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第3章 秘密
会話
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「秋葉原ってこんなにメイドさんがいるんですね。驚きました」
「初めて来た方はそう言うと思います~!」
俺達に声をかけてきたのはオーソドックスな白黒メイド服のお姉さん……ではなく、獣耳をつけた一風変わったタイプだった。
彼女は俺たち3人を見て、はしゃぐように言葉を続ける。
「え~お姉さん達可愛い~! 肌なんてシミひとつないですね~!」
テンション高めに話を振ってくれるが、彼女達はどちらも反応が薄い。
しかし、せっかくの客候補を逃したくないのか、獣耳は追撃をかける。
「皆さんはどんな関係なんですか~? もしかしてお兄さんとどっちかの方が付き合ってたり?」
その言葉に、七緒と紫の目の色が変わった。
「実は私が彼とお付き合いをさせてもらって――」
「二人で彼を取り合ってるんだ。まだどっちとも付き合ってないよ」
説明としては間違っちゃいないんだが、何も知らない人にとっては意味不明も良いところだ。
胡散臭いものを見るような視線を向けられる。
「……お兄さん、もしかしてホストですか?」
「いやいや違いますよ。この二人が言ってることも嘘で――」
「ホストじゃないです。でも、私は彼にお金だってなんだって捧げても良いと思えるように調教されてて……」
「は!? 何言ってんの!?」
七緒の目の奥が笑っている。
こいつ、完全に悪ノリしてるな。
「違うんですよ。俺は調教なんてしてなくて、それどころか何も――」
「確かに、私も彼には逆らえないかな。もう心から屈服してるんだと思う」
こういうところでだけ息が合うのやめてくれないか?
二人のおかげで社会的に殺されかねない。
早く誤解を解くか、話を逸さなければ。
「い、いやぁ二人とも冗談がキツイなぁ。お、お姉さんはどんなお店の人なんですか?」
「…………最低」
俺の質問が耳に届いていないのか、それとも聞く気もないのか、獣耳のお姉さんは侮蔑の視線を突き刺しながら去っていった。
「……どんまいですよ、先輩」
「他の女の子に嫌われても私は好きだよ」
「…………誰のせいだと思ってる?」
全く見当もつかないという惚け顔。
こいつらの家には鏡がないのだろうか。
俺がいつか買ってやるとしよう。
このまま再び声をかけられるのを待っていてもいいが、邪魔者が二人もいる以上、同じような結末になる可能性が高い。
ならば先手必勝ということで、関係はどうなのかという質問が飛んでこないうちに情報を引き出す。
「こんにちは。ちょっと聞きたいんですけど」
「あ、はい! いいですよー!」
青と白の爽やかなメイド服を見にまとった子に話しかける。
胸の辺りに「リコ」と書かれた名札が付いているのが目に入った。
こうして名前をわかりやすくしておけば、彼女の容姿に一目惚れした客に覚えてもらえるということか。
溌剌と受け答えをしてくれるリコにおおまかな事情を説明してみる。
「ふむふむ、伸び悩んでる子がいると……」
「そうなんですよね。リコさんは元気いっぱいで推してくれる人も多そうですね」
彼女は頬をかきながらにへらと笑う。
「いやぁ嬉しいです! 実は一緒に働いてる親友が一番人気で、あの子の接客を見れば参考になるかと思ったんですけど、今日休みなんですよね」
「あ、そうなんですね」
リコのエネルギーを感じる接客もその子の影響なのだろうか。
実際に見てみたかったが仕方ない。
「あと、聞いてた感じウチみたいな感じじゃなくて……あの、あそこにいる子とか、そっち方面じゃないですか? あのお店も人気あるし、行ってみるといいかもです!」
「そっか、ありがとう。行ってみようと思う」
「はい、楽しんでくださいね~!」
明るい笑顔で手を振ってくれるリコ。
背後の二人が面倒なタイプだと見抜いたのか、俺の願いを読み取ったのか、特に触れないでいてくれたのがありがたい。
なにか学んだように頷いてるし。
「じゃあ、あの子に話しかけてみるか」
お勧めされた店の子はナースのコスプレをしていた。
だが、オリジナリティのある衣装ではなく、そこら辺のデパートで買ってきたようなありきたりなもの。
おそらく病院がコンセプトの店ではなく、ガールズバーのナースコスプレデー的な感じなのだろう。
「こんにちは~。ちょっといいですか?」
「はい、なんですか?」
声をかけた金髪の子は、テキパキと受け答えしてくれる。
お世辞にも愛嬌があるとは言えないが、カラッとした態度は妙に心地が良い。
こういう個人の持っている魅力を伸ばすというのも一つの手なのか。
「……それならうちに来てみますか? 色んな子がいるから参考になるかもです」
「二人はどう思う?」
7割くらい空気で忘れかけていたが、後方の彼女達にも確認しておく。
「いいと思います。色んな属性のキャラがいるのが醍醐味ですからね。デレデレしてたら刺しますけど」
「気に入った子がいたら教えてね。それはそれで嫌だけど」
「…………お前たち、コンカフェをソシャゲか何かだと思ってない?」
確かに色んな性格、属性の子がいるだろうし、その日お店にいる子がピックアップだと考えれば間違ってはいない……のか?
