
え・・・湊斗が解任を了承した?昨日連絡したときだって何も言ってなかった。
「とにかくこちらの書類にサインを。我々はもうあなたにはついていけない。」
俺は皆の軽蔑の視線のなか書類にサインした。副隊長の手で見えてなかったその書類には解任ではなく辞任届けと書かれていることを・・・
「これ以降、私が隊長となり、そしてあなたにはこの親衛隊から追放させていただきます。」
追放・・・普通隊長でなくなったからといって除隊にはならず一隊員として活動することは出来る。しかしそれすら出来ないということ。そして一般生徒と同じで制裁対象に成り得るということを意味していた
嘲笑うかのような反応と蔑むような視線のなか日々は過ぎていった。
月島は特に攻撃を受ける事もなく、また俺と湊斗の関係もぎこちないなりに普通で安心していたんだ・・・そして、その日は突然やって来た。
いつものように月島を待っていた俺は風紀の奴と一緒に居る月島が見え声をかけた。
「おはよう。今日は一緒に来たんだな。」
「あぁ。今日からこいつが居てくれるし、もう一緒にいなくていいよ。」
その言葉を話す月島の眼は憎悪に満ちていた。
「えっ。でも・・・」
そのまま俺を無視して月島達は行ってしまった。
俺はそのまま1人で教室に入ると周囲の目線はいつもと違った。
「自分の幼馴染みにあんなことするなんて」
「ありえないよなー」
「いくら会長のためとか言って、実は羨ましかったんじゃないの?」
「月島も可哀想だよな・・・」
こそこそと話すクラスメイトの言葉が聞こえた。
何が起こっている?湊斗になにかあったのか?それとも亜蓮?月島が可哀想って?
俺は訳が分からず、授業に身が入らなかった。
その日の放課後、俺は親衛隊の集会場にいた。
[隊長解任について]
ホワイトボードに書かれていたのは俺の解任についてだった。
「どういう事だ?何故俺の解任についてなんか・・・」
そこには蔑みの眼で見る隊員達がいた。
「隊長、我々は今まで何度もお伝えしたはずです。行動を考えてくださいと」
副隊長からの言葉の意味が分からなかった。
連絡は取っていたが、最近湊斗とは2人で会っていない。
「何を言ってる?俺は最近会長とは会ってない」
「そちらこそ何を言ってるんですか?隊員から報告が上がっています。しかも冴島様の隊長にも危害を加えたそうじゃないですか。」
は?月島は確かに制裁を受けた。でもそれはあちらの親衛隊からだ。
「月島に危害?俺は何もしていない。冴島様の親衛隊内での制裁はあったが、月島はその時隊長を辞任している。」
「何を言っているのですか?月島隊長は辞任などしていません。あなたが冴島様の親衛隊を使ってしたのでしょう?」
意味が分からない。聞けば俺が冴島に親衛隊の子を紹介し、お気に入りにさせ、月島を孤立させた?そのお気に入りを使ってブレスレットを盗んだ?俺が冴島とも関係を持っている?聞けば聞くほど知らないことばかりで、俺の頭はパニックだった。
「しかも、私たちを使って亜蓮様に制裁など。一体何を考えているのですか?亜蓮様はあなたの幼馴染みでしょう。それに従兄弟なのでしょう?亜蓮様は良く私たちに声をかけて、会長様との交流をしてくださった優しいかたなのに。」
どういう事だ?亜蓮に制裁?しかも湊斗と交流って。俺の知らないとこで皆と会っていた?
「制裁なんて指示していない。何故俺が亜蓮を傷つけなきゃいけないんだ。それに交流の件も聞いていないがどういう事だ?」
「昨日風紀に捕まった子があなたの指示だと言っていました。それに新歓の時あなたがいないから、亜蓮様が私たちに声を掛けてくださったんですよ。新しく入った子達が交流しやすいように。あなたはその日何をしていたんですか?」
その日は治療所にいた。確かに連絡は入れれなかったが。まさかそんなことになってるなんて、何故誰も教えてくれなかったんだ。
「とにかく俺は指示していないし、新歓の日は月島と治療所にいた。それに昨日風紀から連絡は来ていない。」
「言い訳は結構です。それに会長様からあなたの解任については了承されています。」
え・・・湊斗が解任を了承した?昨日連絡したときだって何も言ってなかった。
「とにかくこちらの書類にサインを。我々はもうあなたにはついていけない。」
俺は皆の軽蔑の視線のなか書類にサインした。副隊長の手で見えてなかったその書類には解任ではなく辞任届けと書かれていることを・・・
「これ以降、私が隊長となり、そしてあなたにはこの親衛隊から追放させていただきます。」
追放・・・普通隊長でなくなったからといって除隊にはならず一隊員として活動することは出来る。しかしそれすら出来ないということ。そして一般生徒と同じで制裁対象に成り得るということを意味していた
32
あなたにおすすめの小説
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
とある冒険者達の話
灯倉日鈴(合歓鈴)
BL
平凡な魔法使いのハーシュと、美形天才剣士のサンフォードは幼馴染。
ある日、ハーシュは冒険者パーティから追放されることになって……。
ほのぼの執着な短いお話です。
もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる