体育会系の魔法使いは呪文が覚えられない~暴死するか先輩と寝るかの二択です~

清田いい鳥

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    ブルーノ先輩のパパは相変わらずニコニコして出迎えてくれた。癒されるー。うちの母様と先輩のパパは雰囲気似てるんだよな。でも決断力はある。優しい社長さんってイメージだ。うちの母様はただただ天然だからな。そこが好きだけど。

 先輩のお母様、相変わらずお綺麗だなー。普通に微笑んでるだけなのに、背中に真っ赤な薔薇が咲き乱れている幻覚が見える。こんなでかい子供がいるなんて信じられないな。

 夕食を頂きながら、久しぶりー元気ー? みたいなノリで先輩はお兄様、もう既婚で里帰りしてきたお姉様のお二人と語らっている。いいなあ先輩、穏やかなお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて。

 うちの兄貴は目敏いし悪巧みするし反撃凄いし、活発過ぎるんだよな。でも情は厚いから嫌いじゃないけど。




 話自体はトントン拍子に進んだ。

  というか、あーその話ね、オッケーオッケー、くらいのもんだった。ツーカーだった。

 先輩、俺のこと既に話してたのか。どう話していたんだろうか。しばらく会ってなかったし、子供のときの印象を元に膨らますしかないだろうし、凄い美化されてるんじゃないだろうか。

 俺、きちんと、とかしっかり、とか本当苦手だから大丈夫かな。家格の差がビジュアルで解るこのお家に、本当に認めて頂けるのか、不安になってきた。



 食後のデザートタイムは透明感のある林檎みたいな果物が乗ったケーキが出てきた。

 あっ、これ梨だ。梨っぽい。シャリッとした歯触りで、甘くてみずみずしくて、酸味が丁度いい。

 先輩と兄姉様は、カードゲームに勤しんでいる。ちなみに俺は速攻で負けました。何度やっても即墜落させられました。只今サドンデス中だ。

 あんなに穏やかな兄姉様なのに、ゲームでは攻めのチャンスを虎視眈々と狙ってくるし、決めるときは躊躇なくビシッと決めてくる。こういうとこがみんなお父様に似てるんだな。

 しかし似た者同士が残っちゃってるから、泥仕合の様相を呈している。

 今は先ほど二番目に負けたお母様と、俺の二人でのんびりティータイム中だ。またこのパターンである。しかしお母様というかお姉様って感じしかしなくて、未だにちょっと緊張する。

「貴方がブルーノの合口あいくちきみなんでしょう?き・い・て・る・わ・よ」

 セクシーコマンド全開でお母様がブッ込んでくる。

 俺は100のダメージを受けた。

「なんか、子供のときに分かってたらしいですね、お…私は全然気がついてなくて。色々と先輩に申し訳ないです」

「いいのいいの。貴方っていうご褒美がいたからあの子は頑張る気になれたんだし。あまりに身体を酷使されるようなら言ってね。お仕置きするから」

 お母様の[お見通し]を食らった。

 俺はこんらんした!

「あのっ、今のところは、あっ今っていうか、俺丈夫なんで大丈夫ですっハイっ」

「そーおー?  でもねぇ、まだ学生でしょ?  お勉強に影響したら大変よ。あの子図体でかくて体力あるから。帰りに栄養剤持たせてあげるから、必要なときに使ってね。いくらでもあるわよ」 

 お母様が支援物資をくださった。 

 俺は何故か100のダメージを食らった!

 めのまえがまっくらになった!




 お母様、ご存知だったんですね……。

 先輩、『上の先輩に聞いたんだけど』って言ってたけど。上の先輩とはお母様のことなんじゃないだろうか。

 だって俺、その辺のいろんな身分の子と遊びまくってたけど、相性がどうとか一回も聞いたことない。噂すらない。

 中には情報通のでかい商会の息子とかいたけど、そいつからも聞いたことない。


 不健全な意味で遊びまくってた先輩の独自ルートがあって、お母様に相性の話を持っていったのかもしれない。けどそれはない気がする。お母様の理解が深すぎる気がするのだ。

 お母様には偉い魔術師のお友達でもいるのかなあ。気になるが、あまり迂闊なことを聞いてしまうと、何もかも洗いざらい自白させられる予感しかしない。沈黙は金だ。




 お母様から『婚約するんだから、一緒のお部屋でいいわよ』とのお気遣いを頂いた。

 挙動不審になる俺と、見るからに機嫌の良い先輩を見比べて、お母様は妖艶な笑みを浮かべていた。


 バックに赤い薔薇を乱れ咲きさせながら。

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