あと、地味に怖いこと言わないでほしい。
目が笑ってないんだよ。
「初めて来た方はそう言うと思います~!」
俺達に声をかけてきたのはオーソドックスな白黒メイド服のお姉さん……ではなく、獣耳をつけた一風変わったタイプだった。
彼女は俺たち3人を見て、はしゃぐように言葉を続ける。
「え~お姉さん達可愛い~! 肌なんてシミひとつないですね~!」
テンション高めに話を振ってくれるが、彼女達はどちらも反応が薄い。
しかし、せっかくの客候補を逃したくないのか、獣耳は追撃をかける。
「皆さんはどんな関係なんですか~? もしかしてお兄さんとどっちかの方が付き合ってたり?」
その言葉に、七緒と紫の目の色が変わった。
「実は私が彼とお付き合いをさせてもらって――」
「二人で彼を取り合ってるんだ。まだどっちとも付き合ってないよ」
説明としては間違っちゃいないんだが、何も知らない人にとっては意味不明も良いところだ。
胡散臭いものを見るような視線を向けられる。
「……お兄さん、もしかしてホストですか?」
「いやいや違いますよ。この二人が言ってることも嘘で――」
「ホストじゃないです。でも、私は彼にお金だってなんだって捧げても良いと思えるように調教されてて……」
「は!? 何言ってんの!?」
七緒の目の奥が笑っている。
こいつ、完全に悪ノリしてるな。
「違うんですよ。俺は調教なんてしてなくて、それどころか何も――」
「確かに、私も彼には逆らえないかな。もう心から屈服してるんだと思う」
こういうところでだけ息が合うのやめてくれないか?
二人のおかげで社会的に殺されかねない。
早く誤解を解くか、話を逸さなければ。
「い、いやぁ二人とも冗談がキツイなぁ。お、お姉さんはどんなお店の人なんですか?」
「…………最低」
俺の質問が耳に届いていないのか、それとも聞く気もないのか、獣耳のお姉さんは侮蔑の視線を突き刺しながら去っていった。
「……どんまいですよ、先輩」
「他の女の子に嫌われても私は好きだよ」
「…………誰のせいだと思ってる?」
全く見当もつかないという惚け顔。
こいつらの家には鏡がないのだろうか。
俺がいつか買ってやるとしよう。
このまま再び声をかけられるのを待っていてもいいが、邪魔者が二人もいる以上、同じような結末になる可能性が高い。
ならば先手必勝ということで、関係はどうなのかという質問が飛んでこないうちに情報を引き出す。
「こんにちは。ちょっと聞きたいんですけど」
「あ、はい! いいですよー!」
青と白の爽やかなメイド服を見にまとった子に話しかける。
胸の辺りに「リコ」と書かれた名札が付いているのが目に入った。
こうして名前をわかりやすくしておけば、彼女の容姿に一目惚れした客に覚えてもらえるということか。
溌剌と受け答えをしてくれるリコにおおまかな事情を説明してみる。
「ふむふむ、伸び悩んでる子がいると……」
「そうなんですよね。リコさんは元気いっぱいで推してくれる人も多そうですね」
彼女は頬をかきながらにへらと笑う。
「いやぁ嬉しいです! 実は一緒に働いてる親友が一番人気で、あの子の接客を見れば参考になるかと思ったんですけど、今日休みなんですよね」
「あ、そうなんですね」
リコのエネルギーを感じる接客もその子の影響なのだろうか。
実際に見てみたかったが仕方ない。
「あと、聞いてた感じウチみたいな感じじゃなくて……あの、あそこにいる子とか、そっち方面じゃないですか? あのお店も人気あるし、行ってみるといいかもです!」
「そっか、ありがとう。行ってみようと思う」
「はい、楽しんでくださいね~!」
明るい笑顔で手を振ってくれるリコ。
背後の二人が面倒なタイプだと見抜いたのか、俺の願いを読み取ったのか、特に触れないでいてくれたのがありがたい。
なにか学んだように頷いてるし。
「じゃあ、あの子に話しかけてみるか」
お勧めされた店の子はナースのコスプレをしていた。
だが、オリジナリティのある衣装ではなく、そこら辺のデパートで買ってきたようなありきたりなもの。
おそらく病院がコンセプトの店ではなく、ガールズバーのナースコスプレデー的な感じなのだろう。
「こんにちは~。ちょっといいですか?」
「はい、なんですか?」
声をかけた金髪の子は、テキパキと受け答えしてくれる。
お世辞にも愛嬌があるとは言えないが、カラッとした態度は妙に心地が良い。
こういう個人の持っている魅力を伸ばすというのも一つの手なのか。
「……それならうちに来てみますか? 色んな子がいるから参考になるかもです」
「二人はどう思う?」
7割くらい空気で忘れかけていたが、後方の彼女達にも確認しておく。
「いいと思います。色んな属性のキャラがいるのが醍醐味ですからね。デレデレしてたら刺しますけど」
「気に入った子がいたら教えてね。それはそれで嫌だけど」
「…………お前たち、コンカフェをソシャゲか何かだと思ってない?」
確かに色んな性格、属性の子がいるだろうし、その日お店にいる子がピックアップだと考えれば間違ってはいない……のか?
あと、地味に怖いこと言わないでほしい。
目が笑ってないんだよ。
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