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海無し国の海の幸
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「ふん、子供騙しだな」
アリスはそう言ってポンと机の上に読んでいた本を投げ捨てた。
「はぁ、君が活字は読めないって言ってその本を取ったんだろ?」
「文字が少なくても要点がまとまっている。それが絵本だろ?だが、人間らしいずいぶんご都合主義なハッピーエンドだな」
「別に子供のための本なんだ。これくらいが丁度いいんだと思うよ」
「だから子供『騙し』と言ったんだ。子供のときからこれを読ませる。そして、人は善、魔物は悪と刷り込ませればこのような国もできよう。見た感じ、魔ノ者にあまり良い印象を持っていないようだしな」
「それは……」
「いや、別に責めている訳ではない。多種を拒むことは生物が種を繁栄させる上での摂理であるからな。むしろ、人間がここまで繁栄してるのも道理であろう」
アリスは腕組みをしつつ、うんうんと頷いている。
「ところで、君はここに歴史書を読みに来たんじゃないのかい?」
「そうであったが他に面白そうな物を見つけたのでな。見るところ同じような物の数がやたらと多いようだが?」
ジャックは再びため息をつき解説を始めた。
「それはこの国で人気のシリーズの『エドワード・ギルガルドの冒険』って絵本でね。この国を立て直した商人の伝記をモチーフに絵本化されたものなんだよ」
「……。なるほど、それがあの箱の建物の主ということか!」
「正しくはその子孫だね」
「ふむ、流通の独占だけでなく英雄視からの人望の多さか。国王にも匹敵する権力を持っているのも頷けるな」
「おいおい、流石に国王のには及ばないと思うよ」
「どうだかな、正直財力に関してはギルガルドの方があるだろう。それほど過重な税も無いようだからな」
アリスは辺りをチラッと見て続ける。
「何はともあれよく回っているんじゃないか、この国は」
「それはどうも」
ジャックはドサッと華やかな表紙の本の山をアリスの前に置いた。
「ん? なんだこれは?」
「頼まれていた歴史の本だよ。幼児用のね」
「きさま……、私を見くびりすぎではないか?」
アリスは明らかに不服そうな表情でジャックを睨む。その反応にジャックはフフッと笑みをこぼした。
「ふん、いい気になっているがいい」
そう言いつつも、アリスは山から絵本を取り広げる。
「まぁ、貴様も冗談を言えるのだな。多少は安心したぞ」
絵本を眺めつつアリスはそう付け加えた。
「こんなもんだろうな」
アリスはそう言って立ち上がった。
山積みであった本の大半に目を通し終わったのだ。
「おや、もういいのかい?」
「ああ、こういう蔵書は手が加えられているもんだ。話し半分に読む程度が丁度いい」
アリスは両手に本を取りジャックに表紙を向けながら続けた。
「それにだ、これは伝えるためではなく楽しませることを目的にして書かれてるのものであるしな。原本はこれと同じような内容なのか?」
「ああ、だいたいの大筋は同じだよ。少し詳しく書いてあるけどね」
「そうか。まぁそこそこの収穫と言ったところか……」
アリスは首に手を当てて何か考えてながら呟いた。
そして、少し考えた後に思い出したように付け加える。
「ここは本の持ち出しは出来るのか?」
「ああ、国民なら全員借りられる。僕の名義を使えば大丈夫だろうね」
「なら、この本を頼む」
アリスそう言って本を一冊ジャックに手渡した。
「これは、なんだい?」
「誰かが書いた料理評価本だ。すごいことに店も多数マッピングしてあるぞ」
満面の笑みで開いたページを指差しているアリスを一瞥するとジャックは、
「ああ、そうかい」
と、一言溢した。
アリスはそう言ってポンと机の上に読んでいた本を投げ捨てた。
「はぁ、君が活字は読めないって言ってその本を取ったんだろ?」
「文字が少なくても要点がまとまっている。それが絵本だろ?だが、人間らしいずいぶんご都合主義なハッピーエンドだな」
「別に子供のための本なんだ。これくらいが丁度いいんだと思うよ」
「だから子供『騙し』と言ったんだ。子供のときからこれを読ませる。そして、人は善、魔物は悪と刷り込ませればこのような国もできよう。見た感じ、魔ノ者にあまり良い印象を持っていないようだしな」
「それは……」
「いや、別に責めている訳ではない。多種を拒むことは生物が種を繁栄させる上での摂理であるからな。むしろ、人間がここまで繁栄してるのも道理であろう」
アリスは腕組みをしつつ、うんうんと頷いている。
「ところで、君はここに歴史書を読みに来たんじゃないのかい?」
「そうであったが他に面白そうな物を見つけたのでな。見るところ同じような物の数がやたらと多いようだが?」
ジャックは再びため息をつき解説を始めた。
「それはこの国で人気のシリーズの『エドワード・ギルガルドの冒険』って絵本でね。この国を立て直した商人の伝記をモチーフに絵本化されたものなんだよ」
「……。なるほど、それがあの箱の建物の主ということか!」
「正しくはその子孫だね」
「ふむ、流通の独占だけでなく英雄視からの人望の多さか。国王にも匹敵する権力を持っているのも頷けるな」
「おいおい、流石に国王のには及ばないと思うよ」
「どうだかな、正直財力に関してはギルガルドの方があるだろう。それほど過重な税も無いようだからな」
アリスは辺りをチラッと見て続ける。
「何はともあれよく回っているんじゃないか、この国は」
「それはどうも」
ジャックはドサッと華やかな表紙の本の山をアリスの前に置いた。
「ん? なんだこれは?」
「頼まれていた歴史の本だよ。幼児用のね」
「きさま……、私を見くびりすぎではないか?」
アリスは明らかに不服そうな表情でジャックを睨む。その反応にジャックはフフッと笑みをこぼした。
「ふん、いい気になっているがいい」
そう言いつつも、アリスは山から絵本を取り広げる。
「まぁ、貴様も冗談を言えるのだな。多少は安心したぞ」
絵本を眺めつつアリスはそう付け加えた。
「こんなもんだろうな」
アリスはそう言って立ち上がった。
山積みであった本の大半に目を通し終わったのだ。
「おや、もういいのかい?」
「ああ、こういう蔵書は手が加えられているもんだ。話し半分に読む程度が丁度いい」
アリスは両手に本を取りジャックに表紙を向けながら続けた。
「それにだ、これは伝えるためではなく楽しませることを目的にして書かれてるのものであるしな。原本はこれと同じような内容なのか?」
「ああ、だいたいの大筋は同じだよ。少し詳しく書いてあるけどね」
「そうか。まぁそこそこの収穫と言ったところか……」
アリスは首に手を当てて何か考えてながら呟いた。
そして、少し考えた後に思い出したように付け加える。
「ここは本の持ち出しは出来るのか?」
「ああ、国民なら全員借りられる。僕の名義を使えば大丈夫だろうね」
「なら、この本を頼む」
アリスそう言って本を一冊ジャックに手渡した。
「これは、なんだい?」
「誰かが書いた料理評価本だ。すごいことに店も多数マッピングしてあるぞ」
満面の笑みで開いたページを指差しているアリスを一瞥するとジャックは、
「ああ、そうかい」
と、一言溢した。
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